起業家たち(6)
女性に着飾る喜びを
ミスコンシャス(愛知県)の小山絵美社長

「ミスコンシャス」の小山絵実社長
国内外約240のブランド、計約3000着を用意し2カ月に1回、新たな商品を加える。妊婦用を含めサイズを豊富にそろえ、ネックレスなど小物も貸し出す。「独自のサイズ基準を表示。利用者の感想を掲示し、スタッフによる無料相談も実施して試着できない点をカバーしている」と話す。
6泊7日のレンタル料金は2900~1万1900円(税別)ほどだ。購入すると3万~5万円のドレスが中心で、10万円を超える商品もある。
起業のきっかけは社会人になり、結婚式に出席する機会が増えたことだった。「同じ服を着回したくないが着る機会が少なく、高価な物は購入したくない。借りられる仕組みがあれば」と2012年に会社を設立した。
当初は名古屋市内に開店。遠方からの来客が多いことや、試着で汚れるとすぐに貸し出すことができない点に気付いた。「ネットであれば商品をいつでも見られ、クリーニング仕立ての状態を保てる」と考え、13年にネット運営に切り替えた。
18年3月時点で、約5万3000人が利用。「妊婦なので助かった」「必要なときに着たいものを選べる」と好評だ。
スタッフは現在20人を超え、育児中の女性従業員向けにキッズルームを設置、自身も子育てしながら事業に取り組む。「衣装を借りて利用することが選択肢の一つとなるように、市場を拡大していきたい」と意気込む。
椙山女学園大卒。在学中に準ミス・インターナショナル日本代表に選ばれ、ベンチャー企業などを経てミスコンシャス設立。愛知県出身。34歳。
楽しい子育てに貢献
GMPインターナショナル(東京)の飯田美恵子社長

東京都渋谷区の直営店に立つGMPインターナショナルの飯田美恵子社長
自転車産業が盛んな台湾の協力工場が主な生産拠点だ。金属製の骨組みは自転車部品の技術を生かして溶接、長い間使ってもきしみが出にくいという。車輪の回転をスムーズにするベアリングも装着している。
デザイン関係の仕事をしていた二十数年前、休暇で訪れたハワイで3輪ベビーカーを見かけたことが起業のきっかけだ。米国人男性が赤ちゃんを乗せてジョギングしながら押していた。「押しやすさとおしゃれなデザインは、日本でも受け入れられると直感した」と振り返る。
米国メーカーと交渉し、輸入代理店契約を結んだ。日本ではジョギングに使う人は少なかったが、ファッション性の高さが人気に。ただ、消費者からは折りたたみにくさなどに不満も多かった。
米国メーカーに改善を求めたが受け入れられず、自分で開発しようと思い立った。「デザインを描いたスケッチブックを片手に台湾の工場をいくつも回り、イメージ通りのものを作ってくれる工場を見つけた」
「エアバギー」のブランド名で発売。改良を繰り返し、累計で20万台近く販売した。現在の主力モデルは6万円台が中心だ。骨組みに取り付けるシートなどを付け替えれば、ショッピングカートにも使える。「子どもが大きくなったら廃棄するのでなく、生活のさまざまな場面で長く使ってほしい」と訴える。
文化服装学院卒。ファッション業界を経て2001年、GMPインターナショナル設立。東京都出身。56歳。
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