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2018年8月20日(月)
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起業家たち(5)

2018/03/16
 労働者に適正な賃金を支払うなど公正な環境で作られた宝石を素材とした宝飾品の販売を手掛ける。過酷な労働を強いられて採掘された製品を避け、生産現場である鉱山などで働く立場の弱い人たちの生活を守るための取り組みを進めている。

宝石鉱山で働く人守りたい


HASUNA(東京)の白木夏子社長

「HASUNA」の店頭に立つ白木夏子社長=東京都渋谷区

「HASUNA」の店頭に立つ白木夏子社長=東京都渋谷区

 労働者に適正な賃金を支払うなど公正な環境で作られた宝石を素材とした宝飾品の販売を手掛ける。過酷な労働を強いられて採掘された製品を避け、生産現場である鉱山などで働く立場の弱い人たちの生活を守るための取り組みを進めている。

 東京都内の2店舗のほか、全国主要都市の百貨店などで期間限定の店を開き、インターネットでも販売する。こうした商品は「エシカルジュエリー」と呼ばれる。英語で「倫理的な宝飾品」という意味で、欧米で先行して売られていた。

 起業の原点になったのは、英国の大学に留学し国際協力を学んでいた十数年前の経験だ。夏休みの実習でインドを訪れ、貧しい村人が宝石鉱山で働く様子を見た。「それまで採掘の現場について何も知らずに宝飾品を買っていたことに衝撃を受けた」と振り返る。

 宝石は流通経路が複雑で取引の実態が分かりにくく、立場が弱い労働者がしわ寄せを受けているという。「どんな環境で採掘したかはっきり分かる宝石を使うことで、問題の解決につなげようと考えた」と話す。

 卒業後、国際機関や金融会社に勤めてビジネスの仕組みを学んだ。世界中の宝石関係者に呼び掛け、事業の狙いに合う産地を探した。情報が入ると現地を訪れ仕入れについて交渉。「アジア、アフリカ、南米など約20カ国を回った」

 現在、扱う商品は数百種類。婚約指輪は50万~60万円、その他の宝飾品は10万円前後が中心だ。長く使ってほしいという願いから、飽きのこないデザインが特徴だ。「豊かな生活の中にある商品ができるまでに、多くの人の苦労があることを知ってほしい」と強調する。

 英ロンドン大卒。2009年、HASUNA(ハスナ)設立。鹿児島県志布志市出身。36歳。

気軽におしゃれを楽しんで


フィットミー(東京)の星田奈々子社長

「フィットミー」の星田奈々子社長

「フィットミー」の星田奈々子社長

 東京で婦人服のオーダーメードサロンを手掛けている。ワンピースやジャケットなどを生地や縫製代含めて1万円台で提供。「既製品では体形に合う服が見つからずに悩む人が、もっと気軽におしゃれを楽しんで幸せになれたら」と語る。

 注文客は予約してデザインを決め、約1500種類の生地から選ぶ。採寸後、パートナー契約を結ぶベトナムの工房で縫製する。完成は1カ月半~2カ月後でスカート1万5120円、ジャケット1万9980円など。「広告費をかけず、信頼できるベトナムの工房で作ることによりコストを抑えた」と説明する。

 「小柄で既製品では直し代が高かったが、不要になった」「体形を気にせずにかわいいワンピースが着られる」といった感想が寄せられる。

 会社員をしていたとき、同僚から「肩幅や袖丈で選ぶと、前ボタンが閉まらない」との悩みを聞いたことがきっかけになった。会社に勤める傍ら事業を始め、約8年後に会社を設立、専念した。服飾業界の知識や人脈がなく、集客やスタッフ探しには苦労した。20人の知人に1着無料で作って配ることから始め、徐々に口コミで広がった。現在8人のスタッフや外部パートナーらと働く。

 年に数回、期間限定で名古屋や大阪で出張型サロンを展開。「北海道や福岡にエリアを広げ、インターネット販売にも力を入れたい」と語る。

 「オーダーメードの特性を生かし、身体に障害がある人や心と体の性が一致しない人の利用も増やしていきたい。事業を通じて多くの人を笑顔にできたら」と意気込む。

 慶大卒。1997年リクルート(現同ホールディングス)入社。2014年に会社設立。大阪府出身。44歳。

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