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2018年8月19日(日)
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起業家たち(3)

2018/01/31
 企業が従業員向けに設置する保育所の開園や運営を支援する事業を手掛ける。子どもを預けられる場を増やして働く女性の活躍を後押しするとともに、保育士にもパート勤務など新しい働き方を提案、相乗効果を狙う。

働く女性の活躍後押し


企業内保育所の設置や運営を支援する「ワーク・イノベーション」(横浜市)の菊地加奈子(きくち・かなこ)社長

「ワーク・イノベーション」の菊地加奈子社長

「ワーク・イノベーション」の菊地加奈子社長

 企業が従業員向けに設置する保育所の開園や運営を支援する事業を手掛ける。子どもを預けられる場を増やして働く女性の活躍を後押しするとともに、保育士にもパート勤務など新しい働き方を提案、相乗効果を狙う。

 東京都調布市で今年開園予定の病院内保育所で、パートナーとして運営に携わる。病院で働く女性や地域の子どもが保育対象で、女性医師らから就職を含めた問い合わせが相次いだ。「多くの妊婦が女性の産婦人科医師を希望する半面、妊娠・出産を機に離職する女性医師が後を絶たない状況を変えたかった」と指摘する。

 5人の子どもを育てる母親でもあり、一時、仕事から離れ、育児に専念した。社会保険労務士の資格を取って、働くことを再開したが「個人事業主では育休どころではなかった」。子どもを預けられる施設の必要性を痛感した。

 事務所に保育所を併設したことで、企業が保育所を持つメリットに気付いた。「子どもを預ける親の多様な働き方に対応できる。保育所の存在は働く人が企業を選ぶ大きなポイントになる」と説明する。

 社会保険労務士として企業の労務管理に携わってきたことが、保育士の新しい働き方を提案できる下地になっている。「シフトの組み方を細かく丁寧にすると無駄が省ける。経験を積んだ保育士がフルタイムの勤務でなくても重責を担うことが可能になる」と語る。

 子どもの保護者、社会保険労務士、保育所の運営者といった三つの顔を持つ。「本当に必要な保育の在り方や働き方を組み合わせて提案できる。モデルになる事例を積み重ねていきたい」

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 早大卒。10年に社会保険労務士事務所を開業。12年「ワーク・イノベーション」設立。横浜市出身。40歳。

肌にも心にも優しく


ストレスのない職場づくりを目指す化粧品メーカー「メディプラス」(東京)の恒吉明美(つねよし・あけみ)社長

商品が並ぶ棚の前に立つ「メディプラス」の恒吉明美社長

商品が並ぶ棚の前に立つ「メディプラス」の恒吉明美社長

 植物から取った成分などを配合した肌に優しい化粧品を主に通信販売で扱う。「肌と心はつながっている」が信条で、社内では社員を笑顔にしようと「チーフ・スマイル・オフィサー(CSO)」と名付けた役職を設置、休みの取得を促すなどストレスのない職場づくりを目指している。

 自身がアトピー性皮膚炎で長く悩んでいた。さまざまな種類の化粧品を試したが合うものが見つからなかった。「それなら自分で作ろうと思い立った」ことから、2003年に会社を設立した。

 1本で手入れが完了する「オールインワン」と呼ばれるスキンケア化粧品が主力商品。主に国産の天然成分を使い、国内の協力工場で製造している。

 洗顔後の肌の手入れは、化粧水、乳液、美容液など何種類もの化粧品を使う女性が多いが「多くの種類を使うと、それだけ肌にストレスをかける」と言う。医療事務員として皮膚科クリニックに勤めながら学んだ知識がアイデアにつながった。

 肌に優しい化粧品を売る会社として、社員にもストレスのない働き方をしてほしいと考え、15年にCSOを設置した。半年に1回、全社員と面談し有給休暇の取得計画について話し合う。

 休暇の完全取得を目指し、それぞれの社員が「有給ペース配分表」を作成。取得率は過去2年間で大幅に上昇したという。このほか、同じ月に誕生日を迎える社員を集め、会社負担の食事会を開くなどコミュニケーションに気を配る。

 関連の研究所では社会のストレスについての研究を発表。「化粧品を入り口に、幅広く社会のストレス解消に貢献していきたい」と話す。

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 鹿児島県立加治木高校卒。病院事務職などを経て会社設立。鹿児島県姶良市出身。44歳。

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