みやビズ

2019年10月16日(水)
Biz-女(ビジョ)ナビ

起業家たち(2)

2018/01/19
80代以上の女性をターゲットに独自企画の洋服を通信販売する。加齢によって背中や腰が曲がったり下腹部が出たりして、既製の服が合わなくなった女性向けにデザインする。「何歳になってもきれいでいたいという願いをかなえたい」と事業の狙いを語る。

何歳になってもきれいに

80代以上の女性向けの洋服を販売する「マダムトモコ」(東京)の武石麗子(たけいし・れいこ)社長

自社製品の洋服を持つ「マダムトモコ」の武石麗子社長=東京都世田谷区

自社製品の洋服を持つ「マダムトモコ」の武石麗子社長=東京都世田谷区

 80代以上の女性をターゲットに独自企画の洋服を通信販売する。加齢によって背中や腰が曲がったり下腹部が出たりして、既製の服が合わなくなった女性向けにデザインする。「何歳になってもきれいでいたいという願いをかなえたい」と事業の狙いを語る。

 同じ気持ちを持つデザイナーと協力して服のアイデアを出し合い、手作業で型紙を作る。一般的な服に比べ背中を広めに、腰回りをゆったりさせることで「体の線が見えなくなり、すっきりした印象になる」と言う。

 扱う品目は約80種類。ブラウスは1万円台、コートは3万円前後が売れ筋だ。できるだけ表情を明るく見せる色使いにも気を配る。素材メーカーの見本市などで生地を仕入れ、製造は国内の協力工場に委託。顧客は全国約2万人で、継続して購入する人が多いという。

 起業前は専業主婦だった。十数年前、祖母の米寿(88歳)の祝いに母が贈った手作りのブラウスが事業の原点だ。おしゃれだった祖母が加齢とともに服が合わなくなり、家にこもりがちに。「母が縫ったブラウスがよく似合い、祖母の喜んだ顔がとても印象に残った」と振り返る。

 同じ悩みを持っている高齢の女性が多いと考え調べた。「大きいサイズのものを着て体形を隠すなど、おしゃれを我慢している人が多いことに気付いた」。知人を通じた口コミで販売を始め、インターネットサイトを開設してから評判が広がった。

 高齢の母へのプレゼントとして息子、娘が購入するケースが多い。「母がおしゃれをするようになり友達が増えて会話が多くなったと、感謝の手紙が届く」と話す。
×      ×
 短期大学卒業後、約3年間の会社勤めの後に退社。2004年マダムトモコ設立。東京都出身。46歳。


技術習得促し企業に橋渡し

障害者の就業を支援する一般社団法人「アプローズ」(東京)の光枝茉莉子(みつえだ・まりこ)代表理事

「アプローズ」の光枝茉莉子代表理事

「アプローズ」の光枝茉莉子代表理事

 「アプローズ」など障害者の就労を支援するグループを運営している。障害者が技術を習得しながら働くことができる施設を用意しているほか、自立訓練を促して一般企業への就職の橋渡しをし、就労条件の改善を目指している。

 東京都内の企業と組んで、本社や支社を飾る花をアレンジして届ける仕事をつくった。企業の子会社のサテライトオフィスで実際の業務運営にも関わっている。「4カ月で8人の障害者スタッフの雇用を実現できた」と成果を強調する。2018年にもさらに障害者の雇用が予定されている。

 働くことは社会参加になり、賃金を得て自信につながるが「障害者の働く場が少なく、賃金水準は低い」と指摘する。一方、企業側も障害者の雇用を増やすことが法律で求められている中で受け入れるノウハウが不足、両者をつなぐ役割を担う。

 東京都福祉保健局に8年間勤務、障害者施策や福祉施設を担当。施設で働く障害者の所得が低く、職業選択の幅が狭いことを疑問に思っていた。力になりたくても「行政側の一員と見られて距離を置かれた」という。貯金や退職金を元手に起業し、この世界に飛び込んだ。

 当初は自らの福祉事業所で働いてもらいながら就労条件を良くしようと考えていたが、限界を感じた。一般企業での雇用に結び付けることで、賃金などが大きく向上することに気付いた。「社会的なニーズにも合致している。障害者の可能性を広げていきたい」と意気込んでいる。
×      ×
 東京都立大(現首都大東京)卒。東京都職員を経て14年アプローズ設立。相模原市出身。33歳。

アクセスランキング

ピックアップ