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2017/07/21
 女性をいかに活用できるかが企業成長の鍵となっている。人材確保が困難を極める中、従業員の6割が女性であっても独自の人材活用策で業績を伸ばすビル清掃会社のグローバル・クリーン(日向市、税田和久社長)。経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」「子育て支援優良企業賞」など各種の表彰や賞を受けている。同社の取り組みについて税田社長に聞いた。

◇全従業員の戦力化や柔軟な対応が鍵


 女性をいかに活用できるかが企業成長の鍵となっている。人材確保が困難を極める中、従業員の6割が女性であっても独自の人材活用策で業績を伸ばすビル清掃会社のグローバル・クリーン(日向市、税田和久社長)。経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」「子育て支援優良企業賞」など各種の表彰や賞を受けている。同社の取り組みについて税田社長に聞いた。

■人材育成プログラムで成長促進


清掃現場で活躍する女性従業員。子どもの病気など急な欠員に対応できるよう、余裕のある人員でチームを組んで作業を行えるようにしている(グローバル・クリーン提供)

清掃現場で活躍する女性従業員。子どもの病気など急な欠員に対応できるよう、余裕のある人員でチームを組んで作業を行えるようにしている(グローバル・クリーン提供)

 税田社長の父が経営していた清掃会社が倒産し、その会社の従業員を引き継ぐ形で2000年に個人事業主として起業。当時の社員は65歳以上の女性や障害者の男性など9人。ビル清掃などは体力勝負のため、「きつい、汚い、危険という3Kのイメージからかなかなか集まらず、来た人は働く意欲が低い人ばかりだった」という。

 2008年に法人化したが、人材確保は依然苦労した。しかし、ここで発想を転換したことが会社の成長の土台となった。「来てくれた人を戦力化できるよう育てればいい」。

 これまで男性が主に担ってきた清掃機器の扱いや工程の指示業務を、女性でもできるように人材育成プログラムを構築。サービスの質を維持するために「なぜこの工程が必要なのか」といった工程の丁寧な説明と、税田社長が清掃方法や機器の扱いなどを指導する研修を実施することで従業員に清掃のプロ意識を植え付けた。

 合わせてユニホームや清掃道具も一新。イタリア製のカラフルなモップや機器などを導入し「魅せる清掃」で従業員の仕事に対するモチベーションを上げた。さらに、「清掃業もおしゃれなんだ」と思ってもらえるようブランディングにも取り組んだ。

■忙しくても休み取りやすく


休暇取得への柔軟な対応や全従業員を戦力化することで、人材確保や売り上げ増につなげてきたグローバル・クリーンの税田和久社長

休暇取得への柔軟な対応や全従業員を戦力化することで、人材確保や売り上げ増につなげてきたグローバル・クリーンの税田和久社長

 一方、育児休業などの休業制度も整えたが運用すると、制度に当てはまらない事態が起きた。父が余命1カ月の宣告を受けた従業員が、「残された時間を一緒に過ごしたい」と申し出てきた。制度にはなかったが、「仕事はあとで巻き返せるから」と納得のいくまで休みを取らせた。

 また、男性の営業課長には、妻の育児休業終了後に2カ月の育児休業を取得するように指示。本人は「休みをもらうなんて、とんでもない」と尻込みしだが、「妻の体調が本調子でないときのケアは大事。仕事はみんなでカバーする」と説得したという。

 従業員の約8割は子育てや孫の面倒を見ている世代。参観日などの学校行事は優先させるようにした。「忙しい人間が休みを取れると、他の人も休みを取りやすくなる」と説明する。また、人員体制を充実させ、余裕のある人員でチームを組むことで急な欠員にも対応できるようにしている。

 休業中の従業員の仕事をカバーすることへの負担感について、「皆が一斉に休むわけではない。いつか自分も休んで穴を空けるかもしれないという気持ちがあり、助け合いの気持ちがある」と話す。

 女性の管理職登用も積極的だ。契約社員として入社した女性のうちやる気のある従業員には半年間のキャリアアップ研修を受けてもらい、正社員として登用する。現在、この研修を受けた3人が課長や主任などとして活躍している。

 こうした取り組みにより業容を拡大させ、法人化当時に5400万円だった売上高も16年6月期には1億4800万円にまで伸ばした。「社員教育が奏功し、皆がついてきてくれたから」。家庭との両立や自身の能力に悩んで辞めていく従業員はおらず、新卒採用も順調。

 「『こうやって働きたい』という希望を出してきたら、規定に合わなくても極力応える。ワークライフバランスではなく、日々の暮らしや人生設計をより大事にする『ライフワークバランス』の充実を図れる企業こそが、女性や障害者などを生かし、成長し続けられる企業だ」と力を込めた。
(西村公美)

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