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2018年5月24日(木)
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UIターンして働き、暮らす

2017/06/16
 都市部を離れて生まれ育った地元や、住んでいる地とは違う地域で暮らす「UIJターン」。首都圏から宮崎市内にUIターンした女性2人は、本県特有ののんびりした気質や控えめな県民性に物足りなさを感じる一方、子育てと両立した働き方を実現できる環境にありがたみを感じているようだ。

◇客観的な視点で魅力再発見


 都市部を離れて生まれ育った地元や、住んでいる地とは違う地域で暮らす「UIJターン」。首都圏から宮崎市内にUIターンした女性2人は、本県特有ののんびりした気質や控えめな県民性に物足りなさを感じる一方、子育てと両立した働き方を実現できる環境にありがたみを感じているようだ。

■Uターン・東郷あすかさんの場合


長女を連れて取材に出向くこともあるという東郷さん。「相手方が嫌な顔せずに歓迎してくれるのが救い」と話す

長女を連れて取材に出向くこともあるという東郷さん。「相手方が嫌な顔せずに歓迎してくれるのが救い」と話す

 「いつかは宮崎に帰りたいという思いがあった。それが実現できて幸せ」。ウェブ制作会社「カタチウム」(宮崎市)広報担当の東郷あすかさん(30)=宮崎市清武町出身=は、2015年10月にUターン。東京で働いていたときとは異なる満足感に浸る。

 外部のライターも兼業する東郷さんは、同社の代表で夫の剛さん(34)と協力し、10カ月の長女を職場で子守りをしながら働く。取材先に子どもを連れて出向くこともあるが「子連れを嫌がる人はほとんどいない。あやしてくれたり、『赤ちゃんは泣くのが仕事だから気にしないで』と声を掛けてくれたりすると気持ちが楽になる」とほほ笑む。

 育児休暇をしっかり取得するのと同じように、働き方の選択肢として子連れで働くことを定着させるのが東郷さんの夢だ。「宮崎の人は子どもに対してとても寛容。自分にあった働き方はたくさんあるだろうが、『東郷さんができているなら私もできそう』といったモデルケースになれれば」と意気込む。

東京でコピーライターとして活動してきた畠山さん。「ターゲットの定め方や販売戦略など一から携わっていけるのが、宮崎で広告の仕事をする魅力」と笑顔を見せる

東京でコピーライターとして活動してきた畠山さん。「ターゲットの定め方や販売戦略など一から携わっていけるのが、宮崎で広告の仕事をする魅力」と笑顔を見せる

 一方で、のんびりした気質に違和感もある。帰郷後に働いていた会社でのことだ。取引先から依頼を受けたらすぐに資料を送るなど、なるべく早い対応をするように心掛けていた。しかし、上司から「次からもそのペースで相手に接しないといけなくなる。対応は一日寝かせなさい」と指示された。「スピードもサービスの質を高める価値だということを認識すべき」と訴える。

■Iターン、畠山容子さんの場合


 はたけやま広告事務所(宮崎市)代表の畠山容子さん(40)=埼玉県出身=は、東日本大震災から半年後の2011年9月、父の古里である宮崎市に夫健さん(40)とともに移住。15年に同社を立ち上げ、県内企業や団体の広告デザインや商品パッケージなど幅広く手がける。

 東京ではコピーライターとして広告会社に勤務し、「無印良品」や「アディダス」など有名ブランドの広告を担当した。大企業は広告を出す際、ターゲットや販売戦略といった基本的なことについては社内で検討済みであることが当たり前だった。しかし、県内では商品の強みや広告の目的、ターゲットなど時間をかけて依頼主にヒアリングすることから始まる。依頼主と接する中で、「商品の良さにこだわりすぎて、売り方や見せ方にまで目配りができていないケースが多い」という。

 しかし、一から携わることで得られる充実感は計り知れない。「最初から最後まで依頼主に伴走できるのは大きな喜び。手間はかかるが『自分の作った商品』と胸を張れるくらいの気持ちで携わったものが評価されると、依頼主と同じくらいうれしい」。東京で働いていた時とはひと味違うやりがいを感じている。

畠山さんが手がけた企業や団体のパンフレット

畠山さんが手がけた企業や団体のパンフレット

 移住後に生まれた長女(3)の子育て環境の良さも実感している。海や山、公園などのびのびと遊べる場所はすぐ近くにある。「都会での子育てだったら息苦しさを感じていたはず」

 移住後に参加したセミナーなどで築いた人脈が縁となり、仕事も増えたという。「東京でやっていた仕事が宮崎でもできると思っていなかった。本当にありがたい。宮崎の良さをもっと発信し、宮崎の役に立つことが、私を受け入れてくれた宮崎への恩返し」と意気込む。
(西村公美)

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