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2018年10月17日(水)
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創業女子 2017年の目標

2017/01/20

事業や店の価値高める1年に

 今年は酉(とり)年。どんなに風が強くても飛び続ける鳥のように、飛躍を誓うビジネスウーマンも多いと思う。新年1回目は2016年に起業した2人に今年に懸ける意気込みを尋ねた。

 今年は酉(とり)年。どんなに風が強くても飛び続ける鳥のように、飛躍を誓うビジネスウーマンも多いと思う。新年1回目は2016年に起業した2人に今年に懸ける意気込みを尋ねた。

女性が働きやすい環境を整えるために法人化を目指す「このはな不動産」の塩谷愛藍さん

女性が働きやすい環境を整えるために法人化を目指す「このはな不動産」の塩谷愛藍さん

 延岡市で「このはな不動産」を始めた塩谷愛藍さん(31)の日課は、住宅街の空き家や土地をチェックして回ること。個人事業から法人への転換が目標だ。

 学生時代を関東で過ごし、高層マンションなどの開発で街並みが活気づく様子を見て、不動産業界に関心を持った。古里の延岡市へ戻り、子育てをしながら宅地建物取引士(宅建)の資格を取得。地元の不動産会社で、アパートなど賃貸物件の営業や、土地・建物の売買仲介を担当した。

 ある時、客に「女性の営業担当は付けないでほしい」と言われてショックを受けた。他の業界を見回しても営業職は男性がほとんど。「女性が拘束時間の長くなりがちな営業職を務めるには、周囲のサポートが不可欠。女性の営業職が少ないからお客さんも抵抗があったのかも」と考えた。

 また、働きながら気付いたのは経済的に恵まれない母子家庭の多さ。「家庭の事情に左右されず、意欲のある女性がきちんと働いて稼げる環境を整えたい」との気持ちが高まり、5年間勤めた会社を退職。昨年5月、個人事業主として市内の住宅街に小さな事務所を構えた。

 営業に回ると地主や建物オーナーに「知らない業者が来た」と警戒された。売り上げの見込みが立たず、定期預金に手を付けるほど生活が苦しくなったこともあった。それでもくじけず、営業先に足を運んで丁寧な説明を重ね、信頼を勝ち取って契約数を増やしていった。9歳の長女の「そんなに弱音を吐くなら、最初からやらなければよかったのに」という言葉に奮い立たされたこともあった。

 法人化は、女性が働きやすい環境を整えるための第一歩だと考えている。「企業として福利厚生や就労規則を整えることで人材確保がしやすくなる」と強調。「不動産業は慎重さや細やかさなど女性らしさが生きる業種。その魅力と働くことのやりがいを感じてほしい」とほほ笑んだ。

    
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商品の良さで客を引きつけられる店づくりを目指す「CASE」の大塚三佳子さん

商品の良さで客を引きつけられる店づくりを目指す「CASE」の大塚三佳子さん

 宮崎市の四季通りにあるセレクトショップ「CASE」のオーナー大塚三佳子さんは、30歳という人生の節目に挑戦しようと、昨年11月に起業した。仕入れや知名度アップに悪戦苦闘しつつも、価格より商品の質を評価される店づくりを目指している。

 幼稚園教諭になるため大阪の短大に進学したが、ファッション業界への憧れが捨てきれず中退。大阪の衣料品店で働きながら店舗運営のノウハウを学び、アクセサリーの卸会社では商品デザインに携わって、ものづくりの喜びを味わった。

 帰郷後、アルバイト先で知り合ったある経営者たちに「いつか洋服店を開きたい」と夢を語ると、自身の経験を話してくれ、資金調達の方法も教えてくれた。周囲の応援を力に、がむしゃらに働いて資金をため、開業へこぎつけた。

 扱う服や雑貨は、日本でも人気が広がっている韓国ファッションがメイン。現地から直送していて、見本と異なるデザインだったり、縫製が雑だったりと苦労することは多い。それでも粘り強くやりとりをして仕入れるのは「韓国ファッション独特の色使いは、他の人と違うものを身につけたい客のニーズにマッチするから」という。

 「宮崎の人はまず値札を見ることが多い。手に取りやすい価格設定も大事だが、『あの店には良い服がそろっている』と思ってもらえることが最も重要」と感じている。3月に韓国へ出向き、自分の目で見ていいと思ったものを買い付ける予定だ。

 「自分の店を持ちたい」という夢を持つ若者の相談に乗ることも増えてきたという。「私自身がいろんな人に応援してもらったように、これから起業を目指す人をできる限りサポートしたい」と先輩の役割を自覚し、経営者の卵たちを温かく見守っている。
(西村公美)

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