みやビズ

2019年1月23日(水)
タニダの法務ルーム

リスクだらけの事業承継(2)~子どもに継がせる場合~

2018/01/25
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 事業承継と一口に言っても、そのタイプはさまざまです。一般的に(1)自分の子ども等の親族に継がせる「親族内承継」(2)親族でない自社役員や従業員に継がせる「従業員等への承継」(3)会社外の第三者に事業を売却する「第三者承継(=いわゆるM&A)」に分類されます。

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たにだ・よしと 1979年、兵庫県伊丹市生まれ。京都大卒。宮崎地方裁判所で司法修習を受け、本県で弁護士登録。債権回収や事業再建、労務問題などに企業側の弁護士として対応する。中小企業診断士の資格も持ち、2015年7月、宮崎市橘通東1丁目に谷田経営法律事務所を設立。

たにだ・よしと 1979年、兵庫県伊丹市生まれ。京都大卒。宮崎地方裁判所で司法修習を受け、本県で弁護士登録。債権回収や事業再建、労務問題などに企業側の弁護士として対応する。中小企業診断士の資格も持ち、2015年7月、宮崎市橘通東1丁目に谷田経営法律事務所を設立。

 そして、これらのタイプごとに、弁護士の関わり方や立ち位置は異なってきます。このシリーズでは、従来多く採用されてきた(1)親族内承継と、後継者難によって近時急増している(3)第三者承継にスポットライトを当てて、弁護士がどういった形でお役に立てるのかを説明します。

 さて、親族内承継については、ざっくりと表現すれば、「社長が、会社の経営権(=株式)を、子どもたちに円滑にバトンタッチする」ことに尽きます。そして、引き継ぐ先が子どもである以上、相続(あるいは、相続を見据えての生前贈与)を通じて、会社の株式を子どもに引き継がせることが基本となります。

 「たったそれだけ?会社の株式を相続させるだけならメチャクチャ簡単だし、別に弁護士は要らないのでは」「株式を持ったまま死ぬだけでいいんでしょ」と思われる方もおられるかも知れません。しかし、そう簡単ではありません。

 相続人が数人いる状態で社長が死亡すると、会社株式を含む遺産は相続人同士の話し合いで分けられることになるのですが、ここでもめる可能性が非常に高いのです。いわゆる「争族」という問題です。

 特に、中小企業の社長とその子どもたちの場合、後継者は「家業の苦労を俺だけが背負って、他の兄弟は楽している」と考える一方で、他の兄弟達は「地盤が固まった家業を、兄さんが独り占めするなんてずるい」「父さんの生前に、兄さんだけ高い給料を受け取っていたんじゃないのか」と邪推し、さらにはそれぞれの配偶者まで口出しして収拾がつかなくなる、というのがお決まりのパターンです。

 「ドロドロの遺産分割特集」をここでするつもりはないので(本当はしたいですが・・・)、この辺でやめておきますが、とにかく「うちの子どもたちは仲が良いから、株式などの分け方もうまく話し合ってくれるだろう。特に対策しなくても大丈夫」なんてことは全く通用しない、ということは声を大にして申し上げたいところです。

 というか、もめそうな家族構成・財産構成の社長に限って、この辺の意識が緩いような気がします。(愛人の子を認知しておきながら「まあ大丈夫だよ」と楽観視する社長もおられます。さすがにそれはちょっと勘弁してほしいところです)

 こういった遺産分割トラブルを避けるためにはどうしたらいいのでしょうか。次回は、社長自身の死後、事業をトラブルなく承継する方法について解説します。

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