みやビズ

2018年5月22日(火)
タニダの法務ルーム

顧問弁護士とは?

2017/04/27
 前回は「自社に合った弁護士の見極め方」についてお話をしました。今回は気に入った弁護士を見つけた場合に、どういった形でその弁護士と付き合えばいいのかについてお話しします。

谷田経営法律事務所のホームページはこちら

たにだ・よしと 1979年、兵庫県伊丹市生まれ。京都大卒。宮崎地方裁判所で司法修習を受け、本県で弁護士登録。債権回収や事業再建、労務問題などに企業側の弁護士として対応する。中小企業診断士の資格も持ち、2015年7月、宮崎市橘通東1丁目に谷田経営法律事務所を設立。

 前回の最後の部分で触れましたが、信頼できる弁護士と継続的な関係を構築したければ、その弁護士と顧問契約を締結するのが一番手っ取り早いでしょう。

 一昔前は、顧問弁護士というと「会社に箔(はく)を付けるため」「大企業にしか縁がない」というイメージしか持たれていませんでした。今は企業側・弁護士側どちらも「法務部の代わりに顧問弁護士を活用しようorしてもらおう」という意識が強くなっており、広く中小企業にも浸透しつつあります。

 「とはいっても、顧問弁護士なんて雇ったらすごくお金がかかるんじゃないの?」「顧問料とかサービス内容がいまいちピンとこないんだけど」という経営者も多いかと思います。そこで、一般的な顧問契約の概要について紹介します。

 法律事務所ごとに顧問契約の内容はさまざまですが「毎月3万〜5万円くらいの顧問料を弁護士に支払う代わりに、法律相談を何度もできる(事務所によっては無制限)」というのが一般的です。

 相談方法も対面相談に限らず、電話、メール、ビデオ通話、チャットなど、スピーディーに回答できるような工夫をしている弁護士も増えています。

 「PDF化した契約書案を弁護士にメールで送り、弁護士はそれを参照しながらスカイプやチャットで回答する」というふうに、情報の精度を維持したまま非対面で質問・回答することも可能になってきました。

 その他、顧問契約のメニューとして「契約書のチェック・作成も一部無料」「従業員個人の相談も初回無料」「正式な事件として受任することになった場合、弁護士費用を一定額割引する」といったサービスを付加している弁護士も出てきています。

 この辺は弁護士ごとにサービス内容の違いがあるので、いざ顧問契約を締結する際にはきちんと確認したいところです。いずれにしても弁護士との顧問契約は以前に比べて、だいぶ実用的になってきたと思います。

 以上のように、顧問弁護士がいることは実用面から有益ですが、それ以外に中小企業にこそ顧問弁護士をおすすめしたい理由があります。自社内で熟練した弁護士を雇用できる大企業と違い、一般的に中小企業では弁護士を丸抱えするだけの経営資源がないからです。(新人弁護士であればまだしも、企業法務を一通り担える経験を持った弁護士を自社で雇用しようと思ったら、正社員数人分のコストがかかります)

 そこで企業法務に熟達した外部の弁護士から「必要な分だけの法務を外部から買い取る」わけです。「配送」を運送業者に、「印刷」を印刷業者に外注したり、自社でサーバーを持たずにレンタルサーバーを使ったりするように、「法務」も弁護士へ外注すると考えれば分かりやすいでしょう。

 「法的トラブルと弁護士」は、しばしば「虫歯と歯医者」に例えられます。虫歯のないうちに定期的に検査を受けておく方が、虫歯になってから治療を受けるよりお金と時間はかからないし、苦痛も少なくて済みます。法的トラブルも平時から弁護士のチェックを受けておけば、かえってお金・時間・苦痛を抑えることができるわけです。

 企業の経営を安定的に継続させるために、皆さんも顧問弁護士を確保してはいかがでしょうか。

 さて、「弁護士の見つけ方・付き合い方」は今回で終わりです。

 次回からは、中小企業がしばしば巻き込まれる「債権回収」についてお話ししようと思います。皆さんの常識と、実務の場面では全然勝手が違うので、ぜひ正しい知識を身につけてください。

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