みやビズ

2018年6月22日(金)
タニダの法務ルーム

自社に合った弁護士の見極め方

2017/03/23
 前回は「トラブル発生前の弁護士の探し方」というテーマでお話をしました。今回はその続編として、弁護士とコミュニケーションをする中で、自社にあった弁護士の見極め方についてお話をさせていただきます。

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たにだ・よしと 1979年、兵庫県伊丹市生まれ。京都大卒。宮崎地方裁判所で司法修習を受け、本県で弁護士登録。債権回収や事業再建、労務問題などに企業側の弁護士として対応する。中小企業診断士の資格も持ち、2015年7月、宮崎市橘通東1丁目に谷田経営法律事務所を設立。

 さて、前回お話ししたように、いくつかめぼしい法律事務所をピックアップしたら、それらの事務所に電話をかけましょう。そして、電話口で「うちの会社は今トラブルを抱えているわけではないが、何かあったときのために弁護士の話を聞きたい。面談の時間を取ってもらえないだろうか。」と聞きましょう。この「電話口での反応」が2番目のフィルターになるのです。

 質問への回答によって、その法律事務所がどの程度企業法務に注力しているか分かります。

 「トラブルが起こってから来てください」「トラブルが起こっていないのにどうして弁護士と話したいの?」といった消極的な反応が返ってくるようなら、その弁護士は避けた方がいいでしょう。前々回お話しした「平常時の予防が重要」という企業法務の基本が欠落しているわけですから。

 逆に、電話口で積極的な反応をする弁護士であれば、そこからは実際に弁護士と面談していろいろ話して、ご自身に合った弁護士かどうかを見極めましょう。人間としての相性は、実際に会って話さないと分かりませんしね。

 相性以外に「企業法務に向いている弁護士かどうか」も面談である程度判断できればなお良いでしょう。

 「何もトラブルがないときに、弁護士さんに何をお願いしたらいいのか分からない。教えてくれ」とはっきり聞いて、その反応によって企業法務向きかどうかを推測するというのも一つの手です。

 この質問に対して、弁護士側から「貴社の取扱商品やサービスは何ですか?」「従業員の雇用態様はどうなっていますか?」「売掛金の管理はどうなってます?」「得意先との取引は、どういう形で書面化していますか?」「貴社の株主構成は?」といった感じで、会社に関する逆質問がたくさん飛んでくるようであれば、ひとまずは安心していいかと思います。

 というのも、弁護士が対応する事項は業種や取引態様、会社の体制等によっていろいろと変わります。会社の実態を掘り下げて確認しないと、弁護士としても助言のしようがないのです。以上の質問が飛んでくるということは、その弁護士が「会社に合った企業法務を提供できないか」を心掛けていることに他なりません。

 逆に、この質問に対する反応が鈍いようであれば「会社に合った企業法務をオーダーメードする」というのは期待しづらいところです。極端な例だと「トラブルが無いときの弁護士の役割?まあ、お守りみたいなもんだ。あると安心!」の一言で済ませる弁護士もいたり・・・。まあ、前述の電話による面談申し込みの段階で、そういった弁護士は消えると思うのですが。

 このようにご自身に合った弁護士が見つかったら、後はどのように付き合うかを考える必要があります。平時の経営で不安なことがあったら小まめに弁護士に相談をして、不安を払拭(ふっしょく)したり、自社の体制を改善したりするのが理想的です。ただ、ささいなことでその都度弁護士の事務所に行って有料の法律相談を受けるなんて時間がもったいないですよね。かといって、弁護士をそっくりそのまま自社で雇用していたら、今度はお金がもちません。

 そういった意味では、「弁護士との顧問契約」は中小企業にとって便利な仕組みです。

 次回は、「顧問弁護士の役割・有効性」についてお話をしていきます。


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