みやビズ

2018年6月22日(金)
タニダの法務ルーム

弁護士を探すタイミング

2017/01/26
 今年初めての法務ルームです。今年も本コーナーで県内の中小企業に役立つ情報をご提供していきますので、よろしくお願い致します。

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たにだ・よしと 1979年、兵庫県伊丹市生まれ。京都大卒。宮崎地方裁判所で司法修習を受け、本県で弁護士登録。債権回収や事業再建、労務問題などに企業側の弁護士として対応する。中小企業診断士の資格も持ち、2015年7月、宮崎市橘通東1丁目に谷田経営法律事務所を設立。

たにだ・よしと 1979年、兵庫県伊丹市生まれ。京都大卒。宮崎地方裁判所で司法修習を受け、本県で弁護士登録。債権回収や事業再建、労務問題などに企業側の弁護士として対応する。中小企業診断士の資格も持ち、2015年7月、宮崎市橘通東1丁目に谷田経営法律事務所を設立。

 前回は「企業法務は、地方の中小企業にとっても無縁ではない」というお話をしました。このことを踏まえて、今回以降は弁護士の探し方や付き合い方について順番に説明していきます。
 今回のテーマは入り口の問題ともいえる「弁護士を探すタイミング」です。

 一般的な流れは、「工事代金を払ってもらえない」「解雇した従業員が裁判を起こしてきた」などのトラブルが実際に発生してから、慌てて弁護士を探して事件の対応を依頼することになると思います。私が事務所を設立する前は、こういった「トラブル発生後に慌てて弁護士に駆け込む会社」がほとんどでした。

 こうした会社は「トラブルが起こる前から弁護士に相談する必要なんてないよ」という言い分なのでしょう。でも、このような「トラブル発生後に弁護士に相談する」というやり方には、さまざまなデメリットがあります。

 まず、何より大きいのが「トラブル発生後では、打てる手が限られてしまう」ということです。例えば、工事代金不払いの場合だと、「工事代金の裏付けとなる証拠(契約書など)」や「相手に差し押さえる財産があること」が何より重要になります。しかし、トラブル発生後では、「請負契約書を作っていなかったので今から作りましょう。この契約書に押印してください」とか、「御社の財産を差し押さえたいので、口座を持っている銀行と支店を教えてください」などと相手にお願いできません。

 もちろんトラブル発生後であっても、弁護士は制約がある中で「裏付けとなる証拠の確保」と「差し押さえ対象財産の調査」を行い、少しでも依頼者が有利になるよう工夫はします。しかし、やはり限界があるのです。

 トラブル発生時に万全の準備ができるよう、あるいはそもそもトラブルが発生しないようにするには、常日頃から気軽に相談できる弁護士がいることが大切なのです。

 また、他に考えられるデメリットは、トラブル発生後では、自社に合った弁護士をじっくり探す余裕がないことです。
 
 特に裁判などで「訴えられる側」になった場合に、この傾向は一層顕著になります。こうしたケースでは、社長仲間や顧問税理士に知り合いの弁護士を紹介してもらうことが多くなります。そうなると弁護士を選ぶ余地はありません。「紹介してもらった弁護士=裁判を任せる弁護士」となります。その弁護士が自社のタイプ、取り扱い分野に合っていれば良いのですが、そうでない場合は裁判の打ち合わせで不愉快な思いをしたり、裁判の勝敗にまで影響するといった悪影響が出ます。

 私自身、こういった形で知り合いの社長や税理士から紹介をいただくことが多いので、この点を「デメリット」とは言いたくないのですが、会社側にとっては依頼する弁護士を選べないのはやはり不都合となるでしょう。

「トラブルが発生してから慌てて弁護士を探すこと」のデメリットは他にもいろいろあるのですが、先に述べた2点だけでも不都合さは十分伝わると思います。トラブルが発生していない平常時こそ、自社に合った弁護士を確保しておきたいところです。

 とはいえ、ここまでお読みいただいた経営者の方は、「トラブルが起こっていない時点で弁護士をどうやって探すの? 弁護士とどう付き合うの?」といった疑問が湧いてきたかと思います。
 
 次回以降は、「トラブルが起こっていない時点での、弁護士の探し方・付き合い方」を説明していきます。

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