みやビズ

2018年6月24日(日)
タニダの法務ルーム

企業法務〜うちの会社には関係ない?〜

2016/12/22

今回は「企業法務とは何ぞや」をテーマにお話しします。さて、この記事をお読みの方は「企業法務」と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか。「大企業のM&A」「海外との取引」「高層オフィスでデスクワーク」「上場企業の仕事」「とりあえず地方の中小企業には関係ないな」といったところではないでしょうか?

 今回は「企業法務とは何ぞや」をテーマにお話しします。

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たにだ・よしと 1979年、兵庫県伊丹市生まれ。京都大卒。宮崎地方裁判所で司法修習を受け、本県で弁護士登録。債権回収や事業再建、労務問題などに企業側の弁護士として対応する。中小企業診断士の資格も持ち、2015年7月、宮崎市橘通東1丁目に谷田経営法律事務所を設立。

たにだ・よしと 1979年、兵庫県伊丹市生まれ。京都大卒。宮崎地方裁判所で司法修習を受け、本県で弁護士登録。債権回収や事業再建、労務問題などに企業側の弁護士として対応する。中小企業診断士の資格も持ち、2015年7月、宮崎市橘通東1丁目に谷田経営法律事務所を設立。

 さて、この記事をお読みの方は「企業法務」と聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか。「大企業のM&A」「海外との取引」「高層オフィスでデスクワーク」「上場企業の仕事」「とりあえず地方の中小企業には関係ないな」といったところではないでしょうか?

 実は私自身も、弁護士になる前はこのくらいの認識しかありませんでした。司法試験合格直後、自宅近くの法律事務所を訪問して、そこの弁護士さんにいろいろと話を伺ったことがありました。その中で「伊丹市って、ぶっちゃけ○○スーパーしか上場企業がないですよね。企業法務の仕事なんて無いでしょう」という非礼かつ無知な質問をしてしまったくらいです。その弁護士さんは苦笑して流してくれましたが、今思い返すとかなり恥ずかしい限りです。

 話を戻しますが、企業法務というのは先に紹介したようなものに限られません。「継続して商売を続ける中でぶつかる法律問題に対処・準備すること」のすべてが企業法務なのです。そして業種ごとに企業法務の意味するところは違ってきます。

 例えば、卸売業・製造業であれば、販売先への売掛金を滞りなく回収する「債権回収」が企業法務に当たります。消費者へ商品を販売する小売業であれば、消費者保護関連の法律に引っかからないよう注意することが企業法務に当たるでしょう。業種を問わず、ほとんどの事業者は従業員を雇用すると思いますが、そうなると労働法を意識する必要が出てきます。

 最近では、自社の商品をオンラインショップで販売することも浸透しつつあります。その際の利用規約(契約書と同じです)に隙がないかチェックするのも立派な企業法務です。

 どうでしょう。思いつくままに書いてみただけですが、県内の経営者の人にも「これならうちにも関係ある」という例が出てきたのではないでしょうか?
 
 このことからも分かるように、地方の中小企業にとっても企業法務は無縁ではありません。(一部の例外を除いて)法律はあらゆる規模の企業に平等に適用されます。「うちは中小企業なので大目に見てくれ」は通用しないわけです。ですから、中小企業の経営者は常日頃から「今からやろうとしていることは法的に問題ないか」という意識が必要となるのです。

 特にこれは経営者の皆さんが痛感していることかと思いますが、最近は取引先や従業員との関係が世知辛くなってます。会社経営をする中で「以前ならこんなことでいちいちもめなかったのに・・・」と感じることは多いのではないでしょうか。

 「大きな取引を口約束だけでやっていた」「従業員の労働時間の管理を全然していない」など、昔の感覚でおおらかに済ませていたらトラブルに巻き込まれて大ダメージを受けたというのは、地方の中小企業にとっても日常茶飯事となっています。企業の生存のためには、もはや企業法務は不可欠な要素となりつつあります。

 とはいえ、悪いことばかりではありません。見ようによっては逆にチャンスでもあります。法務は中小企業の中ではまだまだ手薄な分野で、少しの工夫と努力で他社にグンと差をつけることができるわけです。

 例えば同じような規模の取引先候補が2社いたとしましょう。うち1社は「高額の取引を口約束だけで進めようとする会社」、もう1社は「仕事の内容・範囲やトラブル時の対応をきっちり明記した契約書を提示してきた会社」。契約条件が同じだったら、おそらく皆さんは後者と取引したくなるのではないでしょうか。
 
 このように、中小企業にとって手つかずの分野であるからこそ、他社と差をつける要因になり得るわけです。営業と違って法務は、即時の売り上げ増進につながらないこともあり、いまひとつ興味を持てない経営者も多いかと思います。今回の記事をきっかけに少しでも関心を持っていただければと思います。

 しかしながら「そもそも法務面をどうやって強化するのかよく分からない」という経営者も多いのではないでしょうか。次回は、中小企業の法務面を強化するとっかかりについて解説しようと思います。


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