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2018年8月20日(月)
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【アラカルト編】櫻の郷酒造(日南市北郷町)

2013/08/27

焼酎をもっと身近に


 JR日南線北郷駅より車で約5分、櫻の郷酒造(日南市北郷町、寺田徳男社長)が経営する体験型ミニブルワリー「焼酎道場」(延べ床面積5586平方メートル)。2001年7月にオープンし、地元客はもちろん、県外の酒造関係者が視察に訪れるなど注目を集めている。

焼酎の製造工程をガラス越しに見学することができる

焼酎の製造工程をガラス越しに見学することができる

 「製造の現場は機械化が進み、昔ながらの焼酎造りの伝統や技術の衰退を危惧した。作業に関わる従業員の意識向上にもつながればと思った」と寺田社長(75)は施設を造った経緯を振り返る。完成に至るまで約5年かけて構想を練り、南九州の伝統的産業である本格焼酎を多くの人々に親しみを持ってもらうためにはどうすればいいかと考えた結果、甕(かめ)仕込みの焼酎造り体験や製造工程の公開など、五感で体感でき、焼酎文化に触れられる施設づくりに行き着いた。

 製造工程の見学は、大別すると(1)蒸した米や麦に種麹(こうじ)菌を育成させ麹棚で1日置いてできた麹に、水と酵母を加え発酵させてもろみを造る一次仕込み(2)もろみに芋、麦、米などの原料を加えて発酵させる二次仕込み(3)発酵させたもろみを加熱し、その蒸気を冷やして集める「蒸留」-の三つに分けられる。

 体験は麹造りともろみ造りの2コースがあり、麹造りは蒸して種まきをした米または麦を麹室に移動して麹の切り返しをする作業を行う。もろみ造りは、麹室でできた麹を一次仕込み用の甕に移し、蒸して粉砕した原料を加えてかき混ぜる作業に挑戦できる。作業中は長靴、キャップ、前掛けを用意しているので着用を。体験料金は1人5000円で、体験者には焼酎「焼酎道場いも」(37度720ミリリットル)とオリジナルTシャツもプレゼントされる。原則1カ月前までの予約が必要。

地元特産の飫肥杉をふんだんに使った「焼酎道場」

地元特産の飫肥杉をふんだんに使った「焼酎道場」

 6種類の焼酎(芋焼酎3種類、米、麦、そば焼酎各1種類)を好みでブレンドしオリジナルの焼酎を造ることができるコーナーも好評だ(950円、瓶代プラス50円)。焼酎道場で造っている「甕仕込み無濾過にごり酎(しゅ)」(25度720ミリリットル)も購入できる。

 「焼酎のブレンド造りを楽しまれているお客さまが多いですね。気軽に遊びに来てください」と話してくれたのは、同道場支配人の八十島(やそしま)行和さん(66)。全国的にも珍しい体験施設で、酒造関係者らも足を運び、12年度は3627人が訪れた。

 地元特産の飫肥杉を使った建物は日南市の一功建築設計事務所の富永和則さんが設計し、第6回県木造建築物設計コンクールにおいて、大型木造建築物部門優良賞を受賞した。施設内には試飲コーナーを完備し、趣のある茶室や日本庭園も敷地内に隣接していて、希望者は誰でも利用できる。

 秋に向けて焼酎が恋しくなる季節。焼酎を身近に感じられる「焼酎道場」で、楽しいひとときを過ごしてほしい。


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[キーパーソン]
井上酒造、櫻の郷酒造社長 寺田徳男さん(2012年12月13日)

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