みやビズ

2019年10月14日(月)
食・農 共感(県内農協シリーズ)

JAこばやし 【地域に生きる】

2012/09/08

農家と一体育成励む 全共代表牛


長崎全共の県代表牛に選ばれた「たかとみ6」をJAこばやしの榎窪チーフ(左から2人目)らと一緒に水洗いする下村さん(同3人目)

長崎全共の県代表牛に選ばれた「たかとみ6」をJAこばやしの榎窪チーフ(左から2人目)らと一緒に水洗いする下村さん(同3人目)

 長崎県で10月に開かれる第10回全国和牛能力共進会の県代表牛を決める最終選考で、28頭のうち12頭を占めた西諸県地区。中でもJAこばやし管内の小林市からは10頭が選ばれ、同市は畜産の町として存在感を示した。同管内からの代表牛は前々回の2002年岐阜全共が7頭、前回の07年鳥取全共が9頭と回を重ねるごとに増えている。躍進の背景には生産者とJAこばやし、小林市など関係機関との連携がある。

 5年に1回開催される全共は和牛のオリンピックと称される品評会で、結果は肉牛、種牛の評価や市場価格に大きく影響する。本県畜産関係者の誰もが全共の成績を重視する中で、同JAは県内で先駆けて、岐阜全共から最終選考に出場する全ての農家に、技術員を張り付ける取り組みを始めた。

 市の技術員も加わり、この長崎全共に向けても毎日、生産者とともに早朝、牛の運動や調教、水洗いなどきめ細かな指導を行っている。「昔は夕方に農家を訪ねて牛の調子を聞くぐらいだった。今は行政、JAが農家と一体となって取り組んでいる」と話すのは同JA畜産課の榎窪正文チーフ。

 長崎全共5区(繁殖雌牛群)に初出場する小林市野尻町の下村豊さん(53)は「出産時などは忙しく、牛の訓練に手が回らないので助かる。技術員が来るとなると二日酔いでも起きんといかん。緊張感も生まれる」と効果を語る。

 同JAの昨年度の農畜産物販売額は151億円。うち畜産は7割超に当たる112億円を占め、2位のマンゴーやメロンなど園芸(30億円)の4倍近い規模を誇る。

 市畜産課によると、西諸県地区で畜産が本格的に始まったのは戦後間もなく。それ以前は農耕用に牛を飼うのが主だったが、食生活の変化に伴う食肉の需要増に合わせて肉用牛を飼育するようになった。温暖多雨な気候と水はけの良い火山灰土壌は飼料作物の栽培に適しており、良質の肉牛を育てるには絶好の条件がそろっていた。

 ただ、近年は不安要素もある。高齢化で管内の繁殖農家は07年度の1827戸から昨年度は1543戸に減少。長引く不況などを背景とする牛肉の消費低迷で、西諸畜連の子牛1頭の平均価格はピークだった06年度の52万円から昨年度は43万円に下がっている。

 「後継者の確保には牛の相場を上げて生産者の収入を安定させることが重要」と市畜産課の大久津和幸課長。そのためにも全共は口蹄疫からの復興、宮崎牛を全国にアピールする絶好の機会だ。下村さんも「狙うはグランドチャンピオン。みんなで協力し、ベストな状態で臨む」と力がこもる。

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【JAこばやしメモ】
設立年月日 1974年4月30日
本店所在地 小林市細野1321
管轄エリア 小林市、高原町
正組合員数 6591人
准組合員数 3362人
農畜産物販売額 151億円
主な品目 和牛、メロン、マンゴー、京いも
※データは2011年度
坂下 栄次組合長
坂下 栄次組合長
プロフィル

 小林市出身。鹿児島経済大卒。メロン農家。2010年から現職。「燃料高騰に伴い、施設園芸は厳しい。土物に力を入れる時」と話す。57歳。(さかした・えいじ)


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