みやビズ

2019年10月16日(水)
食・農 共感(県内農協シリーズ)

JA高千穂【地域に生きる】

2013/04/15

ダリア ピンクが濃く存在感


日之影町の気候で独特の色を出す「ムーンワルツ」。2年前に新規参入した蔵本さん夫婦は「きれいな花を咲かせるのにやりがいを感じる」=日之影町岩井川

日之影町の気候で独特の色を出す「ムーンワルツ」。2年前に新規参入した蔵本さん夫婦は「きれいな花を咲かせるのにやりがいを感じる」=日之影町岩井川

 標高250~千メートルの西臼杵郡3町を管内とするJA高千穂地区は、ビニールハウスでの花卉(かき)の高冷地栽培が盛ん。スイートピーやラナンキュラスが主力だが、今後有望株とされるのがダリアだ。

 ダリアはメキシコ高地の原産で、世界で1万種以上が自生、栽培されている。同じ品種でもその土地の気候や土壌によって花の大きさ、色もさまざまで、産地の個性が出るユニークな花だ。

 国内では千葉、秋田県など東日本を中心に栽培されているため、「冬場の出荷量は少なく、供給が需要に追いつかない状況でチャンス」と日之影町ダリア研究会の榎木太助会長(73)=同町分城。

 他産地の出荷が途切れる10月から翌年5月にかけて花を付ける同研究会のダリアは、主に延岡市の生花店に卸すほか、福岡県の市場に出荷。2年前に会員農家が4戸増えて7戸となったこともあり、2012年度は前年の4倍近くの約9万本を出荷した。

 ダリアに将来性を感じ、榎木会長ら3戸が試験栽培に着手したのは2006年。当初は経験者ゼロで、日之影の風土に適した品種を探すことから始めた。各戸が年2~30種類を実際に栽培。「力仕事が少なく、高齢者にも育てやすいが、温度の変化に敏感で、下がりすぎると変色する。虫も付きやすい」。専門書やインターネットなどにも手を伸ばした。

 試行錯誤を重ねた末、榎木会長らが手応えをつかんだのが「ムーンワルツ」。花の中心部から黄、ピンクのグラデーションが広がる、もともと人気の高い品種だったが、日之影で育ったものはピンクが濃く、細い葉が直径20センチの大輪の美しい造形を際立たせる。
 国内のダリア育種の第一人者で秋田国際ダリア園の鷲澤幸治園長(65)も「色あせがなく、ダリアらしい色が出ている。日之影はいい産地になれる」。

 蔵本秀治(61)、多美子(61)さん夫婦=同町小崎=は2年前に都内の会社を退職、多美子さんの故郷の同町に移住し、知人に誘われて研究会の一員となった。「いろいろな色が出て、満足いく花を作ることにやりがいを感じる」

 メンバーの技術力にばらつきがあり、市場価格に開きがあるなど課題もある。鷲澤園長によると、1本110~120円が利益が出るかどうかの分岐点だが、12年度の平均単価は前年の8割、80円にとどまった。そのため高品質の花のみで勝負しようと、同研究会は個人出荷から共同選果・出荷への移行を検討中。榎木会長は「市場で存在感のある花を育てていきたい」と前を見据える。


JA高千穂マップ
【JA高千穂メモ】
設立年月日 1994年4月1日
本店所在地 高千穂町三田井1
管轄エリア 高千穂、日之影、五ケ瀬町
正組合員数 3794人
准組合員数 2769人
農畜産物販売額 約46億円
主な品目 繁殖牛、キュウリ、トマト
※データは2012年度

工藤富男組合長
工藤富男組合長
プロフィル

 プロフィル 高千穂町岩戸。日之影支所長、専務理事などを経て2004年4月から現職。モットーは「農家に頼りにされるJA」。自身はコメを作る。65歳。(くどう・とみお)

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