みやビズ

2019年8月25日(日)
食・農 共感(県内農協シリーズ)

JA日向【地域に生きる】

2013/03/11

完熟キンカン 寒暖差で色鮮やかに


山崎部会長のハウスでオレンジ色に輝き、たわわに実ったキンカン

山崎部会長のハウスでオレンジ色に輝き、たわわに実ったキンカン

 JA日向の果樹部門の主力品目・完熟キンカン。管内では美郷町を中心に日向市東郷町、諸塚村内の30戸でつくる金柑部会(山崎武部会長)が約9.3ヘクタールを栽培する。県内有数の産地で、2011年度の出荷量は約260トン。販売額は約1億6100万円で果樹部門全体(約3億560万円)のトップだ。

 ハウス内ではこの時期、見事なオレンジ色の実がたわわに実る。出荷は今月下旬まで続き、今季は約240トンを見込む。同JA西郷支店(美郷町西郷区田代)の選別場にはこんもりとキンカンを積んだコンテナが次々運び込まれ、選果と箱詰め作業が活気を帯びている。

 部会が設立され、地域で本格的な栽培が始まったのは1990年。初期のメンバーは12人。それまで長く養蚕を手掛けていた山崎部会長(68)=美郷町西郷区田代=もその一人。中国産の流入などの影響で価格低迷が続き、別品目への参入を模索していたところ、同JAや県がまだ新規作物扱いだったキンカンを推奨していたことから、その将来性に懸けた。

 メンバーは一足先に栽培に取り組んでいた串間、日南市を視察。肥料や土作り、温度管理、花の摘み取りなどノウハウを吸収した。農業分野で新たな地域の特産品をつくりだそうとする旧西郷村も産地化を強力にバックアップした。

 かんきつ類に適した温暖な先進地に負けないものを作りたい―。研究する中で中山間地ならではの寒暖差こそが高い糖度と果皮の色の濃さをもたらすことが分かった。また栽培の鍵となる1、2番花の着果率アップの技術向上に努め、収量を増やしていった。

 部会のキンカンは目を見張る鮮やかなオレンジ色が特徴。「消費者には見た目も大切。山間部の気温差が生むこの色の濃さには自信がある。これほど見栄えの良い物は他ではなかなか採れないのでは」と山崎部会長は胸を張る。

 高品質商品の安定出荷を可能にしているのは、今の時期同支店でフル稼働する選果機。2007年に約1億3千万円で導入した。キンカンを機械に通すと、光センサーが自動的に糖度や大きさ、傷の有無などを瞬時に測定する。「たまたま」「エクセレント」など選別し箱詰め。いわば市場に出す“最終関門”だ。

 「『おいしかった』と喜んでくれるのが何よりうれしい。今後ブランドをより身近なものにすることが重要。そのためにはまだまだ栽培の勉強とPRが必要」と山崎部会長。本格参入から20年余り。消費者の笑顔を励みに生産への情熱と意欲は増すばかりだ。

JA日向
【JA日向メモ】
設立年月日 1973(昭和48)年
本店所在地 日向市鶴町1の3の12
管轄エリア 日向市、東臼杵郡
正組合員数 6120人
准組合員数 1万186人
農畜産物販売額 約51億円
主な品目 シイタケ、ミニトマト、牛
※データは2012年度

米良正秋組合長
米良正秋組合長
プロフィル

 プロフィル 門川町城屋敷。早期水稲、ミニトマトなどを栽培。2010年から現職。「近年Iターンして施設園芸などに従事する若者が多く頼もしい」。70歳。(めら・まさあき)

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