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2019年3月20日(水)
西日本新聞経済電子版(qBiz)

博多の人情で日本を”ぴりり”と元気に 「隣の兄ちゃん」から全国へ 華丸・大吉のコンビ愛

2018/03/19
TNC放送会館内スタジオに登場した映画「めんたいぴりり」の舞台セット。昭和30年代の中洲市場界隈を再現

TNC放送会館内スタジオに登場した映画「めんたいぴりり」の舞台セット。昭和30年代の中洲市場界隈を再現

 福岡県民にとっては「隣の兄ちゃん」のような存在なのに、全国的には出世街道まっしぐら。そんなスター芸人といえば、博多が生んだ漫才コンビ「博多華丸・大吉」だ。そんな2人が出演する映画「めんたいぴりり」(来年1月公開予定)の撮影が進行中ということで、現場を訪問してみた。

 映画は、今年創業70周年を迎える、めんたいこ製造販売「ふくや」(福岡市)の創業者、故川原俊夫さんをモデルにした人情物語。TNCテレビ西日本が2013年に制作したドラマの映画化で、今年の開局60周年を記念して製作に参加する。メガホンを握るのは、ドラマに引き続き、福岡を拠点に数多くの映像作品を手掛ける江口カン監督。これでもかというぐらい「福岡」一色だ。

 訪問したのは、TNC放送会館内にあるスタジオの舞台セット。主人公夫婦が営む食品雑貨店「ふくのや」やホルモン居酒屋、金物店などが軒を連ね、昭和30年代の中洲市場界隈をリアルに再現してある。どれも素晴らしい出来だが、驚いたのは地面。土や石、腐葉土を混ぜて造り、踏み固めてスタッフが水を撒くという徹底ぶりだった。

 それもそのはず。美術プロデューサーはフジテレビ出身の山本修身氏(77)。「オレたちひょうきん族」「笑っていいとも!」「世にも奇妙な物語」など数多くの番組で美術セットを手掛け、ひょうきん族キャラクター「タケちゃんマン」「ブラックデビル」の生みの親でも知られる超大物なのだ。
 
 この日は、ドラマ同様に妻を演じる福岡出身の女優・富田靖子ら共演者が勢ぞろいしていた。主役の華丸は、役作りで丸刈り姿になり、体も絞って、気合十分。持ち前の人懐っこさと博多弁で物語をリードし、味のある演技はもうベテラン俳優と言ってもいいほどの貫禄があった。大吉も友情出演するが、華丸が集中的に撮影に専念。相方の留守を守る深い信頼が製作を支える。

俳優陣に交じって堂々とした演技を見せる博多華丸(左端)=ドラマ「めんたいぴりり2」の一場面(TNCテレビ西日本提供)

4月からはNHK「あさイチ」の司会にも起用


 そもそも、なぜ華丸が主役に抜擢されたのか。プロデューサーの瀬戸島正治さん(TNC)によると、主演が決まったのは、ドラマ制作の準備段階だった2012年の年末。博多弁が話せる役者を探していたところ、江口監督が「演技力は未知数だが、彼なら違和感がない」と推薦。華丸は中洲を飲み歩く深夜番組への出演を機に、ふくやと関係の深い博多祇園山笠・中洲流(ながれ)と交流を深めていたこともあり、理想的だったという。ただ飲んでいるだけではなかったのだ。

 ドラマは話題を呼んで全国でも放送。15年には続編が作られ、博多座の舞台になり、そして今回の映画化につながった。瀬戸島さんに聞くと、華丸は中洲流の関係者から「あんたの肩にゃ俊夫さん(ふくや創業者)が載っとる」と言われるほどで、演技を超えて役柄と一体化している。

 華丸・大吉は1990年に福岡吉本からデビューして2005年に上京、今やテレビに出ずっぱりの活躍ぶりだ。私も昔、FM公開生放送で絡ませてもらったことがあるが、その人柄の良さはテレビで見る通りだった。2人は、この4月からNHKの朝の情報番組「あさイチ」の司会にも起用される。映画とともに、福岡の人情あふれる芸風で、日本の朝を温かく、そしてぴりりと元気にしてほしい。

西日本新聞社

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