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2018年4月24日(火)
西日本新聞経済電子版(qBiz)

行き過ぎ配慮、女性の活躍を阻害? 異業種で本音トーク 「男中心」の根深さに嘆きも

2017/11/13
地場大手の女性社員たちが率直な意見を出し合った異業種交流会=福岡市・天神の福岡銀行本店

地場大手の女性社員たちが率直な意見を出し合った異業種交流会=福岡市・天神の福岡銀行本店

 女性の社会進出が進み、地場企業でも女性の活躍の場が広がる。一方で男性中心だった職場で女性が働くことに伴い「女性活躍」という看板だけでは片付けられない課題も生まれている。不公平感、仕事への姿勢、配慮の在り方…。福岡銀行(福岡市)が初めて開いた地場企業の女性社員らによる異業種交流会で、悩みや本音を語り合った。

 8月末に開いた交流会では一般社員から管理職、役員まで幅広い年齢の約30人が7グループに分かれて議論した。記者の取材した20~30代の若手グループでは、プロジェクトチーム設置や人事制度改革、管理職登用など、女性活躍のさまざまな取り組みが進んでいるとの声が相次いだ。

 東京海上日動火災保険福岡中央支店の河野美佳副主任は、エリア限定社員の異動を県単位から九州全域に広げたり、配偶者の近くに異動したりできる制度を紹介。「女性が辞めないでよい方法や選択肢が増えている」と語った。

 男性の意識については、安川電機事業企画部の辻林良美さんが「女性の産休や育休は定着しており、今は男性の育休に力を入れている」と説明。土日を挟んだ5連休取得を推奨、ワークライフバランス(WLB)改革を進めた結果、男性の育児参加が進んだという。

 ただ「根底にある“男中心”の意識は根深い。経験を積ませるのも男性の部下優先」と嘆く参加者もいた。

 一方、福岡銀行人事部の山下紫織副調査役は「女性側に、仕事に対する覚悟ができていないということはないか」と問題提起した。

 ある参加者は「『仕事面の負担に配慮してほしい』と求める女性もいる」と同意。逆に、トラブルの恐れがある業務を女性には免除するケースもあり「同じ給料をもらうのに、配慮する男性にも配慮を受ける女性にも課題がある」と複雑な心境を明かした。

 女性が1人の職場で、男性だけが飲み会を開いていると報告した女性は「ショックだった。細かいところで変な配慮がある」と話した。

 子育て中の時短勤務が職場に不公平感を生むなど、新たな課題も出ている。「子どもと一緒にいたい」という理由で制度が使われている例もあり「時短を取る側にもマナーが必要」という指摘が出た。ある参加者は「営業などの部署は、多くのメンバーが一度に時短を取るのは難しい。十分な要員配置が要る」と語った。

 最後は、女性活躍とWLBの推進は切り離せないとの認識で一致。総合メディカルのダイバーシティ推進グループの七ツ矢佑美さんは「女性が育児などと両立するためには、全社的な働き方改革を進めないといけない」と指摘した。

 交流会参加企業  イオン九州、岩田屋三越、九州電力、ゼンリン、総合メディカル、東京海上日動火災保険、西日本新聞社、西日本鉄道、福岡銀行、安川電機 (五十音順)

行き過ぎた配慮、活躍阻害も
福岡銀行人事部 ダイバーシティ推進室 高鍋 優子室長

 福岡銀行の女性活躍推進プロジェクトのメンバーから「他の会社の状況や女性の考えを知りたい」という声が出たのが交流会のきっかけ。意見交換では、いろいろな気付きがあった。

 女性活躍推進のための制度が整い、頑張れば仕事を続けられるところまで来た。「楽すること」を求めているのではない。その先に進まないといけない段階にいる。女性への行き過ぎた配慮で、活躍の場をそがれることもある。配慮だけでは人が育たない。成長のために、ある程度の覚悟と負荷が重要になる。

 参加者へのアンケートでは、継続開催を望む声が多数あった。どこの企業も手探りなので、他社の状況を知りたがっている。交流会後、ある企業が当社に介護への取り組みを尋ねに来た。良い事例は、お互いに紹介し合いたい。

 女性社員のロールモデル(手本)も自社だけでなく、外の企業にも求めた方がいい。今後は企画段階から他社にも入ってもらい、取り組みを続けたい。 (談)

西日本新聞社

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