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2018年6月25日(月)
西日本新聞経済電子版(qBiz)

九電、余剰太陽光で水素製造 離島で検討、FCV燃料に

2015/01/14
再生可能エネルギーで造った水素活用のイメージ
 九州電力が太陽光発電など再生可能エネルギーを利用し、離島で水素を製造する事業の検討に入ることが13日分かった。余剰電力を使って水素を製造し、燃料電池車(FCV)などの燃料として活用する試み。採算性などを見定めた上で、九州本土での導入も検討するとみられる。電力大手では極めて異例の取り組みで環境に優しい水素社会の実現に向けたモデルケースとして注目される。

 再生エネの固定価格買い取り制度に基づく太陽光発電の新規契約が頭打ちになりつつある中、余剰電力の用途に活路が開かれ、導入量の拡大も見込める。離島の取り組みで成果が出れば、九電が本格的に水素事業に乗り出す可能性もある。

 九電管内の離島では現在、主にディーゼル発電によって島内の電力を賄っている。出力の変動が大きい再生エネが大量に導入されると需給バランスが崩れ、供給が不安定になる恐れがあり、特に離島では調整力の確保が課題となっている。

 今回の検討では、余剰電力を使って水素を製造・貯蔵し、再び電力に戻したり、燃料として使ったりする事業の可能性を探る。作業のスケジュールなどは未定。水素の製造・供給コストの低廉化など課題は多く、事業化までは息の長い取り組みになりそうだ。九電関係者は「発電燃料となる石油の価格変動に左右されない、地産地消のエネルギーとして価値がある。再生エネで車が走るのも夢ではない」としている。

 再生エネの固定価格買い取りをめぐっては、九電は昨年7月から、長崎、鹿児島両県の6島で、新規契約を1年程度中断する措置を講じている。九州本土では昨年9月に新規契約を中断。今月中旬にも太陽光発電の契約手続きを再開する。中断対象設備の大半については、九電が無制限に発電抑制できるため、多くの事業者が導入を断念する可能性がある。


■水素エネルギー 燃料電池の燃料として使われ、酸素と結び付いて高効率で発電する。二酸化炭素(CO2)などを排出しないため環境に極めて優しい。燃料電池車(FCV)や家庭用燃料電池の普及に伴う需要拡大が見込まれ、水素ステーション整備の動きも本格化しつつある。灯油、液化石油ガス、天然ガスなどの原料から取り出すことができ、水を電気分解することによっても造れる。

西日本新聞社

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