みやビズ

2018年11月17日(土)
オシネタ

冷凍ケーキ市場を開拓

2018/03/14
 冷凍ケーキの製造販売を手掛ける五洋食品産業(福岡県糸島市、舛田圭良社長)は、外食チェーンやホテルなどの業務用をはじめ、家庭での“スイーツストック文化”の広がりに合わせた小売市場の開拓に力を入れる。解凍時に一番おいしくなる製法にこだわり、九州産の素材を使った製品開発などで地域にも貢献している。

五洋食品産業(福岡県糸島市)


五洋食品産業本社の外観

五洋食品産業本社の外観

 冷凍ケーキの製造販売を手掛ける五洋食品産業(福岡県糸島市、舛田圭良社長)は、外食チェーンやホテルなどの業務用をはじめ、家庭での“スイーツストック文化”の広がりに合わせた小売市場の開拓に力を入れる。解凍時に一番おいしくなる製法にこだわり、九州産の素材を使った製品開発などで地域にも貢献している。

解凍時に最もおいしく


 昨年6月に増築したケーキ工場内には甘い香りが漂う。作業現場に入る前の個人の衛生管理から徹底する同工場は、国際衛生管理基準「HACCP(ハサップ)」に対応。原材料の受け入れから計量、調合、焼成、カット、包装、急速冷凍、出荷などの作業工程を常時モニタリングし、記録することで安心・安全を担保している。

徹底的に衛生管理がなされた五洋食品産業の冷凍ケーキ工場

徹底的に衛生管理がなされた五洋食品産業の冷凍ケーキ工場

 ショートケーキ、レアチーズケーキ、モンブランの形状や特性に合わせて、オーブンや超音波スライサーなどさまざまな機械が導入されているが手作業も多い。モンブランのクリームを搾る作業では、素早さ、正確さ、見た目の美しさでは熟練の技が生きる。ベイクドチーズケーキの焼成作業でも、焼き加減を一定にするため、人の目と経験は欠かせない。機械と人の“良いとこ取り”で生産性と高品質を維持する。

 また、同社独自の「ベスト解凍時製法」もおいしさを高める工夫の一つだ。ケーキにはベイクドタイプ、ムースタイプ、フルーツデコレートタイプなどがあり、レシピの開発段階から水分や油分、ホイップクリームに抱き込ませる空気の比重まで緻密に見極める。生産部を管掌する井上みゆき取締役は「マイナス25度で封じ込めたおいしさを、時間も距離も超えてベストな状態でお届けする。開発からこれらすべての行程を総じて、ベスト解凍時製法としている」と説明する。

地域の農産物と連携


ベイクドチーズケーキを焼成する作業。機械と人の良いとこ取りで生産性と高品質を維持する

ベイクドチーズケーキを焼成する作業。機械と人の良いとこ取りで生産性と高品質を維持する

 同社は1975(昭和50)年、ナチュラルチーズ加工業として創業した。ピザやグラタンの材料として飲食店に卸していた際、飲食店側から頼まれたのがきっかけとなり、チーズケーキの製造に着手。最初は冷蔵品だったが、配達の際の形くずれを防ごうと冷凍品にすることを思いつき、度重なる試行錯誤の末、ベスト解凍時製法にたどり着いた。

 製品開発に地域農業への貢献の観点も忘れない。10年ほど前から福岡県で生産されるイチゴ「あまおう」を使ったレアチーズケーキやモンブランを製造。2、3年前からは九州各県の特産を使った製品開発に乗り出し、これまで本県産の日向夏ミカンや鹿児島県産の紅はるか芋、福岡県八女地方の抹茶を使った製品などが人気となっている。井上取締役は「冷凍ケーキの賞味期限は1年間。農産物の旬を封じ込め、多くの方に楽しんでいただけるのも冷凍ケーキの魅力」と話す。

 地域の農産物との連携で課題となるのが仕入れ。同社工場は衛生管理基準を高く設定しているため、農産物をそのまま持ち込めない。井上取締役は「農産物がペーストやダイス(角切り)などに一次加工され、一定量が確保できるといった条件が満たされれば、新たな連携も模索していきたい」と話している。米国や豪州、タイ、香港へも輸出している。これに加えて生活スタイルの変化でフローズン(冷凍)文化のさらなる広がりが予想される中、今後ますますの業容拡大が期待されている。
(福岡支社・鬼束功一)

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