みやビズ

2018年9月22日(土)
オシネタ

九州観光の“インフラ”へ

2018/02/28
 ITサービスのウェブサイト(宮崎市、柳本明子社長)は九州のタクシー会社と連携し、観光タクシーのインターネット予約サービス「たびこん」の拡大に取り組んでいる。2014年に三和交通グループ(宮崎市)と本県でサービスを開始。今年3月には長崎、佐賀、熊本、大分県でサービスを開始する予定。鹿児島でも準備を進めており、このサービスで九州が一つにつながる将来像を描く。

観光タクシーのネット予約サービス(宮崎市・ウェブサイト)


空港や駅から先の2次交通の充実は本県観光の課題。柳本明子は観光タクシーを手軽に使えるインターネット予約サービス「たびこん宮崎」で課題解決に挑む

空港や駅から先の2次交通の充実は本県観光の課題。柳本明子は観光タクシーを手軽に使えるインターネット予約サービス「たびこん宮崎」で課題解決に挑む

 ITサービスのウェブサイト(宮崎市、柳本明子社長)は九州のタクシー会社と連携し、観光タクシーのインターネット予約サービス「たびこん」の拡大に取り組んでいる。2014年に三和交通グループ(宮崎市)と本県でサービスを開始。今年3月には長崎、佐賀、熊本、大分県でサービスを開始する予定。鹿児島でも準備を進めており、このサービスで九州が一つにつながる将来像を描く。

「手軽さ」が付加価値


 「宮崎には魅力的でありながら、観光客が行けていない場所が多い。(空港や駅から先の)脆弱(ぜいじゃく)な2次交通を何とかしたい」というウェブサイト社と三和交通グループの思いが合致して生まれたサービス。システムはウェブサイト社が独自に開発した。本県で展開する「たびこん宮崎」は三和交通グループがツアーを運営し、ウェブサイト社は三和交通グループのホームページや予約サイトを制作・運営する。ツアーの商品企画は両社で行っている。

 ウェブサイト社によると、最大の特長は、乗車人数に応じた料金体系。観光タクシーは多くの場合、車両の大きさごとに1台当たりの料金が設定されているため、少人数で利用すると割高になることもある。これに対し、「たびこん」は1人当たりの料金設定(2人以上から利用可)。当日予約も受け付けており、こうした「手軽さ、気軽さ」を付加価値とする。

 現在、ツアーコースは定番で13コースあり、詳しい知識を身に付けたドライバーが案内する。所要時間4時間で1人3500円の「神話めぐり 青島&鵜戸神宮コース」などが人気を集める。このほか、神楽を楽しむ季節限定ツアー「旬旅」があり、今後は同じく季節限定でイセエビを堪能する「食旅」なども計画する。予約サイトは日本語のほか、英語、中国語、ハングルで表示される。

 需要の背景には、国内外客を問わず旅行形態の中心が団体から個人へ移行していることや、外国人旅行者の増加がある。外国人旅行者が宿泊するホテルにオプショナルツアーを求めたり、本県への定期路線を持つ海外航空会社が観光タクシーの拡充をタクシー会社に要望したりするケースが増えているという。

女性活躍の場にも


観光タクシー予約サイト「たびこん宮崎」のトップページ。「1台当たり」ではなく、「1人当たり」の料金設定で、当日予約も可能なのが特長

観光タクシー予約サイト「たびこん宮崎」のトップページ。「1台当たり」ではなく、「1人当たり」の料金設定で、当日予約も可能なのが特長

 長崎ではタクシー会社5社が加盟するシティキャブ長崎事業協同組合、佐賀では佐賀タクシー、熊本では肥後タクシー、大分では大分トキハタクシーと3月から展開する予定。これに合わせ、入り口サイトとなる「たびこん九州」を開設する。例えば、長崎ではカステラの試食ツアーを行う「長崎カステラタクシー」の運行など、各県で地域色豊かなツアーを提供することにしている。

 観光タクシーは稼働が昼間だけで、ツアーの所要時間によっては短時間勤務も可能。ルートが決まっているため、地理や裏道に詳しくなくても運転できる。こうした特性から女性や高齢者が活躍できると同時に、タクシー会社が悩まされている人手不足の解消につながることが期待される。シティキャブ長崎事業協同組合は企業主導型の保育園を3月に開設予定だという。

 柳本社長は昨年12月に福岡市で開かれた、九州の女性起業家によるビジネスプラン発表会「LED(レッド)九州」に出場し、「たびこん」について発表。結果、旅客輸送などを手掛ける9社が事業成長に向けた支援を名乗り出た。これは、出場者では2番目に多い支援企業獲得数であり、事業の将来性を見込まれた格好となった。柳本社長は「例えば、1日目は鹿児島観光を楽しんでから宮崎に入り、2日目は宮崎の観光地を巡るといった具合に「たびこん」では手軽に旅行プランをつくれる。九州が『たびこん』で一つにつながるとうれしい。まだまだ細い線だが、旅のインフラとして成長させたい」と話す。
(小川祐司)

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