みやビズ

2018年4月24日(火)
オシネタ

IT活用で農業の収益アップ

2017/12/07

 ITを駆使して営農支援に取り組むテラスマイル(宮崎市高岡町、生駒祐一代表)が、施設園芸農家向けに人工知能(AI)を活用した農家の経営支援サービス「Right ARM(ライトアーム)」を始めた。8月から展開し、11月にバージョンアップ。過去の販売単価などから適切な出荷量や売り上げ予測などができるようにした。門川町のトマト生産農家が早速導入し、収益力強化を図っている。

ITの力で営農支援 テラスマイル(宮崎市)


農業経営の「右腕」に


 ITを駆使して営農支援に取り組むテラスマイル(宮崎市高岡町、生駒祐一代表)が、施設園芸農家向けに人工知能(AI)を活用した農家の経営支援サービス「Right ARM(ライトアーム)」を始めた。8月から展開し、11月にバージョンアップ。過去の販売単価などから適切な出荷量や売り上げ予測などができるようにした。門川町のトマト生産農家が早速導入し、収益力強化を図っている。

RightARMを活用して分析した門川町高糖度トマト部会が出荷したトマトの個数や糖度の推移(テラスマイル提供)

RightARMを活用して分析した門川町高糖度トマト部会が出荷したトマトの個数や糖度の推移(テラスマイル提供)


「RightARM」で営農支援に取り組んでいるテラスマイルの生駒祐一代表

「RightARM」で営農支援に取り組んでいるテラスマイルの生駒祐一代表

 ライトアームはコンサルティング機能と、売り上げ予測などを行うクラウド機能の2本柱で構成。コンサル機能では、農家が持つ栽培環境や出荷量、売上高などのデータをもとに生産力を評価するほか、統計や天候、市況などのデータと、テラスマイルが持つ独自の農業関連データなどを使って収益性を評価する。

 クラウド機能は、出荷や売り上げに関する計画をグラフで可視化し、月ごとにリポートとして提示。収量データに基づいた売り上げ予測などから目標との隔たりを示す業績評価も行う。これまでに全国の金融機関や農業生産法人など約20件と契約し、各地の農業活性化を支援してきた。

 改定版では、テラスマイルが手作業で作っていたリポート作成をAIで自動化できるようにし、区画ごとの収支や業績も評価できるようになった。使用料は月額3万円で、分析対象となるハウスや畑の数が増えても変わらない(個人向けリポートは別途3000円)。生駒代表は「前年同期と出荷量を比べたり、区画ごとの月別収量の変化が一目瞭然になったりすれば、収量増へ次年度の栽培に生かすことができる」と話す。

高付加価値トマトで所得アップへ


門川町高糖度トマト部会では、約7度以上の甘いトマトをハウスで栽培。ハウス内の温度や湿度、土に変わる溶液の量などのデータをITを使って分析し、収益力強化に生かしている

 糖度が7度以上という甘いトマトを生産・販売する門川町高糖度トマト部会(新門剛代表)は、11月からライトアームを利用している。これまでもITで収量の管理などを行っていたが、糖度ごとの割合や苗1本ごとに実のなる個数といったデータは分からなかった。そこでデータ活用についての助言を受けていた生駒代表に依頼し、ライトアームを導入した。

 トマト部会では、苗の定植日や数量、収穫量など従来のシステムにも入力していたデータと、JA日向の選果場で得た糖度別や収量のデータをテラスマイルに送信。これを分析してテラスマイルは糖度別の出荷量や出荷日を予測したリポートを同部会に提示する。部会員は収量や売り上げの報告会でリポートを見ながら、出荷予測や取引先の依頼に応じた収量を確保できるか話し合っている。

門川町高糖度トマト部会が定期的に開く部会では、テラスマイルなどがデータ分析した資料を部会員全員で確認。資料をもとに翌週の出荷量などを話し合う

 新門代表は「翌週や2、3カ月先に品質ごとの収量が予測ができれば、安定した売り上げや販売先の確保につながる」とITを活用した農業経営の意義を説く。売り上げを2割増やすことを目標に掲げ、部会員の所得向上を目指す。生駒代表も「普通のトマトに比べて高付加価値なトマトを効率的に育て、売っていくシステムづくりを、農業経営の『右腕』として精いっぱい応援したい」と話している。
(西村公美)

アクセスランキング

ピックアップ