みやビズ

2018年4月26日(木)
オンリーワン@WEB

OEM戦略 SUNAO製薬(宮崎市)

2015/08/26
商品について社員と打ち合わせする廣澤社長。「食品の機能性や農家のストーリーをどう見せるかが大切だ」という

アイデアを形に


 茶葉やブルーベリーなど県産品を原材料にした化粧品や健康食品などの相手先ブランドによる生産(OEM)で、毎年売上高を伸ばしている。収益の柱はOEMと自社商品を中心に扱う通信販売事業。製造部門は持たず、アイデアを形にする提案力とフットワークの軽さが高い収益性を生む事業体系はまさに県産食材の商社だ。



製造持たず効率化


 2011年1月設立。14年度の売上高は約2億5000万円。県産を中心とした南九州の食材を原料にした美容健康サプリメントや化粧水、加工食品のOEMが6割、通販事業が4割を占める。これまでOEMで約100品、自社通販商品で約20品を開発、販売している。

 製造部門を持たないことが同社の特徴で、東京、大阪を中心に約40の契約工場に製造を委託する。廣澤直也社長は「設備にとらわれず、多くの商品を開発、販売することができる」とメリットを説明する。多額の設備投資を行って製造ラインを整備しても、流行の変化が早い美容健康では市場ニーズに対応できなくなるのが理由の一つだという。

商品について社員と打ち合わせする廣澤社長。「食品の機能性や農家のストーリーをどう見せるかが大切だ」という

商品について社員と打ち合わせする廣澤社長。「食品の機能性や農家のストーリーをどう見せるかが大切だ」という

 製品開発を依頼する企業は首都圏がほとんどで、企業規模は上場から個人事業主まで幅広い。依頼内容も漠然としたものから、材料を指定したものなどさまざま。廣澤社長は「化粧水、粉末、サプリメントなど商品に応じて契約工場に製造委託する。自社で設備投資するよりも効率性が高い」と説明する。「餅は餅屋」の発想だ。

 自社デザイナーの存在も大きい。「パッケージデザインは商品の顔。依頼先の企業と直接やりとりすることで綿密な意思疎通と早い納期を実現することができる」(廣澤社長)。また、ほとんどのパッケージはメール便サービスで送られるサイズにするといった工夫も練り込まれている。さらに、インターネットやチラシのデザインなどその後の仕事にもつながるという。

“見える化”で躍進


 五ケ瀬町の有機JAS認定茶葉を粉末にした「まるごと食べ茶」、県産ブルーベリー葉エキスなどの成分を濃縮したサプリメント「ブルーベリー葉+ルテイン」、県産ダマスクローズを使った美容オイル「ダマスクローズセサミオイル」。同社が開発する商品の一部だ。ほとんどの商品に本県の食材を使っているのも特徴だ。

 廣澤社長は「宮崎の食材は魅力にあふれている」と力説する。広島県出身だからこそ、新鮮な視点で本県の良さを評価できるという。だが、魅力の押し売りはしない。自ら首都圏や都市圏に出向き、依頼先の企業や契約工場に営業を行うことでトレンドを把握し、売れ筋に合った食材を提案するという。「機能性を分かりやすく表示することや作り手となる農家のストーリーをいかに見せるかが大切」と話す。

 ネット通販の「楽天市場」と「ぐるなび食市場」に開設している自社通販サイトの「すなお食堂」にこれらのノウハウが詰まっている。農畜産物の加工品を注視員に販売し、ぐるなび食市場からはリピート注文率を評価する「2013年上半期ぐるなび食市場特別金賞」を受賞するほどに成長した。

五ケ瀬町産茶葉など南九州産の有機食材を取り扱う九州オーガニックメイドのサイト

五ケ瀬町産茶葉など南九州産の有機食材を取り扱う九州オーガニックメイドのサイト

 また、自社の“見える化”と題して14年2月に自社ホームページ(HP)をリニューアル。「HPに社員を登場させることで安心して買い物できるようにした」(同社)。これによって問い合わせ件数も一気に増えたという。南九州産の有機食材を専門にした通販サイト「九州オーガニックメイド」も好調だという。

 同社は今期の売上高は4億円を目指しており、ネット通販事業を売上高構成比の5割に高めたい考え。廣澤社長は「宮崎にはもっと多くの魅力ある食材がある。いかに付加価値をつけて見せることができるかが大事になる。まだまだ全国に知られていない宮崎でやっているからこそ、できることが多い」と意気込んでいる。

 SUNAO製薬 広島県出身で宮崎大工学部出身の廣澤社長が設立。同大学や地元農園との共同開発なども行う。宮崎市和知川原2丁目。TEL0985(26)2210、http://www.sunao-seiyaku.com/

アクセスランキング

ピックアップ