みやビズ

2018年4月24日(火)
オンリーワン@WEB

かき氷シロップ ハニー(宮崎市高岡町)

2015/08/05
水を吹き付けて冷却された氷みつは次々に箱詰めされていく

暑さを癒やす懐かしの味


 うだるような暑さの中、口に入れるとひんやりと冷やしてくれるかき氷。食べ終わって、赤や緑色に染まった舌を友達と見せ合った思い出がある人は多いだろう。冷蔵技術の発達に伴いアイスクリームなどが台頭してきたことから、かき氷シロップを製造する業者は約40年前と比べ激減。大規模に製造しているのは九州でもハニーだけとなった。はやりや地元色を出したシロップ開発や海外展開など、新たな客層の取り込みに向けた取り組みも欠かさない。

宮崎から「一番」を


 7月中旬、最盛期を前に同社の製造ラインはフル稼働だった。シロップの原料は水や砂糖、着色料などで、それらを調合してかき混ぜ、殺菌する。カラフルなデザインを施した紙パックに詰められたシロップは、70~80度と高温のため、水を吹き付けて冷却する。
水を吹き付けて冷却された氷みつは次々に箱詰めされていく

水を吹き付けて冷却された氷みつは次々に箱詰めされていく

常温になったパックは従業員の手で次々に箱詰めされていく。同社では1.8リットルパックのものを最大2万本製造できるという。工場内外には全国各地に発送される箱が積み上げられ、三棹俊作社長は「祭りなどのイベントが増える7、8月が書き入れ時。熱中症対策としてかき氷を食べることを奨励する企業から大量に注文が来ることもある」と話す。

 同社は1955(昭和30)年の創業時からシロップを製造。当初はジュースなど飲料水も手掛けていたが、「宮崎という地方都市でも一番になれるものを作りたい」とシロップに一本化した。一升瓶や牛乳パック状の紙パックに詰めて売っていたが、81年から容器を一新。キャップ付き紙パックを他業者に先駆けて導入し、全国展開を始めた。従来品より50円ほど割高になったが、保存や輸送のしやすさが好評でよく売れた。この頃から発泡スチロール製の器が出回り始めたことから、器やかき氷機など関連資材もセットで販売できる体制を整えた。販売網を全国に広げ、現在は500の販売店と提携している。

ご当地みつも開発


ハニーの売り上げベスト3のメロン、イチゴ、ハワイアンブルー(左から)。鮮やかな色合いの濃厚な甘さがファンを魅了する

ハニーの売り上げベスト3のメロン、イチゴ、ハワイアンブルー(左から)。鮮やかな色合いの濃厚な甘さがファンを魅了する

 かき氷の消費が減る中で「子どもの頃に食べていた世代にもう一度振り向いてもらうためには新味投入は必要」と三棹社長。イチゴやメロンなど定番のみつ24種に加え、天然着色料を使用したものや果汁入りなどを含むと約100種あるという。過去には「たこ焼き」や「チョコバナナ」といった変わり種を販売したこともあった。しかし、売れ行きがよくないものは2年ごとに行われる味の見直しで製造を中止する。2015年は「トマト」「シーソルト」を外し、新たに「キャラメル」と「ココナッツミルク」が仲間入りした。また鹿児島県の黒酢製造業者からの依頼があり、黒酢を使ったさっぱりとした味わいのみつをOEM商品として作った。各地の特産品を使った「ご当地氷みつ」の開発にも意欲を見せる。

 アメリカや東南アジア、ヨーロッパからも引き合いがある。各国が設ける輸入食品の添加物規制が壁となっており、添加物を抑えた商品開発も視野に入れる。しかし、三棹社長は「『昔ながらの味がいい』と言ってくれるお客さまもいる。トッピングの開発など新しいことも常にやりながら、国内の需要も満たし続けたい」と話している。


 ハニー 1955(昭和30)年、「三棹商会」の名で愛媛県で創業。59年に延岡市に飲料水の試験製造施設を建設、翌年に宮崎市和知川原に工場移転。2006年に同市高岡町に本社を移転した。氷みつのほかバッテリー液などのカー用品やプラスチック容器の製造も手掛ける。イベント用品や容器などを扱う小売店「パオワールド21」も経営。

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