みやビズ

2018年12月12日(水)
オンリーワン@WEB

翻訳とデザインのワンストップ受注 イマイ印刷(西都市)

2015/07/01
イマイ印刷がこれまでに手掛けたパンフレット

伝えたいことを的確に表現


 少子高齢化で国内市場が縮小する中、海外進出を検討している県内企業は多い。また、既に海外進出している企業の中には現地での営業活動で言葉の壁や文化の違いにぶつかっているケースもあるだろう。イマイ印刷(西都市、今井美富社長)は「海外の顧客に商品の魅力を的確に説明したい」という企業ニーズを、専門の翻訳家とデザイナーが一度に把握してパンフレットやパッケージを製作。景気低迷とデジタル化で落ち込んでいる商業印刷業界において、企業の海外進出支援という新たな強みで他社との差別化を図っている。

産業翻訳のプロが戦力に


 イマイ印刷は、産業翻訳家の河野久美さんが入社した2013年から企業の海外進出支援を始めた。河野さんは東京で10年以上、ITやマーケティングなど幅広い分野でビジネス文書の翻訳に携わっていた。11年、東日本大震災や出産を機に帰郷。西都市内で地域と関わりの持てる仕事を探していたところ、イマイ印刷のデザインアシスタントの求人が目にとまり応募。印刷業界が低迷する中、新機軸を打ち出す必要性を感じていた今井社長は河野さんの履歴書を見て「デザインの経験はないが、彼女の実績を生かせる仕事に挑戦してみよう」と決意した。

 今井社長は取引先との会話の中で「翻訳のできる社員がいる」と、河野さんの存在をさりげなくアピール。すると外国語での商品ラベルや教育旅行のパンフレット作成といった仕事が次々と舞い込んできた。今井社長は「これはビジネスになる」と確信。新たな収益の柱に据えようと県経営革新計画に申請し、昨夏に承認された。

「生きた表現」で海外進出を後押し


イマイ印刷がこれまでに手掛けたパンフレット

イマイ印刷がこれまでに手掛けたパンフレット

 河野さんは英語が専門。他の言語は契約を結んだ翻訳家が担当し、需要の多い中国語のほか、イタリア語、ドイツ語にも対応する。翻訳するときは、現地で今使われている「生きた表現」に最も気を配る。河野さんは「ただ言葉を訳すだけでなく、商品の魅力がより伝わるよう現地の人々に訴えかけられる表現を選んでいる」と話す。

 デザインは今井邦彦専務が手掛けており、依頼者のもとに河野さんと一緒に出向いて打ち合わせする。「2人が個々にやりとりするより、納期は早まるし、何よりも依頼者の思いを共有しやすい」と小回りの利く対応を強みにしている。

 さらに外国人の商業デザインのアドバイザーとも契約。言葉や文化、生活習慣など日本人の感覚では気付かない点をアドバイスしてもらうようにしている。例えば、さまざまな数字を通して西都市の魅力を紹介するフリーペーパー(7月発行予定)の初稿が出来上がったとき、アドバイザーは西都原古墳群にある古墳の数が311基という点に着目。「海外では東日本大震災があった3・11を想起させる」と指摘を受けた。そこで「かわいいフォントにしてみよう」「単位を付ければ大丈夫かもしれない」と工夫を凝らした。

 6月からは県の受託事業として、ミラノ万博や世界最大の食品展示会「アヌーガ」への参加企業などを対象にした翻訳サービス事業もスタート。将来は海外進出支援事業を売り上げの4割程度まで引き上げることを目指す。河野さんは「企業が翻訳やデザインにお金をかけるのは、それだけ海外展開に本腰を据えて取り組みたいから。その思いをくみ取ったものに仕上げたい」と話している。

 イマイ印刷 1979(昭和54)年11月創業。広告やパンフレット、パッケージなどの印刷を手掛ける。7月7日には海外進出支援プロジェクト「ハッピーハッピープロジェクト」の一環として、西都商工会議所で販路開拓応援セミナーを開く。西都市右松。同社電話0983(43)5103。

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