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2020年1月26日(日)
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スクリュー式垂直発酵攪拌(かくはん)機 天神製作所(都城市)

2015/04/01
オリジナル製品の開発で鉄工所をメーカーへと成長させた天神社長

全国に販路を開拓


 天神製作所(都城市、天神一利社長)の「スクリュー式垂直発酵攪拌(かくはん)機」は、家畜排せつ物を堆肥化するための設備だ。2002年に開発して以降、性能の高さが認められ、全国に販路が広がった。個人事業の鉄工所からスタートした同社。オリジナル製品の改良を進め、メーカーとしてさらなる成長を模索する。

発酵時間を短縮

 スクリュー式垂直発酵攪拌機は、鉄製の棒にらせん状に「羽根」を施したスクリューを使い、家畜排せつ物に差し込んでかき混ぜる。「たい肥舎」には広さや形状に合わせた架台を設置。架台はモーターやスクリューを搭載した「心臓部」の通路の役割もあり、架台に沿って心臓部が動くことで施設内を1台で処理できる。広い施設にも対応でき、幅20メートル、奥行き180メートルの施設に導入した実績もある。

オリジナル製品の開発で鉄工所をメーカーへと成長させた天神社長

オリジナル製品の開発で鉄工所をメーカーへと成長させた天神社長

 同社によると、開発以前に市場に出回っていた攪拌機は、地面に対して並行にスクリューが配置された「パドル式」だけ。だが、パドル式は家畜排せつ物をかき上げるように混ぜるため空中に飛び跳ね、その際に発酵に必要な熱が拡散してしまうといった課題もあったという。

 これに対し、垂直型の攪拌機は家畜排せつ物を跳ねさせることなく混ぜるため熱が奪われず、さらに臭気対策にもなる。また、スクリュー先端から温風を送り込むことで発酵を促進。従来のパドル式に比べ、発酵時間の短縮に成功している。2003年に初めて県内業者が導入。以降、商品性の高さが口コミで広がったほか、専門誌でのPRに力を注いだことで、北海道や鹿児島、三重、長野、愛知、石川、沖縄と、全国各地に販路が拡大した。

「選ばれる製品を提供」

天神製作所が開発したスクリュー式垂直発酵攪拌機(天神製作所提供)

天神製作所が開発したスクリュー式垂直発酵攪拌機(天神製作所提供)

 同社は、従来品に改良を加え、スクリューを2本から4本に増やした新製品を開発。天神社長が「4本のスクリューを使った製品は世界初」と胸を張る新製品は、スクリュー1本当たりの馬力も改良。400馬力から700馬力に高め、従来品よりも発酵時間を短縮した。また、施設内に設置する架台の製造を内製化。メンテナンスや故障に迅速に対応できる体制を整え、顧客満足度の向上を図る。

 メーカーとして成長を続ける同社はもともと、天神社長が脱サラで始めた鉄工所が始まりだ。「機械いじり」が好きで、「世の中に役立つ機械をつくりたい」と、39歳でそれまで勤めていたガス販売会社を退職。妻と2人で新たな事業を起こした。

 ステンレス配管の溶接などを手掛けてきたが、「仕事がなく、辞めようと思ったことも何度もあった」。が、1993年ごろに攪拌機の開発依頼を持ち掛けられ、そこから、メーカーとしての歩みをスタート。業容拡大に成功した。

 攪拌機の市場は現在、競争が激しくなっている。天神社長は「お客から選ばれる製品を今後も提供していけるようなものづくり企業を目指していく」と見据える。

 天神製作所 1989年に個人事業の鉄工所として創業し、1995年に法人化。1996年から家畜排せつ物を堆肥化するためのプラントの設計、製造をスタート。このほか、アルミ、ステンレス溶接など金属加工も手掛けている。2010年には北海道工場を設置。




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