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2018年7月16日(月)
オンリーワン@WEB

ロコモ診断計測機器 三和ニューテック

2014/12/24
2015年度中の発売を予定するロコモ診断計測機器
 筋肉や骨、関節などの障害により歩行機能が低下するロコモティブシンドローム(ロコモ)。三和ニューテック(宮崎市清武町、金内隆一社長)は、ロコモの度合いを客観的に診断するための計測機器の開発を進めている。既に試作機は完成し、2015年度中には販売する計画だ。これまで市場になかった、まさにオンリーワンの製品で、介護予防や健康をキーワードに全国に売り込みを図っていく。

ロコモ患者の特徴をデータ化

 同社によると、ロコモ診断は現在、日本整形外科学会が推奨する「ロコモ指数25」が広く使われている。患者が25問の設問に答え、それを数値化。100点中16点以上が「ロコモの疑いあり」と診断されるが、質問形式のため「回答が主観的で、客観的な診断ができない」といった課題があった。この課題を解決しようと、2013年、ロコモ予防の研究を進める宮崎大学と共同開発に乗り出した。

宮崎大学と共同開発し、2015年度中の発売を予定するロコモ診断計測機器

宮崎大学と共同開発し、2015年度中の発売を予定するロコモ診断計測機器

 同大環境ロボティクス学科の田村宏樹准教授が、ロコモ患者の特徴分析に着手。約150人の患者の歩行データを取り、ロコモ指数25の結果が悪い患者の歩き方を抽出。「膝が曲がっていない」「歩行速度が遅い」などのさまざまな特徴をデータベース化した。

 ロコモ診断計測機器では、診断を受けた人の歩き方をデータベースに照らし合わせ、ロコモ度合いを測る。カメラを組み込んだセンサーの前に人が立つと、モニター上に映像が映し出されると同時に、骨格情報を取得。約3メートルの距離を歩くだけで、骨格情報から関節の角度や歩行スピードなどが計測され、点数が算出される仕組みだ。

 同社企画部の冨田幸嗣部長は「診断を受ける人は何も装着する必要はなく、すぐに診断結果が出てくる。この簡便さが製品の売りの一つになっている」と説明する。

健康管理を支援

13年12月に本社を宮崎市清武町に移転した三和ニューテック

13年12月に本社を宮崎市清武町に移転した三和ニューテック

 現在、診断精度を上げるために調整を進めており、来年度中の発売を目指している。医療機器ではなく、「健康管理を支援するための製品」と位置付け、県内はもちろん全国のフィットネスクラブや高齢者施設をメーンターゲットとして見据える。市場価格は20万〜30万円を予定しており、初年度の販売目標は500セット以上を掲げた。

 同社は、従来のカードリーダーライター事業と製造受託事業に加え、これまで培ってきたセンサー技術や通信技術を応用した異分野参入に力を入れている。特に、医療・介護分野への参入を進め、11年には、介護施設によるベッドからの転落や徘徊(はいかい)を防ぐ「ベッドセンサー」を商品化。ロコモ診断計測機器もその一環として開発し、「事業の柱として成長する可能性がある」と期待する。

 ロコモは近年、メタボに続く新たな国民病との見方もされるほど関心を高めているキーワードだ。冨田部長は「国も健康寿命の延伸を目標に掲げており、ロコモ関連の商品市場は拡大していくと考えられる。市場調査では医療、介護関係者からのニーズもあり、商品の将来性は高い」と見据えている。
 

 三和ニューテック 1970(昭和45)年、宮崎三和電機として設立。84(同59)年に社名変更し、86(同61)年、本社を大阪市に移転。2013年12月に、本社を大阪から宮崎市に移した。国富工場のほか、東京、大阪、福岡に営業所を置く。


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