みやビズ

2018年6月22日(金)
オンリーワン@WEB

山本木材 木工房 和(延岡市松原町)

2014/02/19

世界に一つだけの家具


 木の特性を熟知し、手間暇掛けるからこそ、出来上がったテーブルやたんすには味わいや愛着が込められている。山本木材(平山三千雄社長)が立ち上げたブランド「木工房 和(なごみ)」は銘木の仕入れから製材、仕上げまですべて手作業。こだわりの自然乾燥の木材を使った家具の美しさとぬくもりは、まさに触れたくなるほどだ。
 
需要の変化に対応

 同社は52年前に平山社長(69)の叔父の故山本順三氏が創業。酒やビールの梱包(こんぽう)材がまだ木製だったころ、組み立て前の木材を製材し、奈良県の酒造会社や福岡県内の飲料メーカーへ出荷するのが事業の中心だった。「製材所の前の国道10号はまだ工事中で、砂地にはイモ畑が広がっていた」(平山社長)。

シマグロ(ハマセンダン)のテーブルといす。引き締まった色合いで人気が高い銘木の一つ

シマグロ(ハマセンダン)のテーブルといす。引き締まった色合いで人気が高い銘木の一つ

 1964(昭和39)年に会社化したが、その9年後の73年に山本氏が死去。一緒に働いてきた平山社長が後を継いだ。そのころになると、木製の梱包材はプラスチックに代わり、これまでの取引先が縮小。「原木そのものを扱う仕事が好きだった」(平山社長)こともあり、床柱や玄関材などに使われるケヤキ、サクラ、カエデなどの銘木を仕入れ、製材業者に納めるようになった。

 平山社長は「当時は和風の住宅需要もまだ多く、銘木市場もにぎわっていた」と振り返る。しかし、新築住宅がハウスメーカー中心になるにつれて木造建築が減り、銘木の需要も低迷。売り上げも落ちる中で「自分たちの技術や商品を生かすとなるとなにがあるのか」と考えた末に出た結果が家具の製造だった。

開放感のある明るい店内にはスギやヒノキ、センダンなど県産材で作ったテーブルや棚がずらりと並ぶ

開放感のある明るい店内にはスギやヒノキ、センダンなど県産材で作ったテーブルや棚がずらりと並ぶ

 家具作りは初めてだったが「分からないことは人に尋ねた。聞けば誰でも教えてくれた」という。テーブルは天板の幅や高さ、足の高さなど、「お客さんからの注文や納品後の使い心地を参考に商品に反映させていった」。木の反りや色の変化といった銘木特有の性質や扱いに関する知識があったことと、研究熱心さで転換期を乗り越えた。
 
 そして、2000年に「木工房 和」を立ち上げ、本格的な製造、販売に乗り出した。「癒やされる」というイメージを元にブランド名にした。

自然乾燥で木を生かす

 原料のほとんどが県産材で、平山社長が原木を買い付ける。工房裏には自然乾燥させるために大量の木材が積まれている。「乾燥機で急に乾燥させると木を生かしておくのに必要な油分もなくなり、木特有の粘りがなくなる。自然乾燥させるのが一番」と共に働く長男照彦さんは説明する。自然乾燥へのこだわりこそが、出来上がった家具が自然の色味を放ち続ける最大のゆえんだ。
 
自ら製作する平山社長(右)。指で感触を確かめながら表面を仕上げていく

自ら製作する平山社長(右)。指で感触を確かめながら表面を仕上げていく

 ただ、自然乾燥には長い年月がかかる。「短くて2~5年。ケヤキなら15年ぐらい寝かせることもある。30年という材木もあるほど」(平山社長)。ため息が出るほどのリードタイムの長さの上、製材して割れが見つかることもあり、歩留まりは決して良くないのが実情だ。だが、平山社長は「お客さんが使い始めてから反りが出るなどトラブルが起こったら信頼を裏切ることになる」と話す。

 評判を聞きつけたお客さんのつながりで顧客は増えている。仕上げも漆やウレタン、植物性のオイル仕上げなど、注文に応じて使い分ける。「もともと木が好きだから」と語る平山社長。銘木へのこだわりと創作意欲はまだまだ高い。

 山本木材 製作する家具はテーブル、いす、たんすなどさまざま。大手メーカーより価格は高めだが、家の広さや使い方に合わせた細かい注文に応えることで顧客を増やしている。食器など日用品も製作、販売する。電話0982(37)0230。ホームページはhttp://www.wainet.ne.jp/~nagokura/

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