みやビズ

2019年10月14日(月)
オンリーワン@WEB

ゆずビール 西都YEG、正春酒造(西都市)

2014/08/06

有数産地、消費拡大目指す


 全国4位のユズ生産量を誇る本県において、その半数を占める西都産のユズ。そんな地域を代表する果実で商品を開発した酒造メーカーと、地域の活性化に取り組む若手企業家団体がタッグを組み、西都市のご当地ドリンクとして普及させようとしているのが「ゆずビール」だ。さっぱりとした飲み口が好評で、県内外に提供店舗を拡大中。「西都の宴会ではゆずビールで乾杯を」と乾杯条例制定も視野にPRしている。



珍しい芋焼酎ベース

西都夏まつりで「ゆずビール」をPRする西都商工会議所青年部のメンバー

西都夏まつりで「ゆずビール」をPRする西都商工会議所青年部のメンバー

 西都市内で7月25日から3日間あった西都夏まつり。「ゆずビールいかがですか」。会場の一角でそろいのTシャツや帽子を身に着けた西都商工会議所青年部(西都YEG・阿万明広会長、26人)のメンバーが、威勢のいい声を響かせた。ゆずビールは同市の焼酎メーカー、正春酒造(黒木裕章社長)の製造したリキュール「正春の柚子」をビールで割って作ったカクテルだ。

 酒造大手の宝酒造(京都市)によると、焼酎の国内市場は本格焼酎ブームで99年から6年連続で需要が過去最高を記録した。しかし近年は不況の影響などで減少傾向。一方で消費者の好みが多様化し、チューハイや「第三のビール」の一部、梅酒といったリキュール類の市場は拡大しているという。

 正春酒造は明治初期創業の老舗で、本格芋焼酎「逢初」、プロ野球巨人の球団公認芋焼酎「強くあれ、巨人。」などを製造、販売している。市場の変化に対応する新たな商品の開発を模索する中、注目したのが香り高い東米良産のユズ。黒木社長は「アルコールは酔うためのものではなく、コミュニケーションを促すためのツール。地域の個性を出しながら、焼酎メーカーとしてどんな提案をしていけるか考えたとき、答えの一つがユズリキュールだった」と話す。

正春酒造のユズリキュールと「ゆずビール」

正春酒造のユズリキュールと「ゆずビール」

 一般的に梅酒やアンズ酒などは果汁そのものの味わいを妨げないように、くせや香りのない甲類焼酎をベースに製造されている。しかし、正春の柚子は芋焼酎の逢初を使用。もともとすっきりとした仕上がりが特徴の焼酎だったため、リキュール造りにぴったり。アルコール度数8パーセントと軽めな、全国的にも珍しい芋焼酎ベースのリキュールが完成した。

創立10周年記念で連携

 ただ完成しても、普及しなければ意味がない。ビアカクテルとしての飲み方も考案し、西都YEGに協力を打診。YEGも創立10周年記念に「特産品のユズを広くPRし、消費拡大につなげられるいいアイデア。自分たちの存在感も示せる」と乗り気で、両者の連携が決まった。

 YEGが中心となって「ありだと思う ゆずビール」というキャッチコピーを考え、ロゴマークやのぼり旗を製作。地域のまつりで出店販売して普及を図った。ホームページを立ち上げ、ゆずビールの作り方や提供店舗を紹介。活動開始当初の1年前は4店舗だったが、現在は市内外の18店舗に増えた。

 西都YEGの阿万会長は「ユズリキュールのおかげでビールの苦みはなくなるが、のどごしはある。フルーティーな味わいで夏に合う。女性にも受けると思う。幅広い年齢層の人たちに飲んでもらいたい」と話す。

 県内では13年7月に日南市が地元の本格焼酎を、ことし3月には都農町が「都農ワイン」で乾杯する習慣を広げる「乾杯条例」を可決している。西都YEG事務局の阿萬広孝さんは「西都も乾杯はゆずビールで、というところを目指して頑張っていきたい」と話している。 

※逢初の「逢」は1点しんにょう

正春酒造 明治維新のころに初代黒木虎雄氏が創業。1956(昭和31)年に2代目正英氏が合資会社・黒木酒造を登記。72(昭和47)年に正英氏の「正」と、妻春さん「春」を合わせて「正春酒造」へ社名変更した。現在の裕章社長は5代目。電話0983(45)1013。


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