みやビズ

2019年10月18日(金)
マンスリー東京

12月号【最前線】和菓子作家・常田沙恵さん/宮崎市出身

2016/12/27

愛される空間目指す


街に愛される和菓子店を心掛ける常田沙恵さん=東京都北区

街に愛される和菓子店を心掛ける常田沙恵さん=東京都北区

 白い「練り切り」と呼ばれる生地に、青、黄、緑、ピンクの練り切りを重ね、こしあんを包み込む。木のヘラで花びらのように模様を付けると、手まりをイメージしたオリジナルの上生菓子が出来上がる。「和菓子工房 糸 ito」を営む常田沙恵(つねださえ)さん(28)=宮崎市出身=が目指すのは、街の人に愛される和菓子店づくり。アンティーク調の家具やショーケースなどをそろえ、「古いけどモダン」な雰囲気に自ら改装し、東京都北区に2015年9月に開店。今年4月に長女市恵ちゃんを出産し、現在は月1回しか店を開けないが、常連客から「甘さのあんばいがいい」と評判だ。

 材料は、市場や旅先の「道の駅」など、旬の産地からいい素材を選び、おいしさを引き出す。消費者が求めやすい価格に設定。和菓子文化が長く発展し続けるためには消費拡大が大切だと語る職人に共感している。「好きなことをやる中で、和菓子に目をとめる人が増えればうれしいな」

 宮崎大宮高を卒業後、大阪大人間科学部へ進学した。1回生の終わりに体調を崩し半年休学。その間、陶芸家や機織り職人などの元を訪れた。多くの伝統文化に触れる中で、「好きなものに囲まれ、ゆっくりおしゃべりができる空間づくりがしたい」と進む道を見つけた。子どものころから興味のあった和菓子をその核に据えることを考え、京都の職人などに話を聞き決意。大学卒業後、京都の専門学校に入り和菓子作家への道を踏み出した。

 卒業後、13年に上京しアパートの1室に工房を構えイベントなどで販売。結婚を機に現在の店舗へ移った。当面は子どもの成長に合わせ、個別の注文にも応じていくという。

 これで空間づくりの夢がかなったとはまだ思っていない。「お客さんの声を聞くのが私なりの修業。生地やあんを改良し、季節を感じてもらえるような理想の店に近づけたい」

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