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ミックス/にくてんの老舗かわさき

2012/09/27

焼きうどんと焼きそば混ぜて常連客に人気


 宮崎市波島の住宅街にある「にくてん」専門店。沖縄出身者が多いという共通点を持つ神戸市長田区から波島に伝わったという粉物料理「にくてん」を出す店として、60年ほど前に開店。現在は2代目店主の川上克枝さん(46)、井上孝恵さん(44)姉妹が、秘伝のソースと共に昔ながらの味を守り続けている。

「にくてんの老舗かわさき」の「ミックス」。平たいきし麺と細い中華麺を野菜や肉と交ぜた、常連客に人気のメニュー。後ろに見えるのが折りたたむ前の「にくてん」

「にくてんの老舗かわさき」の「ミックス」。平たいきし麺と細い中華麺を野菜や肉と交ぜた、常連客に人気のメニュー。後ろに見えるのが折りたたむ前の「にくてん」

 にくてん(400円)は、小麦粉を水で溶いてクレープのように薄く焼いた生地の上に、キャベツ、かまぼこ、天かす、豚バラ肉などを重ねて焼いたもの。客が自分でソースを塗って半分に折りたたんで食べるのが流儀。広島風お好み焼きにも似ているが、中に麺は入れず、手軽に食べられるため子どものおやつとしても親しまれてきた。同店では注文してから焼き上がるまでに15分ほどかかる。

 にくてんを待つ間の空腹を満たすため、一緒に頼まれることが多いのが「焼きそば」(400円)や「焼きうどん」(同)だ。そしてこの二つを大胆に交ぜたのが、同店のメニュー表に載っていない人気メニュー「ミックス」(800円)だ。

 30年ほど前に常連客が考案。同店の焼きうどんに使われる、もちっとした食感の平打ち麺と、焼きそばに使われる、つるっとした食感の中華麺が、野菜や豚肉の具と交ざり、独特の食感とうまさをつくり出している。

 にくてんにもミックスにも、同店の一番のこだわりという秘伝のソースがかけられている。味はウスターソースならではのコクと、しょうゆのようなあっさりとした後味が特徴。ソースがさっぱりしているため、「お好み焼きは食べられないが、にくてんなら食べられる」という人も少なくないという。

 いずれも200円増しで量2倍の「大盛り」にできる。にくてんは、皮をパリパリになるまで焼く人もいる。トッピングの追加もでき、50円増しの「卵」などから、若者客の要望を受け数年前に加わった150円増しの「チーズ」「キムチ」まで約10種類。

宮崎市波島にある「にくてんの老舗かわさき」の店内。看板姉妹が手際よく焼くにくてんやミックスを、カウンターやテーブル席の鉄板の上で食べることができる

宮崎市波島にある「にくてんの老舗かわさき」の店内。看板姉妹が手際よく焼くにくてんやミックスを、カウンターやテーブル席の鉄板の上で食べることができる

 メニューはほかにおにぎり(1個100円)と飲み物のみ。先代が店内に駄菓子屋を併設していた名残で、冷蔵ショーケースには瓶入りのコーヒー牛乳やサイダーが並ぶ。商品は客が自分で取り出す昔懐かしいセルフ式。

 店内はカウンター席とテーブル席の15席。店内禁煙。場所は、大島通線沿いの「ガスト大島店」の交差点を東に向かい、二つ目の信号を右折。直進して「宝屋ミートセンター」の角を右折し、さらに進むと見える黄色い看板が目印。

店のおすすめ

初めて食べる方は、ぜひ持ち帰りではなく、ここ(お店)で食べてほしいですね。最初は、お好み焼きとの違いを味わってほしいので、何も追加しないノーマルなにくてんをどうぞ。

記者のひとこと

波島地区ならではの人情味あふれる店だ。先代の川崎ミヤ子さんは、83歳まで半世紀近く一人で店を取り仕切ってきたが、足腰が弱くなった2002年、もう店を閉めようかというときに、近所で孫同然に育ってきた姉妹が「もう食べられなくなる」との思いで急きょ手を挙げたという。現在の店舗はそのときに姉妹の実家1階を改装したもの。それから10年、ずっと材料や作り方を変えずに、川崎さんの味を守ってきた。川崎さんは、引退後も時折店に来ていたが、姉妹が後を継いで10年目を迎えた2011年夏、他界されたという。きっと安心したのだろう。

店のひとこと

「にくてんって、肉の天ぷらですか」と尋ねられることがあるなど、まだまだ知られていないなと感じます。お好み焼きとは少し違うので、食べたことのない方にはぜひ一度食べてみてもらいたいですね。道に迷ったらお電話ください。

【メモ】
店名:にくてんの老舗かわさき
住所:宮崎市波島1の35の15[地図]
電話:0985(26)5598
営業時間:午前11時~午後5時
駐車場:7台
HP:無し

※紹介しているメニューや価格、住所などの情報は掲載時のものです。

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