みやビズ

2018年6月25日(月)
マッチング

天然木のペット用仏壇

2017/08/09
 県産ヒノキを使った家具や小物を製作する林林鉢(宮崎市、治田琢自代表)は、リビングなどの生活空間になじむペット用仏壇を開発、販売している。中に入れる骨つぼのサイズに合わせて1基ずつ手作りする丁寧さや無料の絵付けなどが受け、県外百貨店での催事を中心に人気を集めている。

林林鉢(宮崎市)


「家族の一員」に訴求


県産ヒノキを使い、木目の美しさを生かして作った林林鉢のペット用仏壇。扉の内側に写真を入れられるよう工夫を凝らしている

県産ヒノキを使い、木目の美しさを生かして作った林林鉢のペット用仏壇。扉の内側に写真を入れられるよう工夫を凝らしている

 県産ヒノキを使った家具や小物を製作する林林鉢(宮崎市、治田琢自代表)は、リビングなどの生活空間になじむペット用仏壇を開発、販売している。中に入れる骨つぼのサイズに合わせて1基ずつ手作りする丁寧さや無料の絵付けなどが受け、県外百貨店での催事を中心に人気を集めている。ただ、本県での知名度は低く、治田代表は「県内でも販路を広げたい」と意気込んでいる。

県外で人気


 同社は、根元が付いたままのヒノキを丸ごと仕入れ、内部をくりぬいてから乾燥、加工する「他の業者が普通は手がけない工法」(治田代表)で木製品を製造している。根元は椅子やテーブルの脚、幹の部分は製材してテーブルの天板や引き出しなどに加工している。創業間もない時期から大丸や高島屋など大手百貨店の催事に出展。1年のうち11カ月は催事で全国を飛び回っている。

ヒノキの丸太をくり抜き、ペット用仏壇の基礎を作っていく林林鉢の治田琢自代表

ヒノキの丸太をくり抜き、ペット用仏壇の基礎を作っていく林林鉢の治田琢自代表

 目新しい商品はないかと考えていた4年ほど前、思いついたのがペット用仏壇。調べるとニッチな市場で、治田代表も犬を飼っており「ペットは家族の一員という意識の高まりを、飼い主としても身にしみて感じていた」。商機はあると判断して開発に乗り出し、3年前から販売を始めた。

 骨つぼの大きさによるが、仏壇の高さは20~25センチ。リビングなどに置いて悪目立ちしないよう、木目の美しさをそのままに仕上げた。骨つぼや思い出の品を出し入れする扉の内側には、ペットの写真を差し込めるフォトフレームが付いている。治田代表の妻裕子さんと、妹の寺田晶身さんが希望に応じて扉などに手描きする草花の絵が彩りを添えている(ペットの絵を描く場合は有料)。

 発売当初はワンサイズだった。「骨つぼが入らない」「扉が観音開きだと、普通の仏壇のようでかわいくない」と客からの声を受け、オーダーメードに変更。「1基4万3200円と決して安くはないが、催事では毎回2基程度の注文が入るようになった」と治田代表。今では2カ月待ちの人気商品に成長した。

手に取りやすい価格を見極め


 県外やインターネットでの販売は堅調だが、県内では知名度がいまひとつなのが悩み。都市部の百貨店は集客力があるけれど、郊外の百貨店は大型ショッピングモールの台頭などから低迷している。「このままでは先行きが不透明。県外に注力するあまり見過ごしていた県内での販路をしっかり築きたい」と、宮崎太陽銀行に相談。ペットの火葬や納骨を手がける「ペットの納骨堂 虹の家」(宮崎市)を紹介され、今月から店内に2台の見本を置けるようになった。

 虹の家の渡辺和子店長によると、利用者はペットを火葬した後に納骨する人が大半を占める。その中で「こんなものもあるのね」とペット用仏壇に興味を持つ人が多いという。「ペットは大切な家族だから、最後に何でもしてあげたいと、利用者は金銭的負担をいとわない傾向がある」と渡辺店長。治田代表は「宮崎でも気軽に手に取ってもらえる販売価格かどうかを見極め、ペットを大事にする人のニーズを取り込みたい」と話している。
(西村公美)

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