みやビズ

2019年7月17日(水)
マッチング

汚泥や畜ふん容積を大幅減

2017/07/26
 海洋環境や防災コンサルティング業の日本ミクニヤ(川崎市)は、汚泥や畜ふんなどの有機廃棄物の減容化装置「ミシマックス」の普及に取り組む。微生物の働きを活性化させる「高温好気発酵分解技術」を活用し、有機廃棄物を24時間で95%減容する。処理のコストや環境負荷の低減に加え、効率的な資源循環の実現も期待されている。

日本ミクニヤ(川崎市)の減容化装置ミシマックス


高温好気発酵分解技術を活用


鹿児島の養豚農家での実証実験に使われた小型の減容化装置ミシマックス

鹿児島の養豚農家での実証実験に使われた小型の減容化装置ミシマックス

 海洋環境や防災コンサルティング業の日本ミクニヤ(川崎市)は、汚泥や畜ふんなどの有機廃棄物の減容化装置「ミシマックス」の普及に取り組む。微生物の働きを活性化させる「高温好気発酵分解技術」を活用し、有機廃棄物を24時間で95%減容する。処理のコストや環境負荷の低減に加え、効率的な資源循環の実現も期待されている。

杉チップを使う


 ミシマックスの特徴は杉チップを使用すること。約1センチ角の杉チップが装置内の槽に入っており、そこに有機廃棄物を投入して、空気を送り込みながら撹拌(かくはん)する。杉チップの隙間で微生物が増殖。有機物は杉チップの隙間に付着し、微生物により効率的に発酵・分解され、槽には汚泥などの中の無機物が残る。

ミシマックスに欠かせない杉チップ。効果を高めるため、1センチ角まで小さく裁断している

ミシマックスに欠かせない杉チップ。効果を高めるため、1センチ角まで小さく裁断している

 発酵・分解で気化した二酸化炭素やアンモニアを排出する際は脱臭機を通すため、臭いの問題も発生しない。杉チップは、摩擦によって隙間が少なくなる半年を目安に交換する。撹拌の頻度や水分量、温度管理などはプログラムで設定する。

 ミシマックスは、島根大の研究成果を実用化した装置で、「発酵環境の制御」「吸気・排気のシステム」の特許を同社が所有している。

 発酵・分解後に残った無機物は、ペレット化して肥料として利用できる。窒素やリン、カリウムの濃度が高く、良品質の肥料になるという。畜ふんをそのまま堆肥化した場合、大量にできすぎて消費しきれず、余剰分を廃棄するケースもある。同社執行役員の徳岡誠人さんは「まず減容化するということが資源の効率的な循環につながる」と強調する。

資源の好循環へ


 18日、鹿児島県出水市の養豚農家で行ってきた実証実験の結果が出た。1日当たり25キロを処理できる小型装置を使用した。杉チップと種菌を除き、2カ月間毎日、合計1490リットル分の豚ふんを投入。94%の減容化が確認された。地元の焼酎メーカーやミカン農家らが訪れ、興味深そうに装置の説明を受ける姿が見られた。

微生物の力で豚ふん(有機廃棄物)を発酵・分解する。残った無機物はさらさらとして、いやな臭いもしない

微生物の力で豚ふん(有機廃棄物)を発酵・分解する。残った無機物はさらさらとして、いやな臭いもしない

 この装置は1日当たり25、50、200キロ、1トンとさまざまな廃棄物の処理量に対応。大型機の製作は、スクリュー式垂直発酵撹拌機の製造を手掛ける天神製作所(都城市)と連携する。50キロ対応の装置は、食料残さの処理を想定し、外食産業への売り込みにも力を入れている。

 同社は水質汚染が深刻化する東南アジアでも活用を模索する。徳岡さんは「これまで廃棄処分されるなど無駄になってきた有機物を、効率的に資源の好循環に組み込める装置として普及させていきたい」と話している。
(福岡支社・鬼束功一)

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