みやビズ

2018年5月20日(日)
マッチング

“持続可能”な木製遊具

2017/06/14
20170613-1admin-image-1497336963.jpg イベント遊具レンタル、販売のワン・ステップ(山元洋幸社長)は、南那珂森林組合(坂元裕一組合長)の協力を得て飫肥杉製の屋内型ジャングルジムとボールプールを開発している。安全かつ簡単に設置できるような構造が特徴で、家庭やイベント会場向けに来年4月のレンタル開始を目指す。

ワン・ステップ(宮崎市清武町)×南那珂森林組合(串間市)


県産材の特長生かす


ボールプールの外枠。この中に飫肥杉製のボールを入れて遊ぶ(ワン・ステップ提供)

ボールプールの外枠。この中に飫肥杉製のボールを入れて遊ぶ(ワン・ステップ提供)

 イベント遊具レンタル、販売のワン・ステップ(山元洋幸社長)は、南那珂森林組合(坂元裕一組合長)の協力を得て飫肥杉製の屋内型ジャングルジムとボールプールを開発している。安全かつ簡単に設置できるような構造が特徴で、家庭やイベント会場向けに来年4月のレンタル開始を目指す。子どもが成長して遊ばなくなったら回収してメンテナンスして再び流通させることも視野に入れており、耐久性の高い木材の特長を生かした循環型のレンタル・販売モデルを構築する。

「木育」に着目


 同社がレンタルする遊具の多くは、空気を入れて膨らますビニール製。木材への親しみを深める「木育」が注目される中で、顧客らから「木材を使った遊具はないのか」という問い合わせが入るようになった。そこで昨年2月から研究と開発に着手。丸太生産量が日本一の県産スギをPRするためにも、飫肥杉を使うことを思いついた。

 事業化に向けて山元社長が訪ねたのが、県よろず支援拠点と日南市。そこで紹介された南那珂森林組合に飫肥杉の提供を依頼したところ、「普及促進につながるよう協力したい」と加工材の提供を快諾してくれたという。

 また、遊具開発では高い安全性と耐久性が求められる。このため、県木材利用技術センターに強度試験の方法を、宮崎大教育学部の藤元嘉安教授(木質科学)にはジャングルジムに使う金具の設計や力の分散について意見を求めた。

 両者の協力で安全性や耐久性が担保されたことにより、昨年9月、「みやざき農商工連携応援ファンド」に採択された。10月から開発を本格化し、ジャングルジムは現在、強度試験を経て試作品製作の段階。ボールプールはスギ製のボールの表面をいかに滑らかにできるかについて研究中だ。

再利用でレンタル費減


ボールプールに入れる飫肥杉製のボールの試作品を手にする山元洋幸社長

ボールプールに入れる飫肥杉製のボールの試作品を手にする山元洋幸社長

 ジャングルジムは高さ約1.6メートル。レンタル用は金具の接合部を使うことで分解し、持ち運びしやすい設計。より強度の高いくさび加工は保育園など施設内での常設用を想定し、家庭用はコンパクトなサイズになっている。使用場所や顧客の使用目的に応じて提供できる設計になっている。
 
 ボールプールは木枠の最長部は約1メートルで、4~5センチのボール約4000個を入れる。試作品ができ次第、県内の保育園などに貸し出して子どもたちの反応や改善点を確認する。雑貨やイベント資材などの展示会にも出展し、市場の反応やニーズについて調べる計画。いずれも量産のめどが立てば販売も視野に入れる。同社の取引先はこれまでイベントを開く企業などがメインだったが、今回初めて個人向け市場に参入する考えだ。

 そのきっかけとなった発想が「遊具のリサイクル」。構想では、個人客はジャングルジムやボールプールをレンタルし、数年後に買い取りか同社が引き取るかのいずれかを選べるようにする。同社が引き取る場合は木材の表面を磨いたり、金具を再調整したりして、新たにレンタル先を探す。このサイクルを繰り返すことで、1回当たりのレンタル費用を抑えることができる。

 山元社長は「不要になったら引き取ってもらえるという気軽さは、広さに制約があるマンション暮らしの人も受けるはず。少子化が進展しても祖父母らの『プレゼントをあげたい』というニーズは変わらない。その気持ちにうまく訴えたい」と意気込んでいる。
              
(西村公美)

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