みやビズ

2018年4月23日(月)
マッチング

宮崎の未来産業を目指して スポーツ・ヘルスケア分野

2017/03/08
 県はスポーツ・ヘルスケア産業の振興を目指している。本年度は県内の関心を高めるため、セミナーやビジネスアイデアコンテストを開催。さらなる機運醸成や企業間マッチングの機会創出などを図ろうと、今月中に産学金官による協議会を設立する。設立後はビジネスに活用できる地域資源の洗い出しや、ビジネスモデルの開発などを予定し、企業の新事業創出や新規創業につなげる。

月内に官民協議会を設置


学生対象のビジネスアイデアコンテスト。宮崎大のビジネスサークルが考えた「健康管理と健康改善のできるお茶漬けスタンド」が最優秀賞に選ばれた=2月19日、宮崎市・県電ホール

学生対象のビジネスアイデアコンテスト。宮崎大のビジネスサークルが考えた「健康管理と健康改善のできるお茶漬けスタンド」が最優秀賞に選ばれた=2月19日、宮崎市・県電ホール

 県はスポーツ・ヘルスケア産業の振興を目指している。本年度は県内の関心を高めるため、セミナーやビジネスアイデアコンテストを開催。さらなる機運醸成や企業間マッチングの機会創出などを図ろうと、今月中に産学金官による協議会を設立する。設立後はビジネスに活用できる地域資源の洗い出しや、ビジネスモデルの開発などを予定し、企業の新事業創出や新規創業につなげる。

⇒スポーツ・ヘルスケア産業ビジネスアイデアコンテストの結果

市場規模の拡大が背景


 県は「みやざき産業振興戦略」(2016~18年度)の中で、スポーツ・ヘルスケア産業を「未来産業(夢)プロジェクト」に位置づける。その理由として、スポーツ産業とヘルスケア産業は市場が拡大方向にあることなどを挙げる。

 特にヘルスケア産業は健康寿命の延伸や医療・介護費の適正化に向けて成長が見込まる分野であり、経済成長が続くアジアの需要取り込みも期待できる。政府は日本再興戦略において市場規模を現在の4兆円から20年には10兆円にまで拡大させる成果目標を掲げ、次世代ヘルスケア産業協議会(事務局・経済産業省)を立ち上げ、その実現に向けた環境整備などに努める。

 全国では自治体や医療・介護機関、大学、各種企業、金融機関などによる地域版次世代ヘルスケア産業協議会(地域版協議会)の設置が相次いでいる。ヘルスケアビジネスを創出するためのプラットフォームの役割を担っており、本県も今月中に立ち上げる。

 スポーツとヘルスケアは緊密な関係にあるため、県は一体的にとらえ、機能性食品やアスリートフード、病気の予防やリハビリ向けの機器開発、ヘルスツーリズムなどさまざまなビジネスの可能性を探る考えだ。国も地域資源を活用した新たなヘルスケア産業として健康と「食・農」「スポーツ」「観光」などとの組み合わせを想定するなど、幅広い事業の創出が期待される。実際、県が今年2月に行った学生対象のビジネスアイデアコンテストでも実に多彩なアイデアが出された。

 ただ、間口が広い分、フードビジネスや医療機器産業など本県が注力する他の産業分野と重なる部分がある。それらの産業振興を図る既存の官民連携組織と新たに設ける協議会との間で役割の重複も予想され、混乱や無駄が生じかねない。

 この点について県産業集積推進室の鬼塚保行主幹は「協議会にはさまざまな企業に参加してもらい、異業種間のマッチング、交流促進を図る。既存の取り組みや組織とは重複という捉え方ではなく、連携の可能性が大きいという考え方だ。例えば、フードビジネスで培ったシニア食など、これまでの積み上げをスポーツ・ヘルスケア産業に取り込める。そのために既存組織との調整を図るコーディネーターが必要」と話す。

国の事業採択目指す


 国は地域の実情に応じたビジネスモデルの確立を支援するため、健康寿命延伸産業創出推進事業(委託事業)を14年度から実施している。地域版協議会との連携を前提に、事業者から事業計画案を募集。委託事業額は1件当たり上限3000万円と大型であり、本県もその採択を目指す。

 一方で、本県では青島グランドホテルなどでつくる「青島観光6社会」と宮崎大産学・地域連携センターが連携し、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の予防・改善を目的としたヘルスツーリズムに既に取り組む。また、三和ニューテック(宮崎市清武町)は、歩くだけで歩行機能の状態やロコモの程度などを判定する測定器を開発するなど、先行する取り組みがある。

 こうした先行した取り組みを含め、鬼塚主幹は「本県はスポーツ・ヘルスケア産業が成長する可能性を秘める」と見解。「豊かな自然環境や食、プロスポーツキャンプの受け入れノウハウといった固有の資源に加え、フードビジネス振興構想や東九州メディカルバレー構想などで培った素地があり、これらはスポーツ・ヘルスケア産業を推進する上で優位に働く」と期待を込める。
(小川祐司)

アクセスランキング

ピックアップ