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2019年11月18日(月)
マッチング

「鳥の骨付き生ハム」を作りたい2(白雉)

2016/08/31
チタン製のハモネロに固定した鳥の骨付き生ハム。ハモネロの改良も商品化へ越えなければならないハードルの一つ

今秋にも提供スタート

チタン製のハモネロに固定した鳥の骨付き生ハム。ハモネロの改良も商品化へ越えなければならないハードルの一つ

チタン製のハモネロに固定した鳥の骨付き生ハム。ハモネロの改良も商品化へ越えなければならないハードルの一つ

 飲食業の白雉(宮崎市、福吉正明社長)が商品化に取り組んでいる「鳥の骨付き生ハム」。ハム製造のノウハウを持たず、挑戦は断念寸前だったが、福岡県の食肉メーカーと共同開発が決まり道が開けた。現在は販売戦略を練っている段階で、今秋にも飲食店への提供を始められそうだ。ただ、事業を軌道に乗せるには、まだまだ解決すべき問題が残っている。


ハモネロ

 「お世話になった宮崎の飲食業界に、利益の出る商品を作って恩を返したい」。生ハムの商品化は、大阪から裸一貫で来県し、人気焼き鳥店の「しろきじ」を立ち上げた福吉社長の強い思いが原点になっている。豚の生ハムのようにハモネロ(生ハムホルダー)に固定して客の前でナイフでスライスし、食べてもらう姿をイメージ。店には商品と器具を一緒に提供する。

 宮崎市の工業デザイナー、川添康正さんにハモネロ作りを依頼。豚肉用は普及しているが、鶏肉用は「世界初」(川添さん)のため器具の大きさや商品の見せ方などを詳細に検討し、試作品をいくつか作った。3Dプリンターで造作したチタン製は、軽量で強度があり質感も上品だが1台7万円。どっしりしていて衛生的な印象のステンレス製は1万円。いずれもコストダウンや改良が必要だ。

 さらに問題は、メーカーの事情で生ハムが今のところ月に300個しか製造できない。福吉社長によると、店頭で自家製品を提供してもよいが、商品化には資格や設備が必要という。300個では、すぐに品切れとなる。「メーカーに宮崎へ進出してもらうか。もしくは共同で工場を建てるか…」と福吉社長は頭を悩ませる。

パッケージ

商品ロゴやパッケージについて検討する福吉正明社長とグラフィックデザイナーの柿木理恵さん(右)

商品ロゴやパッケージについて検討する福吉正明社長とグラフィックデザイナーの柿木理恵さん(右)

 福吉社長は5月末、新潟であった47都道府県の居酒屋が集まるグルメイベントに参加した。ゴールデンウイークに東京と福岡で開かれた肉料理のイベントで、県外他社が出品した半生の鶏肉を食べた客が食中毒になる事件が発生。骨付き生ハムの提供は見送ったが、参加企業の代表やマスコミ関係者らにイベント後の懇親会で食べてもらった。「うまい」「ハモネロを使うアイデアがいい」。飲食業に精通する専門家の高評価に大きな自信を得た。
 
 「飲食店に使ってもらうのが第一」(福吉社長)だが、土産や贈答品として空港や物産館での販売も見据えている。新潟でのイベント参加もそのための「テスト」。宮崎市のグラフィックデザイナー、柿木理恵さんに依頼し、商品ロゴやパッケージの製作を進めている。

 柿木さんは「比較的高めの価格設定なので高級感や上品さが必要。でも奇抜過ぎてはいけない。鳥の骨付き生ハムは他にない商品。特徴的なモモ肉の形をどう見せれば、消費者の関心を得られるのか。炭火焼き、ささ身、たたき、唐揚げなど鶏肉の加工品はたくさんあり、包装デザインやキャッチコピーも出尽くした感がある。後発として、それらとどう差別化するかも課題」と話す。

 「ノウハウが全くないところから、ここまで来た。これからもいろんなことができると希望は持っている」と福吉社長。9月末には第1弾の30個を宮崎市内の飲食店へ提供する。最大の課題は商品の安定生産。将来的に施設整備が必要と判断した場合は「公的な支援を得られれば」と話している。
 同社の骨付き生ハムに関する問い合わせはTEL0985(31)8855。
(久保野剛)

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