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マッチング

細かな心遣いで販路拡大 ヘナアートスタジオMesun(宮崎市)

2015/12/09
コチョウランの花びらに模様を描いていく増田代表。花びらに体温が伝わって劣化しないよう、素早く描き上げる

インドのアートで心をつかむ

コチョウランの花びらに模様を描いていく増田代表。花びらに体温が伝わって劣化しないよう、素早く描き上げる

コチョウランの花びらに模様を描いていく増田代表。花びらに体温が伝わって劣化しないよう、素早く描き上げる

 天然染料「ヘナ」のペーストを使ってインドの伝統的な模様を体や雑貨などに施すヘナアート。ヘナアートスタジオMesun(ミーサン、宮崎市、増田美恵子代表)は「感謝」「旅立ち」などの意味を持つ模様をオンラインショップで紹介し、お客の求めに応じて絵柄や色をさらに組み合わせるサービスを始めた。「高価そうだし、求めるイメージをお店に伝えるのが難しい」という不安を解消。県内中心だった事業を全国に広げたい考えだ。

お客の不安を解消

 Mesunでは雑貨を持ち込んだお客から希望を聞いて、図案集を見ながら模様を選んでいく方法と、あらかじめ模様を描いた雑貨を店頭で販売している。増田代表は「シンプルなグラスでも模様を入れるだけで華やぎ、特別な贈り物になる」と話す。

 しかし、電話やメールでのやりとりが主な県外のお客とは色合いや形状など微妙な特色をうまく伝えられない。「相手の購買意欲が下がっていくのが感じられて歯がゆかった」と増田代表。模様を実際に見ていないため、仕上がりをイメージしづらい問題もあった。「どうすれば需要をうまく取り込み、お客に喜んでもらえるか」。考え抜いた結果、オンラインショップを立ち上げた。

 オンラインショップでは「幸運」「祝福」「弔い」など18種類の主な模様の見本を紹介。お見舞いや就職祝いなど具体的な注文にも対応する。雑貨はシャンパングラスや印鑑ケースなど14種類を用意。雑貨の品代とアート料金込みの価格を表示し、「どのくらいの値段がするか」というお客の不安を払拭(ふっしょく)した。お客がデザインをイメージしやすくなることで県外からの需要が増えると見込んでおり、この事業はことし5月に県の経営革新計画に承認された。

新たなフラワーギフトとして提案

 2011年の創業時から力を入れてきた商品の一つに、ヘナアートをデザインしたコチョウランの鉢植えがある。お祝いの贈り物としての引き合いが強いという。しかし、注文を受けてから生花を県外に発注し、その後に模様を描くため、納期が1週間ほどかかっていたのが課題だった。

 偶然にも増田代表が指導するヘナアートスクールに、コチョウラン生産を手掛ける美潮洋蘭(宮崎市)のスタッフがいた。農家側も付加価値のあるコチョウランの販売方法を模索していると聞き「互いの商品やサービスの価値が高められる」と契約を結んだ。年間を通して安定的に供給してもらえるようになり、最短で注文を受けた翌日に発送できる体制を整えた。

 生産者から鹿児島県では開店祝いなどに加え、葬儀や法事などでもコチョウランを贈る習慣があると聞き、ニーズの幅広さを知った。増田代表は「贈り方に合わせたデザインを提案できる強みを生かしたい」と、今までにないフラワーギフトとして広めたい考え。花が散ってもコチョウランに込められた思いを形に残すため、花びらの模様と同じものを描いたカードを添えるなどの細かな心遣いも忘れない。増田代表は「ヘナアートの知名度はまだ低い。贈り手の思いを伝える新たな方法として販路を広げたい」と話している。
(西村公美)

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