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2019年12月16日(月)
マッチング

「鳥の骨付き生ハム」を作りたい(白雉)

2015/10/21
「宮崎の飲食店にとって末永く利益の出る商品にしたい」と語る白雉の福吉社長

宮崎の名物に

白雉が商品化を目指している「鳥の骨付き生ハム」の試作品

白雉が商品化を目指している「鳥の骨付き生ハム」の試作品

 「宮崎の飲食店にとって末永く利益の出る商品にしたい」。焼き鳥店の「しろきじ」で知られる飲食業の白雉(宮崎市、福吉正明社長)は「鳥の骨付き生ハム」の商品化に取り組んでいる。構想から3年。食肉製品製造のノウハウを持たない企業の挑戦は断念寸前だったが、支援機関や金融機関の協力で、ことしに入って大きく前進した。

リスクを敬遠

 福吉社長は自ら調理場に立つ傍ら、5年ほど前から県外の宮崎物産展に参加し、物販の必要性を感じていた。「いつも会場で焼き鳥を食べてもらうだけ。中津(大分)の空揚げ、仙台の牛タン焼きのような名物があれば」と思い、鶏もも肉を使った骨付きの生ハムを考案。レシピを確立して自分の店で提供すると、客の反応は上々だった。

 「一般的な豚肉の生ハムに比べ、鶏肉は仕入れ値が安くてヘルシー、製造期間も短い。売値も安いから回転率も高い。味に自信はある。商品化できればメリットは多い」と福吉社長。ただし自社で商品化を目指すには設備やスタッフが足りず、食品衛生管理のノウハウもない。リスクを考え、県中小企業団体中央会連携企画課の黒原隆起課長補佐に共同開発のパートナー探しを相談した。

 中央会ではまず、県食品開発センターに紹介をしてもらい、生ハム製造で知られる県内のある企業を訪ねた。しかし「骨付き肉は品質管理が難しく、衛生面で手間がかかる。骨なしは対応できても、骨付きは難しい」と断られた。その後、自力で複数の食肉製造会社を探したが「骨付き肉は熟成するのに余計な設備や場所が必要になる」などと反応は芳しくなかった。

県外に活路

「宮崎の飲食店にとって末永く利益の出る商品にしたい」と語る白雉の福吉社長

「宮崎の飲食店にとって末永く利益の出る商品にしたい」と語る白雉の福吉社長

 県内で難航していたパートナー探しは、県外に目を向けたことで好転する。昨年秋、黒原課長補佐は顔見知りである商工中金宮崎支店の二宮敏彰次長に相談。詳細を聞いた二宮次長は、すぐに福岡県のある企業が思い浮かんだという。ただし先方に確認すべき条件があった。それは(1)他社品を委託生産できるか(2)新たな商材に挑戦してもらえるか(3)宮崎と物流があるか-だった。

 高い食肉製造技術を持ち、世界的な品評会でも好成績を残しているこの企業は、幸運にも宮崎から食材を仕入れていた。「食材を福岡へ運んできたトラックの帰便に、委託生産した生ハムを乗せて宮崎に運べる」。物流面の問題はクリアできると考えた二宮次長がアプローチすると、先方からは職人の心意気を感じさせる頼もしい返事が返ってきた。「宮崎にはいつも良い食材を提供してもらっている。鶏肉の骨付き生ハムを作ったことはないが、うまくいけばいい実績になる。挑戦したい。取りあえず食材を送ってほしい」

 何度か試作品のやりとりを交わし、先方の食肉製造技術に確信を得た福吉社長らは今年6月、この企業を訪問。先方と共同開発を行うことで合意した。現在は商品の最終形が見えてきたところで、モニターとして宮崎市内の飲食店に試作品の生ハムを提供。消費者の反応や食材としての使い勝手、好まれる切り分け方などの情報を収集しつつ、販売戦略を練っている。

 大阪出身の福吉社長は、約10年前にサーフィンが縁で来県。血縁のない本県で裸一貫、飲食業を始め、今に至る。「宮崎の人にたくさん助けられて今がある。その恩返しに『鳥の骨付き生ハム』が宮崎の名物となってくれれば」と話している。
(久保野剛)

 【プロフィル】株式会社 白雉(屋号 しろきじ) 2006年11月、宮崎市中央通に宮崎本店を開業。09年には福岡市・西中州に2号店を設け、現在は県内外に4店舗。資本金500万円、年商は約1億3000万円。TEL0985(32)8843。

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