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2019年10月17日(木)
みやにち首都圏マガジン

元気発信 NHKアート・美術担当ディレクター 雨﨑 友美さん

2012/12/25

番組支える裏方に誇り


音響担当時の雨﨑さん。「宮崎の両親をはじめ、出会った多くの方々に支えられて今の私がいる。本当に感謝している」(本人提供)

音響担当時の雨﨑さん。「宮崎の両親をはじめ、出会った多くの方々に支えられて今の私がいる。本当に感謝している」(本人提供)

 テレビや舞台の裏で奮闘する多くのスタッフ。宮崎市出身の雨﨑友美さん(36)もその一人だ。NHKアートの美術担当ディレクターとして質の高い番組制作を支える。(東京支社報道部長・見山輝朗)

 雨﨑さんは宮崎女子高(現宮崎学園高)に在学中、ダンスのパフォーマンスグループで活動。宮崎市内のイベントに出演する際、曲を入れたカセットテープをテレビ局に持ち込んだところ、アナログ録音のくぐもった音源を、音響設備の担当者がCDのようにクリアによみがえらせた。

 舞台芸術に興味を持っていた雨﨑さんは音響技術にすっかり魅せられた。専門技術者を目指して上京。日本工学院八王子専門学校に入って音響・レコーディング技術を学び、NHKアートに入社した。

 同社はNHKグループの一員として放送番組の美術制作業務を主に手掛け、昨年、創立50周年の節目を迎えた。NHKとカラーテレビ用色彩を共同研究したり、人工雪を開発するなど、テレビ業界の発展に寄与。雨﨑さんは、同社が音響・舞台・照明装置を任されている国内最高峰のサントリーホールやNHKホールの音響担当になった。

 入社1年目の夏、人気番組「思い出のメロディー」にドリフターズが出演した。子どものころから見慣れた爆笑喜劇だったが、リーダーいかりや長介さん(故人)が制作現場で見せる表情は真剣そのもの。入念に打ち合わせをして新人の雨﨑さんらスタッフ一人一人にも声を掛ける。最高の番組にしようと、見えない舞台裏でも全力を尽くすいかりやさんの姿勢に、雨﨑さんはプロの厳しさを実感した。

 「この仕事を選んでよかった。音響はトラブルがなくて当たり前。美術セットみたいに目に見えるものではないけれど、自分の仕事に誇りが持てる音づくりをしていこう」

美術担当として再スタートを切った雨﨑さん。最高の番組作りへ向け、視聴者の目に映る全てのセットに気を配る=東京・NHK放送センター

美術担当として再スタートを切った雨﨑さん。最高の番組作りへ向け、視聴者の目に映る全てのセットに気を配る=東京・NHK放送センター

 紅白歌合戦をはじめ、数々の番組制作に打ち込んだ。音響技術に磨きをかける一方、入社から10年が過ぎて、新たな意欲が湧き上がった。

 「今まで音響一筋だった。カメラ、照明、大道具、衣装、ヘアメークなど、とても大きなチームが協力して一つの番組を作り上げる。もっといろんな仕事を知ることで、視野が広がるのではないか」

 安定した音響担当から今年6月、希望して美術部門に異動した。一から勉強し、9月から毎週日曜日午後9時放送の音楽番組「ららら♪クラシック」などの美術進行を担当している。目に見えるセット全てに関わる仕事。演出家やデザイナーの要望を聞きながら、場面に合った最良の組み合わせを考えていく。

 「音響は与えられてやる部分が多かった。美術は台本を読み込んで、自分の感性でつくることができる。大変な分、充実感は大きい」

 決してスポットライトが当たることのない裏方の仕事。雨﨑さんはこう考える。「視聴者の方々に、私たちの苦労を伝えてはいけない。没頭して見ていただける番組作りが私たちの使命だ」

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