みやビズ

2020年2月24日(月)
キーパーソン

日本バイオフーヅ社長 森下雅之さん

2012/12/27

九州の健康食品製造拠点に


日本山人参、山伏茸、プロポリスなどさまざまな素材で作ったサプリメントのサンプルの前に立つ森下さん。「頑張る生産者のために19年間で社が培った知恵を役立てたい」と意気込む

日本山人参、山伏茸、プロポリスなどさまざまな素材で作ったサプリメントのサンプルの前に立つ森下さん。「頑張る生産者のために19年間で社が培った知恵を役立てたい」と意気込む

 「九州は食の宝庫」。いま成長分野にある健康食品・サプリメント産業界で、この地域特性は九州の優位性として掲げられる。ところが現状は、製造工程が本州の業者が多く、九州の一大産業とはなっていない。健康食品研究開発、製造を手掛ける日本バイオフーヅグループ(宮崎市田野町)は、本県、九州の製造拠点として存在感を増すために、より厳格な製造規範を取り入れ、原料の生産から製造、販売までを「オール九州で取り組みたい」と努める。そのグループ会社・日本バイオフーヅ社長として先頭に立ち、「九州というブランドを最大限に活用するため、九州で生産される素晴らしい素材を世界へ発信することが弊社の存在意義」と、使命感を胸に日々奔走している。

 同社によると、1995年に売り上げが6200億円だった国内の健康食品市場(サプリメント産業)規模は、2011年には1兆1500億円にまで膨れ上がった。背景には、食材の栄養価低下や食生活の欧米化など食環境の変化で、ビタミンやミネラルなど必須微量栄養素が不足しがちであったり、ストレスの多い生活や睡眠不足など外的要因で体内ビタミン消費量が増加したりで、サプリメントを必要とする国民が増えたことがある。

 現在、日本でサプリメントを利用している人は全人口の4分の1程度だが、米国では約7割が何らかの形で口にしているという。「日本も、今後20年で米国と同程度の割合で消費されると考えられる。2020年にはサプリメント産業は3兆円産業に成長すると予想されている」と話し、現在が「参入のベストポイント」と強調する。

 延岡市に生まれ、父親の仕事の関係で中学生のときに宮崎市へ。同市内の高校を卒業後、北九州市の九州国際大学法学部へ進学した。法学部を選択したのは「日本で生きていくのであれば、法律を勉強していれば何かの役に立つだろう」といった、動機としては軽いものだった。卒業後の就職先に選んだのは製造メーカーを対象とした北九州市の人材派遣会社で、最初の赴任地は東北地方。岩手、宮城県で4年半ほど働いた。「人に恵まれ、人情味豊かな東北の土地柄もあって、仕事には何の不満もなかった」が、人生を変える転機が訪れる。

 きっかけは、東国原前知事の登場。「宮崎をどげんかせんといかん」という言葉に、自身も「郷土のために何かしたい」という気持ちが膨らんでいき、帰郷を決意。08年8月、26歳のときだった。就職活動に臨み数社から内定を得たものの、現同グループ代表で、当時同社社長だった四田美利代表取締役会長の仕事に対する情熱を感じて「この人に人生を懸けてみよう、この会社に骨をうずめよう」と思ったという。そこからは「がむしゃらに仕事に打ち込んだ」。入社から4年余り、営業で行っていない都道府県は和歌山と福井県だけというほど全国を駆け回り、取引先を開拓していった。

「九州で生産される素晴らしい素材に価値を加えて世界へ発信することが使命」と話す森下さん

「九州で生産される素晴らしい素材に価値を加えて世界へ発信することが使命」と話す森下さん

 同社は、長崎県出身の四田会長が妻の故郷である本県でゼロから興した会社。「訪問販売から始め、プロポリスを日本という市場に根付かせた一人」と四田会長への信頼を口にする。入社後、営業畑で主任から係長、課長を飛び越えて次長、部長と務め、11年7月には常務、12年9月に社長職へ就いた。31歳。「本音を言えば『大丈夫かな』という思いもあったが、会長から『時代を動かさなきゃいけないのは30、40代の人間。思いっきりやってみろ』と言われた。自分の仕事に責任を持つことで新たな幅が広がる。もっともっと頑張れる」と自身を鼓舞する。

 本県産業の浮揚へ、農林水産物の付加価値を高める取り組みが不可欠だと感じている。「いつまでも地鶏だけでは限界がある。農家の人たちがいいものを作れば、付加価値の付け方で知恵をお貸しすることはいくらでもできる」と力強い。

 厚生労働省が示し、公益財団法人日本健康・栄養食品協会が定める適正製造規範(GMP)ライセンスを取得したのも、国内にとどまらない経営を実現し、九州の素材の良さを世界に発信するためだ。現在約10億円の同グループ全体の売り上げを200億円に伸ばすとともに、雇用を拡大することが目標。「『宮崎にバイオフーヅあり』と認められたい」と、存在感のある企業の姿を思い描いている。

ここが聞きたい

 -今後のサプリメント業界の展望、可能性は。

 今後、国内では間違いなく医療費高騰の問題があって、国は医療費を抑制しようとしてくる。そうなってくると、本当の意味での(自分の健康を自分で守る)セルフメディケーションが浸透してくる。米国は健康保険がないからこそ、健康に対する意識が高い。日本は保険があるからいいか、という訳ではない。米国はがんで死亡する人がどんどん減ってきている。先進国で、がんで亡くなる人が増えているのは日本くらい。保険がなくなることはないと思うが、自分の体は自分で守りましょう、という時代が到来する。

 そこでサプリメントが重要な役割を担ってくる。健康の基本はあくまで食。食があってサプリメントがサポートする。宮崎を中心とした南九州エリアを、東九州メディカルバレー構想と連動した、サプリを活用したヘルスケアの一大拠点とするための後押しができれば、と思う。

わたしのオススメ

 私も飲んでいるプロポリスをお薦めしたい。おかげで風邪をひかず、入社以来、病気で休んだことはない。社員も飲んでいて、インフルエンザが流行する時期にも皆休まない。

 趣味らしい趣味はなく、子どもと遊ぶことくらい。読書は好きで、中村天風の自己啓発の本は、落ち込んでいるときに読むと元気が出る。頭が仕事モードで眠れないときでも、いいことを考えて「眠ることに集中しよう」と気持ちを前向きにさせてくれる。(談)

プロフィル

 もりした・まさゆき 1981(昭和56)年9月生まれの31歳。子どもの頃は本気で「料理人になろう」と思っていたことも。2008年8月に日本バイオフーヅに入社、12年9月に社長に就任した。日本バイオフーヅグループの有限会社「太陽と緑」の社長も務める。

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