みやビズ

2018年7月20日(金)
キーパーソン

新垣ミート(宮崎市)社長 新垣幸洋さん

2017/12/04
20171201-1admin_image_1512118728.jpg 父幸夫会長(74)の後を継ぎ、精肉や加工品の卸・販売を手掛ける「新垣ミート」の社長に9月に就任した。「やっている仕事は就任前と変わらないのに、ものの見方が変わった。以前は『伸ばせるところを伸ばせばいい』と考えていたが、今は『伸ばしてもいいが、それが全体にどう波及するのか。全体がうまくいく最高のやり方なのか』と、常に全体を意識するようになった」と話す。

「本当の会社」へ今が正念場


店舗に立つ新垣幸洋社長。さらなる飛躍を目指し、6億円を投じてネット部門と営業部門の拠点を新たに整備する

店舗に立つ新垣幸洋社長。さらなる飛躍を目指し、6億円を投じてネット部門と営業部門の拠点を新たに整備する

 父幸夫会長(74)の後を継ぎ、精肉や加工品の卸・販売を手掛ける「新垣ミート」の社長に9月に就任した。「やっている仕事は就任前と変わらないのに、ものの見方が変わった。以前は『伸ばせるところを伸ばせばいい』と考えていたが、今は『伸ばしてもいいが、それが全体にどう波及するのか。全体がうまくいく最高のやり方なのか』と、常に全体を意識するようになった」と話す。

 大学在学中、後継者という意識は皆無だったが、就職活動はしなかった。「後を継ぐということが深層心理にあったんだと思う」と振り返る。卒業後、すぐに入社し、肉のカットや仕入れを担当した。大学時代も休みに帰省して手伝っていただけに仕事の流れは分かっていた。当時は従業員が10人以下で、「家族経営のようなものだった」。

 少しずつ従業員が増え、自身に時間的余裕が生まれた2006年、インフォマート(東京)が運営するプラットフォームを活用した企業間電子商取引を始めた。すぐに全国の飲食店やスーパー、ホテル、通販業者などとの取引が生まれ、軌道に乗った。

 次いで、「ヤフオク!」、「ヤフー!ショッピング」、「楽天市場」へと順に参入し、ネット事業を拡大した。話題づくりや見せ方などを工夫し、価格競争に陥らないための自社にしかない商品の充実にも注力。多くのライバル会社がいる中でも埋没せず、柱となる事業の一つに成長させた。

 今年5月、香港での商談会に参加し、海外展開への第一歩を踏み出した。相手が求めるもの、売り方や仕入れ方、加工の改善すべき点などが見えた。11月にも台湾に足を運び、販路開拓に意欲を見せる。

9月に社長となり、「やっている仕事は就任前と変わらないのに、常に全体を意識するようになった」と話す新垣社長

9月に社長となり、「やっている仕事は就任前と変わらないのに、常に全体を意識するようになった」と話す新垣社長

 実績や行動力から、強いリーダー像を思い描いてしまうが、「ネット通販が軌道に乗ったのは、地元ITサービス会社が親身に支えてくれたおかげ。自分だけの力では絶対に無理だった」と、ひたすら感謝。海外展開についても「担当部長が以前勤めていた会社で必要なノウハウや知識を蓄積していた。優秀な人材に恵まれたから踏み切れた」と謙虚な言葉しか出てこず、「俺がやった」感は、みじんもない。

 従業員数は42人まで増え、年間約7億円を売り上げるまでなった。現在、さらなる飛躍を目指した一大プロジェクトを進める。宮崎市の倉岡ニュータウン業務用地に約6600平方メートルの敷地を確保し、ネット部門と営業部門の拠点を整備する計画だ。総事業費は6億円で、来年9月の完成を見込む。

 これを機に、食品衛生管理の手続きを定めた国際基準「HACCP(ハサップ)」を取得する。「肉の卸でハサップを取得しているところは県内にないと思う。義務化される前に先行してやることで優位性が生まれる。やるなら今だ」と狙いを明かす。

 ネット、海外、新拠点、ハサップ…と挑戦を続け、これらのために自ら動き回る。トップがどう動くかを見せることで、従業員に会社の戦略や仕事の進め方などを浸透させる意図がある。挑戦を続けるのは、従業員に夢や目標を持つことでモチベーションを高めてもらい、仕事の意味を考えながら働いてほしいと願うからでもある。

 これから組織を大きくしていく中で、「従業員に任せて成果を出す形にしないといけない。その道筋づくりが今だ。ここをしっかり乗り切り、家族経営的な組織から本当の意味での会社へと移行させたい」と誓う。

(小川祐司)

プロフィル

 しんがき・ゆきひろ 宮崎市出身。宮崎北高-明治大法学部卒。1995年に入社し、2010年に専務。今年9月から現職。誕生日は10月29日。「肉の日」に生まれたことに「宿命なんですよ」と笑う。1971(昭和46)年生まれの46歳。


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