みやビズ

2019年9月16日(月)
キーパーソン

万代ホーム社長 前田隆治さん

2012/03/12

顧客満足を徹底し2500棟

万代ホームの住宅インテリア館。「定期的に住まいのセミナーなどを開き、個別の相談を受けている」と話す前田社長

万代ホームの住宅インテリア館。「定期的に住まいのセミナーなどを開き、個別の相談を受けている」と話す前田社長

 おなじみの黄色いゾウのキャラクターとともに歩んで約30年。徹底した顧客満足を心掛け、手掛けた住宅は県内や鹿児島で約2500棟にも上る。自宅への直接訪問など無理な営業活動はせず、見学会や住まいのセミナーなどをショールームなどで開き個別に相談を受ける。相談者の後追いも控え、再び店を訪れるまで待つ。「本当のお付き合いが始まるのは契約成立後から」。ハウジングアドバイザーが建築の進捗状況を週1回は施主に報告。施主が住宅に入居した後も2カ月に1回は定期訪問してメンテナンスの有無などを確認するなど、アフターフォローも欠かさない。この息の長い付き合いで顧客の支持を広げてきた。

 鹿児島県大隅町(現曽於市)生まれ。父親は町議や会社勤めをしていた。地元の岩川高校を卒業し、東大阪市のスーパーマーケット・万代百貨店(現在の万代)に就職すると、鮮魚部に配属される。「市場のように客に声を掛けて売る対面販売で鍛えられ」、接客の基本を学んだ。7年間勤めたものの、仕事が忙しく体調を崩して1週間寝込んだのを境に、同じ大隅町出身の妻にも勧められ古里に帰ることを決意する。

 地元に戻り、最初は百貨店の鮮魚部など大阪時代と同じ仕事を探したが見つからず、当時不動産業を始めていた父親の紹介で大興不動産(宮崎市)の都城営業所に就職する。ここで百貨店勤務で培った接客のノウハウが生きる。1カ月で営業所トップのセールス成績を挙げた。当時は土地や建物の資産価値が右肩上がり。売買も盛んで、そんな時代背景も後押ししてくれた。

 この後、知人と都城市で不動産業を立ち上げて1983(昭和58)年、29歳で独立。万代不動産を創業し、2年後の85(同60)年、住宅建築を扱う万代ホームを設立した。建築まで手を広げたのは不動産会社時代の苦い経験があったから。土地を販売する際に紹介していた建築会社のアフターメンテナンスが悪く、結果的に顧客に迷惑を掛けることが何度もあったという。

「顧客満足を徹底し、約2500棟を手掛けてきた」と語る前田社長

「顧客満足を徹底し、約2500棟を手掛けてきた」と語る前田社長

 経験のある建築士や現場監督を中途採用して新たに始めた建築業だったが、「知識がない自分の方針に従ってもらえず衝突し、辞めてもらった」。結果、自ら現場監督に立ち、夜は営業に回ることもあった。やがて新卒採用した若手を教育して資格取得を勧め、建築士やインテリアコーディネーターとして育成してきた。「17、18年前に採用した新卒者が今は中堅幹部として会社を支えてくれている」

 社員教育を重視し、工事現場でも厳しいルールを設ける。「最初は職人かたぎでマナーが悪く、周囲の家にも迷惑を掛けていた」というが、仕事始めや終わり、休憩前などでの1日5回の掃除をはじめ、作業着やヘルメット着用などを徹底させている。「反発があったが、10、20年かけてやっと浸透してきた」。美しく整理された工事現場を参考にしようと、これまで全国から70~80社が見学に訪れたという。今年も福井や愛知などから既に十数社が足を運んだ。

 「基本的に男性社会で気合と根性の業界だった」という不動産、住宅メーカーの中にあって社員の7割は女性、夫婦で働いている社員も5、6組。残業は極力させず、子育てと両立しやすいよう「仕事が遅くなる時は一時帰宅させて食事の用意をさせたり、学校行事がある日は休ませたりしている」と労働時間短縮などにも柔軟に対応している。

 「自然にここまで来た」と振り返るが、当初、妻と従業員2、3人で始めた会社も社員約80人、年商25億円の企業に成長。後継者となる長男泰宏さん(35)も専務として支える。顧客満足を徹底して、目指すのは年商50億円企業。「わたしの代で達成して、息子に経営をバトンタッチしたい」

ここが聞きたい

 -顧客が住宅に求める要素は時代とともに変わってきたか。

 東日本大震災の発生を受けて、住宅に対する考え方も今年ぐらいから大きく変わると思う。これまではローコストの住宅が売れていたが、耐震性や省エネに関心が持たれるようになった。地場の工務店もこれまではローコストを売りにしていたものの、品質や性能などを高めていく必要があるだろう。

 -一番売れている住宅の価格帯はいくらぐらいか。

 30歳前後で家を建てる人が多い。土地建物を含めて2000万円前後が一番売れている。住まいのセミナーなどを毎月開催しており、顧客も最近は賢くなっている。私たちも購入してもらえるよう商品を磨いていかなければならない。

私のオススメ

 毎朝起きて、ウエートトレーニングやジョギングなどで約1時間体を動かす。若いころからの習慣で、旅先などでも欠かさない。夜は夕飯を食べて焼酎を飲んで、早い時には午後9時半ごろに就寝する。だから朝は4時半ぐらいに起床して、体を動かす。それからお風呂に入り朝ご飯を食べる。気持ちがいいし充実感がある。仕事に来るころには頭もスッキリしている。(談)

プロフィル

まえだ・たかはる 鹿児島県大隅町(現曽於市)生まれ。岩川高卒業後、東大阪市の万代百貨店に入社。7年間の勤務を経て、79(昭和54)年に宮崎市の大興不動産に入社。83(同58)年に万代ホームを設立する。58歳。

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