みやビズ

2018年7月16日(月)
キーパーソン

宮崎県工業会販路開拓コーディネーター 佐藤利光さん

2017/07/03
20170630-1admin-image-1498815971.jpg企業成長へ目標を共有 福岡県豊前市にある本県のフロンティアオフィスを拠点に、北部九州の自動車関連産業と県内企業の取引拡大を支援する。自動車部品メーカーのホンダロック(宮崎市佐土原町)勤務時代に得た経験やネットワークを生かし、常に「自分ができることは何か」を考えて積極的に行動。その姿勢に企業や行政関係者からの信頼は厚い。「成長を目指す宮崎の企業に足りない部分を行政と一緒に補っていくことが使命」と力強い。

企業成長へ目標を共有


福岡県豊前市にある北部九州フロンティアオフィスの前で。佐藤利光さんは、入居する自動車関連5社と思いを共有しながら販路開拓に取り組む

福岡県豊前市にある北部九州フロンティアオフィスの前で。佐藤利光さんは、入居する自動車関連5社と思いを共有しながら販路開拓に取り組む

 福岡県豊前市にある本県のフロンティアオフィスを拠点に、北部九州の自動車関連産業と県内企業の取引拡大を支援する。自動車部品メーカーのホンダロック(宮崎市佐土原町)勤務時代に得た経験やネットワークを生かし、常に「自分ができることは何か」を考えて積極的に行動。その姿勢に企業や行政関係者からの信頼は厚い。「成長を目指す宮崎の企業に足りない部分を行政と一緒に補っていくことが使命」と力強い。

 2014年5月に宮崎県北部九州フロンティアオフィスが開所して以来、16年度末までに訪問した企業数は累計約360社にのぼる。北部九州にとどまらず、中部地方の企業に足を運ぶことも。企業訪問の際には県内の企業名鑑だけでなく、企業立地ガイドや観光や食に関するガイドブックも持参する。「少しでも宮崎を印象付けたい。何が企業進出先や取引先を決めるきっかけになるか分からないから」と明るく笑う。宮崎の自動車関連産業のため、宮崎の企業のためという明確な目標が原動力だ。

 宮崎工業高卒業後、1979(昭和54)年にホンダロック入社。メッキ加工のオペレーター業務を皮切りに、調達・購買に関する部門に延べ27年間従事した。若手の頃、予期せぬトラブル、例えば機械の故障、材料の発注ミスなどで生産ラインが止まるという窮地に立たされたこともあった。小さなミスでも原状回復には通常時の何倍ものエネルギーが必要となる。会社の各部門にいるキーマンとつながりを深め、その中で自分の役割をきちんと果たすことで窮地から抜け出すことはできたが、現場管理の大切さが身にしみた。

「成長を目指す宮崎の企業に足りない部分を行政と一緒に補っていくことが使命」と話す佐藤さん

「成長を目指す宮崎の企業に足りない部分を行政と一緒に補っていくことが使命」と話す佐藤さん

 98年、TQM(トータル・クオリティー・マネジメント)という方針管理を導入するために同社が設けた経営企画室に配属。全社展開の事業計画のもと、各部門が目標数値を設定し、その目標に向かって行動する。導入当初は苦労したこともあった。しかし、数年で成果と共に浸透。今では当然のように機能している。

 54歳のとき、「ホンダロックで学んだことを使って何かできることはないか」と早期退職。半年の充電期間を経て、就任したのが宮崎県工業会が募集していた自動車関連産業の販路開拓コーディネーターだった。「目と耳と口があればどこでも行きます」と普段通りの飾らない自分をアピールし、数人の中から採用された。それから、TQMの考え方に基づき、フロンティアオフィスに入居する企業を中心に売上を伸ばすことを目標に掲げ、北部九州の企業だけでなく、自治体の担当部署などを足しげく巡ってはネットワーク構築に欠かせないキーマンを探し続けている。

 最終的な目標は「県内企業の受発注支援(営業・購買両面の支援)」という。「県外企業の訪問活動で得たその企業の優位性(QCDD)を県内企業に紹介することで、原価低減・安定調達につながれば県内企業の競争力がさらに増す」。コーディネーターとして、企業間をつなぐ仕事で両面の支援ができれば、相互に喜ばれると考える。既に数件県内企業より発注案件での相談もあり、県内外企業を紹介し、商談もまとまり契約に至っている。

 「企業が自分たちで動こうとしたとき、何か足りない部分があると分かったら、積極的にフロンティアオフィスを活用してほしい。前へ進もうとする企業をサポートするのが行政の仕事だし、その一端を担うのがコーディネーター」と強調。「足りない部分を補い合うのが連携。連携は企業にとっての新たな刺激、活力になる」と呼び掛けている。

         
(福岡支社・鬼束功一)

ここが聞きたい


 -県北部九州フロンティアオフィスが開所して3年が経過した。現状は。

 現在入居する企業は5社。今年の春にはフロンティアオフィスの実績を生かし、1社が福岡市内に営業所を立ち上げて“卒業”したが、いまも情報交換などでつながりは続いている。2016年度末までの入居企業の累計契約件数は159件、累計売上は約5億5700万円。今後も企業訪問活動を継続して本県企業の技術力などをアピールしていく。ほかにも、北部九州の大手自動車企業を招き、本県企業を見ていただくことで実力を知っていただき、受注につなげている。

 -コーディネーターとしての喜びは。また、将来的に本県自動車関連産業にどのようになってほしいか。

 県内の中小企業やこの事業の依頼主でもある県に喜んでもらうことが何よりやりがいとなっている。期待に応えられるようこれからも努めていく。本県の自動車関連産業には、夢は大きく世界からの要求に答えられるような「ものづくり(QCDD)」ができるのが理想。お客さまニーズに添ったものや独自の技術力で提案でき、さらに付加価値を高めることができれば、理想は近づくと思う。

プロフィル

 さとう・としみつ 宮崎市出身。ホンダロックでは鉄・非鉄原材料、樹脂材料、工業系部品などの調達を担当する部門に27年間従事。2014年から現職。宮崎工業高校3年生のとき、全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(夏のインターハイ)、全国高等学校サッカー選手権大会(冬の国立)に出場。いまもホンダロックのサッカー部を外部からサポートする。ゴルフと釣りも趣味。1960(昭和35)年7月生まれの56歳。

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