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SINKa(社会起業家創出支援ネットワーク九州・アジア、福岡市)代表理事 濱砂清さん

2017/04/10
 環境保護や子育て支援、福祉、まちづくりなど社会的課題をビジネスの手法を使って解決するソーシャルビジネス。その担い手となる企業やNPO法人、住民などの育成や支援に携わってきた。地方創生が関心を集める近年は人口減少に悩む自治体からの依頼を受け、起業や雇用の創出などを通じた地域活性化に力を注ぐ。

地域の課題、ビジネスで解決


 環境保護や子育て支援、福祉、まちづくりなど社会的課題をビジネスの手法を使って解決するソーシャルビジネス。その担い手となる企業やNPO法人、住民などの育成や支援に携わってきた。地方創生が関心を集める近年は人口減少に悩む自治体からの依頼を受け、起業や雇用の創出などを通じた地域活性化に力を注ぐ。

「農業と健康をキーワードに何かできないか考えている」と古里への思いを語るSINKaの濱砂清代表理事

「農業と健康をキーワードに何かできないか考えている」と古里への思いを語るSINKaの濱砂清代表理事

 川南町出身。日向工業高で建築を学び、熊本の建築専門学校に進学。1981(昭和56)年、20歳で福岡市の設計事務所に就職した。住宅や学校、病院、商業施設などさまざまな建築物の設計に携わった。「いろんな人の要望を聞いて、ゼロから造っていく面白さがあった」。休日に県内外の有名建築家の建物を見学するなど勉強を重ねるうち、「単体の建築物ではなく、規模の大きいまちづくりや開発をやってみたい」との思いが芽生え、27歳で福岡市内に設計事務所を設立した。

 営業を始めて間もなく、マンション建設や都市開発を担うデベロッパーから声が掛かり、95年に福岡市で開催されたユニバーシアード福岡大会の選手村のマスタープラン(基本計画)を策定。大会後の活用も見据えた計画で、跡地はマンション約2400戸が整備され、分譲販売された。

 ソーシャルビジネスを始めるきっかけとなったのは妻圭子さん。育児情報誌を出版した圭子さんを代表にして、「フラウ 主婦生活総合研究所」(福岡市)を93年に設立。設計事務所をその一部門として組み込んで仕事を続け、自らも専務に就いて資金調達や営業など妻の仕事を後押しした。「子育て環境の改善という課題を目指す、この会社そのものがソーシャルビジネスだった」

「社会の課題を解決する担い手やビジネスを支援する」とSINKaについて説明する濱砂清代表理事

「社会の課題を解決する担い手やビジネスを支援する」とSINKaについて説明する濱砂清代表理事

 2006年4月、九州の社会起業家の育成や支援を行うためのネットワークを発足。国もソーシャルビジネスの振興策を打ち出すなど、社会的に認知され始める中、10年にSINKaを福岡県内の企業や個人と設立した。

 定期的にセミナーや相談会を開催。「課題を見つけて、こうしたいと思っている人を見つけて、それを形にする」。農業や障害者雇用、まちづくり、商品開発など、多岐にわたる分野で企業や行政、NPO法人など約50団体の設立に関わってきた。

 自治体からの相談も多い。「地方は新しい発想がなくて悩んでいる」。課題を解決するために力のある民間と組み合わせるなど、コーディネーター的に動くこともある。昨年からは自治体に入って起業を支援する取り組みを始めた。福岡県遠賀町では3月下旬、遠賀駅前ビル内に起業支援施設をオープンさせた。「新しい価値を創造しながら起業家を育成し、人口や雇用を増やして活性化するのが狙い」

 古里に関わったこともある。東日本大震災の復興支援事業として、川南町で開催されている「軽トラ市」のノウハウを被災地に導入した。被災地ににぎわいを取り戻す一助にしてもらおうと、口蹄疫からの再生に取り組んだ町民に岩手県陸前高田市などを訪問してもらった。11、12年度は同市や仙台市などで軽トラ市が開かれ、岩手県大船渡市では現在も続いている。

 「今動かないと10年後、20年後どうなるのかという地域もある」。だからさまざまな案件を掛け持ちして懸命に動き回る。「最終的には宮崎をどうにかしたい。農業と健康をキーワードに何かできないかと考えている」。古里への思いも持ち続けている。
(高森千絵)

ここが聞きたい

 -宮崎をどう見ているか。

 宮崎の民間の人はおとなしく、役所頼みの面がある。いいものを持っているし、特徴のある人もいる。だから表にもっと出てきていい。今は県外といわず、宮崎からでも世界を目指すことができる。宮崎の良さを世界に発信してほしい。

 -川南町の軽トラ市を高く評価している。

 軽トラ市としては全国一の成功例。2、3カ月に1度は福岡から見学者を連れていっている。昨年10月に同町であった全国軽トラ市には大手自動車メーカー、スズキの会長も駆けつけた。メーカー側も自動車の陳列棚について考えるなど、新しいビジネスにつながる何かを模索している。

プロフィル

 はますな・きよし 釣りが趣味だが「休日もイベントなどで忙しく、行く暇がない」。好きな言葉は「明らかに清く正しく」。圭子さんとの間に息子1人。1961(昭和36)年2月生まれの56歳。福岡市在住。

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