みやビズ

2019年10月14日(月)
キーパーソン

協同管理社長 南弘一郎さん

2014/03/27

ニッチの需要取り込む

 県内最大の歓楽街“ニシタチ”。夜になると店のネオンがともり、食や酒を求める客でにぎわう。そんな街の一角でスナック「インティライミ」を経営するが、本職は水道工事業。飲食店やスナックからトイレや調理場の配水管の詰まりや故障修理の依頼が飛び込むと、マスターから現場職人の顔に早変わりして工具箱片手に出動。下水道の普及によって本業の浄化槽維持管理の市場が大幅な縮小傾向にある中、ニッチな需要の取り込みに深夜の歓楽街を走り回る。

夜はニシタチのスナック「インティライミ」のマスターをしながら水道工事の依頼が来るのを待つ

夜はニシタチのスナック「インティライミ」のマスターをしながら水道工事の依頼が来るのを待つ

 2007年に加入した宮崎商工会議所青年部(YEG)のメンバーから依頼を受け、深夜のニシタチの飲食店で修理をするようになったのがきっかけ。深夜営業の飲食店にすぐに駆け付ける水道工事業者は少なく、依頼は次々に舞い込んでくるようになった。

 その一方で、工事代の請求でトラブルになることも。建物の所有者か管理者の不動産業者か、または飲食店経営者に請求するのかはっきりせず、支払いがうやむやになり、「取りっぱぐれることもあった」。また、「昼間に仕事をした後で、夜中に事務所から出掛けることは結構な負担だった」という。

 10年に父の浩前社長から本業を引き継ぎ、経営者として会社を切り盛りするようになってから、「自分から飛び込むことで、飲食業界や不動産関係の勉強もできるようになる。いっそニシタチに支店を置くつもりで飲食店を開いた方がいいのではないか」と、13年8月からニシタチ進出を計画。

 賃貸した空き店舗を約200万円掛けて自分で改装し、13年10月には「インティライミ」を開店させた。同時にこの店舗を管理する宮崎市内の不動産会社との間で契約を結び、同社が管理する別の飲食店テナントの水道工事を請け負うことになった。これにより、「工事代金を不動産会社に請求することがスムーズにできるようになった」と説明する。

昼間は協同管理社長として浄化槽維持管理や水道工事関係の仕事を行う

昼間は協同管理社長として浄化槽維持管理や水道工事関係の仕事を行う

 1日のスケジュールは、昼間に協同管理の仕事をこなし、インティライミが開店する前の午後5〜8時まで、ニシタチ周辺の飲食店の修理工事や水回りのリフォームなどの工事を行う。午後9時に店を開店し、午前2時の営業終了後に、営業中に修理依頼のあった店の応急処置に出向く。
 
 料金は深夜の応急処置、本工事共に1回5000円(材料費別)で、「大手より割安の設定にしている」。それ以上に、営業中でも営業終了後でも当日中に対応できることが最大の売りでもある。店の売り上げが月約40万円で工事請負代は月約7万円。まだまだ工事請負代は少ないが「工事請負代だけで100万円を目標に、これから営業して増やしたい」。

 また、「あくまでも本業の協同管理を優先して開店時間のスケジュールを組む」と言うが、近くのスナックのママから「片手間で店を開いたらいけない」と怒られたこともあり、これからの課題だ。だが、いずれ工事請負代が増えれば「従業員を増やして対応したい」と意欲的だ。

ここが聞きたい

 ーどのような工事依頼があるか

 ニシタチの飲食店という特性上、酔ってトイレに携帯電話やボールペンを落として詰まらせるケースが多い。携帯電話は本体からシムカードだけでも回収したい人もいて、汚物から携帯電話を取り出すのは大変な仕事。酔っ払ってトイレにもたれてタンクを壊したり、調理場の蛇口の水漏れや排水の詰まりなどもある。

 ー異業種からの転職で承継した

 後継者不在の状況だったため宮崎市内の会社のシステムエンジニアを辞めて1996年に協同管理に転職した。専門の職人たちのスパルタ教育で配管や左官の仕事を覚えた。当時は年600件あった仕事も現在は200件まで減少している。仕事を身に着けると一人親方で独立する従業員が多く、人材確保が課題。

わたしのオススメ

 テレビゲーム好きが高じてインティライミには最新のゲームを設置している。カウンター席にはコンセントがあり、携帯ゲーム機でも遊べるようにしている。ゲーマーでも街に出やすいスナックになるといい。飲み放題、歌い放題で男性3000円、女性2500円。(談)

プロフィル

 みなみ・こういちろう 宮崎市出身。宮崎南高から専門学校へ。宮崎市内の会社に就職し、システムエンジニアとして働く。1969(昭和44)年9月生まれの44歳。

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