みやビズ

2019年11月23日(土)
キーパーソン

Happy Smile Create代表 長友まさ美さん

2014/03/20

目標に向け自発的行動促す

 クライアントの可能性、能力を引き出しながら目標達成に向けて自発的な行動を促す「コーチング」。最近はビジネスや子育ての分野などで広く活用されている。4年前に事務所を立ち上げ、これまで経営者、行政関係者、会社員など延べ280人以上を受け持った。「人は無限の可能性を秘めた種のような存在。本人もまだ気付いていない種を一緒に育て、その人しか咲かせることのできない花を咲かせたい」と意欲をみせる。

「コーチングを通して、その人にしか咲かせることのできない花を一緒に咲かせたい」と話す長友さん

「コーチングを通して、その人にしか咲かせることのできない花を一緒に咲かせたい」と話す長友さん

 初めてコーチングと触れたのは27歳。前の会社(福岡市)で体調を崩したのがきっかけだ。全身に原因不明の湿疹ができ、緊急入院。それまでは朝から夜まで働き詰めだった。自分の人生を考えることもなく、目の前の仕事のことばかりが頭にあった。

 いつも求められる以上の結果を出すことにがむしゃらになっていた。病院のベッドの上で、ふと思った。「5年後、10年後、どんな人生を送っているのだろう」。自分の未来がイメージできなくて、ぞっとした。

 退院後、コーチングを受けた。「目の前の人が笑顔になり、元気になると、自分まで笑顔になる。そうすると、また人を喜ばせたくなり、人が喜ぶとまた笑顔になる。このエネルギーは無限に湧き起こるから、出し惜しみする必要はない」。答えはとてもシンプルだった。

 コーチングの面白さに気付き、資格を取得することに。世界一周旅行のために貯金していたお金をすべてはたいたものの、「誰もが、いつからでも自分の人生を自由に選択、決断できる。自分の人生の主人公は自分なのだ」と実感。目の前の人が大きな変容をしていく姿に、心から喜びを感じた。

 もともと、日本語学校教師を夢見ていた。宮崎市内の高校を卒業後、県外の大学へ進学。ただ、宮崎弁のイントネーションが問題だった。アナウンススクールに通ったが、宮崎弁を直すことができずにあっさり挫折した。その後、さまざまなアルバイトを経験する。営業、バスガイド、飲食店店員…。数えたら職種は30以上に上った。

 「当時は他人が気になり、いつも誰かと比べていた」。一円でも多く稼ぐことしか興味がなく、睡眠時間を削って働き、お金が貯(た)まると現実から逃避するように旅に出た。こんな生活は長く続かないと、就職を決意。条件がいいところから履歴書を送った。

 しかし、いざ面接を受けると、すべて不採用。学歴、資格、経験がない。なによりその企業で働きたい明確な理由がない。「(自分の)価値のなさを気付かされた」。そんな中、映像制作、イベントの企画・運営を行う福岡市の会社に入社。一生懸命働いた。

 上司から信頼され、採用・面接の担当も任せられた。入社当時は小さな会社だったが、急成長。「(会社には)よく育ててもらった」と感謝する。今度は自分が人を育てる立場に立ち、チームのメンバーがいきいきと働くためにリーダーシップ、組織開発、マネジメントなどを学んだ。その一つがコーチング。人生の大きな転機だった。

この4年で延べ280人、1800時間のコーチングを手掛けた。県外企業の合宿型研修にも取り組む計画だ

この4年で延べ280人、1800時間のコーチングを手掛けた。県外企業の合宿型研修にも取り組む計画だ

 前の会社を辞め、宮崎市内に会社を設立。しかし、県内ではコーチングの認知度は低く、まずは知ってもらおうと勉強会の開催、ラジオやブログでの発信など奔走した。4年たった今、コーチングの認知度は高まり、人気も出ている。これまで延べ280人以上、1800時間のコーチングを手掛けた。

 コーチングは2種類。一対一のパーソナルコーチングと、一対複数の同じ目的をもった集合体へのシステムコーチング。システムコーチングは企業研修の中で導入している。依頼は県内はもとより、県外からも多い。さらに、「世界平和は家庭平和から」と、夫婦の関係性のコーチングも行う。

 今後の目標は、誰もが人生の「主人公」として、思い切り生きる人ばかりの社会、地域をつくること。それに、自然豊かな宮崎で研修やワークショップを開催することだ。「自然の中といった非日常空間では気持ちが解放され、本音で語りあえる。チーム力をあげる研修、自分と向き合う時間にはぴったり。同時に大好きな宮崎の魅力も知ってもらえる」と力を込める。


ここが聞きたい

 ―コーチングの詳しい内容を。

 コーチは英語で「馬車」という意味。乗っている人を目的地まで運ぶという意味から、目的達成に向けクライアントの自発的な行動を促すもので、人材開発の一つの手法だ。相手の話を聞く、質問するなどして、目標達成をサポートしている。スポーツの世界でコーチをつけるのは一般的だが、今ではビジネスの世界でもコーチをつける人が増えてきた。人材育成の分野でも活用されている。

 ―対話型夫婦を勧めている。

 世の中で一番身近で小さな集合体と言えば家族。その基となるのが夫婦。夫婦の関係性はダイレクトに子どもに影響する。その夫婦の形・姿はさまざまで、2人が幸せと感じる姿を引き出していく。これまでたくさんの夫婦にインタビューをしたが、共通しているのは尊重、感謝、対話。どんな時でも互いを尊重し、対話を重ねながら、よりよい関係性を築き続ける夫婦を対話型夫婦と名付けた。

わたしのオススメ

 自然の中で遊ぶことが大好きで、特に山登り。年に7、8回は出掛ける。最近は霧島や九重など。山登りと人生は似ている。1歩ずつ前に進み続けることで、目的を達成できる。1人ではつらくても、仲間と一緒に励ましあいながら進むと到達できる。自然から教えてもらうことも多い。思いきり大地に寝転んだり、五感をフルに使って歩いたりしていると楽しい。海、山、川など豊かな自然が近くにたくさんある宮崎は最高だと思う。(談)

プロフィル

 ながとも・まさみ 宮崎市出身。宮崎南高卒業後、「宮崎から出たい」という思いもあり、岐阜聖徳学園大(岐阜県岐阜市)へ。前の会社ではモデルをこなし、福岡のタウン雑誌などに登場したことも。企業の力を教育に生かす、県教委の「みやざきの教育・アシスト企業」にも登録されていて活躍中。現在独身だが、「結婚して対話型夫婦を実践したい。子育てもしてみたい」と笑う。1981(昭和56)年7月生まれの32歳。

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