みやビズ

2018年4月23日(月)
キーパーソン

いけうちゴルフ社長 後藤明美さん

2014/02/06

さまざまなサービスでファン獲得

 専業主婦からの転身だ。夫と始めたゴルフ練習場は、現在福岡、熊本県を含め3カ所。サービスの良さから週末には待ち時間が1時間以上になるなど人気が高く、高齢者や女性の客も増えている。さらに練習場跡地を利用した太陽光発電とマンション経営も手掛けており、多角的な事業に乗り出している。

後藤社長(中央)は従業員の教育にも力を入れる

後藤社長(中央)は従業員の教育にも力を入れる

 延岡市北川町出身。地元の工業高校を卒業すると同時に結婚した。夫(峰公さん)は家業の建設会社を継いだが、建設業界の先行きに不安を覚え、1989年に同業者へ売却。その後宮崎市へ引っ越し、夫はサラリーマンに。それから4年後の93年、西都市内のゴルフ練習場を買収する。義父からの提案がきっかけで「ホテル、マンションの経営の話もあったが、まずはゴルフ練習場になった」。買収費用は建設会社の売却益を充てた。

 客は順調に増え、事業は成功。意欲が出て、もう1カ所増やすことになった。ただ、練習場は広い土地を確保する必要があり、一からやるのは大変。そこで既存の練習場に目を付けた。それが「いけうちゴルフ」だった。一度は買収費用が折り合わず断念したものの、99年にいけうちゴルフ場側から話を持ち掛けられ応諾、翌年から運営を始めた。この時専務に就任し、経営に携わるようになる。「それまでは専業主婦。経営なんて門外漢で不安だった」と振り返る。

 しかし、懸命な努力により、事業は着々と拡大。久留米市と熊本市の練習場に手を広げる一方、ティーアップ機など設備機器の販売・リースをする「HOKUTO」(久留米市)と、ティーアップ機のメンテナンスや練習場の防虫を行う「TAKUMI」(同)を設立。顧客は九州内を中心に30~40ほどの練習場に上った。社長に就いたのは県外進出前の2007年。同時に夫の峰公さんは社長から会長になった。

 いけうちゴルフは92打席あり、1カ月の利用者は1万人を数える。1日当たりをみると、土、日曜が多く、多い時で600人に上るという。1時間待ちという時もあるが、さまざまなサービスでもてなしている。「待ち時間があると分かっていても、わざわざ足を運んでもらうのはありがたい」。このため自らコーヒーをいれて無料でサービスするほか、退屈させないようにたくさんのゴルフ雑誌や漫画を用意している。

 また、夏には熱中症対策として打席の後ろにミスト機(30機ほど)を設置し、冬には打席に備え付けのいすに座布団を置く。座ったときにお尻が冷たく感じないようにするためだ。従業員の教育も力を入れ、あいさつや客への対応は徹底している。こうしたアイデアや振る舞いが人気の秘訣(ひけつ)となっており、「いけうちファン」を増やすことにつながっている。

顧客を第一に考え、さまざまなサービスを提供し続ける後藤社長

顧客を第一に考え、さまざまなサービスを提供し続ける後藤社長

 「経営に携わり始めたころはゴルフを知らなかった。家事、子ども、仕事どれも完璧にしたいと思ってストレスになっていたが、今はゴルフをすることが気晴らしになっている」。常に客がどうすれば喜んでもらえるかを最優先で考えていると言い、「練習場は家、客は友人」の思いは忘れないようにしている。ちなみに、春と秋の2回開催するコンペは、成績が真ん中より下の人には豪華賞品を準備。「成績が振るわない人は練習にたくさん来てくれるでしょ」と抜け目がない。

 西都市の練習場は昨年3月に閉め、翌月から練習場跡地を利用した太陽光発電事業に乗り出した。練習場の電気使用量は多く、「安くならないか」と思ったのがきっかけ。同9月からは九州電力へ売電しており、「ゴルフ練習場より収益率が高い」と新ビジネスに期待する。とはいえ、本業は練習場。「社長になって8年がたったが、いろいろ考えれば考えるほど大変。でも、やりがいは感じる」と意欲満々だ。
 

ここが聞きたい

 -宮崎市内のゴルフ練習場について。

 ゴルフ練習場を経営し始めたころは周りにたくさんあったが、廃業などによって減っている。客層をみると、高齢者に加え、若者や女性が増えている。週末にはカップルの姿も目立つようになってきた。宮崎市内には北部、南部にそれぞれ数カ所あれば、需要に応えられると思う。ゴルフ人口は減っていないので、運営方法を工夫しながら生き残っていきたい。

 -運営面で配慮していることは。

 顧客に分け隔てなく接すること。当然と言えば当然。練習場にはさまざまな人がやってくる。外見ではその人の職業などは分からない。同じように接していなければ、後で大変なことになる。以前、普段着と違う背広姿のお客を見た時、驚かされたことがある。このことは従業員に徹底しており自信はある。お客に気持ちよく練習してもらうためには必要だと思う。

わたしのオススメ

 2年に1回の割合で、家族でハワイ旅行をしている。若い時は仕事が忙しくて、子どもには何もしてあげられなかった。世代交代が順調に進み、少し余裕ができはじめた時、孫を含めて全員で行け、安心なところを考えたらハワイだった。ゴルフも楽しめ、何といっても解放感がいい。それに、おいしい海鮮中華も堪能できる。お気に入りの店があり、必ずタクシーで駆け付けるようにしている。おなかも、気持ちも満足する。(談)

プロフィル

 ごとう・あけみ 延岡工業高工業化学科卒。いつも心掛けているのは「ほしいものは買うな。いるものは買え」。ほしい、ほしいと思うと価格が高くても買おうとする。「しかし、それが本当に必要かどうかを見極めることが大切」。子どもは4人(2男2女)いて、いずれもグループ企業に就職している。1962(昭和37)年11月生まれの51歳。いけうちゴルフは年中無休(平日・午前7時~午後9時半、土日祝日・午前6時~午後9時半)。

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