みやビズ

2018年7月19日(木)
侃侃諤諤

企業の地域貢献/えびの電子工業社長・津曲洋一さん

2013/08/16
1カ月ごとにテーマを決め、県内の経済人にインタビューする新コンテンツ。経済の動向、業界の課題、企業のトピックスなどについて、語ってもらいます。8月のテーマは「企業の地域貢献」です。隔週金曜日掲載。


地元の将来担う若者支援


社会の一員として地域貢献するのは当たり前」と話す津曲社長

「社会の一員として地域貢献するのは当たり前」と話す津曲社長

 電子部品などを製造するえびの電子工業(えびの市)。県内に5工場を設け、地元雇用にこだわるなど、地域経済に貢献してきた。本業以外でも小林高女子駅伝部の支援など、地域の将来を担う若者の育成にも力を注ぐ。津曲洋一社長に聞いた。(経済部次長・高森千絵)

 ―地域での事業拡大にずっとこだわってこられました。

 工場も全部、県内に配置して従業員もすべて日本人。何とかこの地域の経済活性化の一翼を担えているかなと思います。苦しみながらも雇用を地元で創出できないか挑戦してきたのが今の姿です。

 ―地域貢献活動として以前は国際交流活動をされていたと聞いています。

 今は閉校しましたが、えびの高原国際専門学校で学んでいた留学生と市民をつなぐ交流ができないかとえびのロータリークラブと市民の皆さんの協力を得て1999年から「ブタ汁の会」を開いていました。自分の子供と同世代の留学生を囲み、市民にも参加してもらい一緒に豚汁を作って食べ、コミュニケーションを深めました。留学生が日本の大学を受験するために必用な身元引受人になったこともあります。

 ―小林高女子駅伝部の支援もしています。

津曲社長ら地元民間企業が応援する小林高女子駅伝部

 小林高OBとして駅伝部を応援する中で男子に比べて、女子は歴史が浅くバックアップ体制が弱いと知りました。そこで応援する団体「もみじ会」を有志の皆さんと立ち上げました。ユニフォームのオレンジ色にちなんで子供たちが付けてくれました。えびの、小林、都城市、鹿児島県曽於市の民間56社が純粋に子供たちを応援しようという趣旨に賛同しており、現在会長を務めています。

 ―資金面の援助をしているのですか。

 合宿など、保護者にはいろいろ負担が掛かります。全国大会への遠征費など、少しでも助けになればと思います。私も毎年、全国高校駅伝(京都)へ応援に行きますが、子供たちが頑張っている姿から感動をもらい、自分の刺激にもなっています。

 ―若者の支援に力を入れていますね。

 地域、社会を巣立っても、いずれは古里を思い、帰ってきてくれる子供が育ってほしい。えびの市は人口は約2万人しかいません。このままでは高齢者だけが増えて疲弊していくばかり。私たちが育んだものが違う形で返ってきてくれるとうれしいです。

 ―企業の地域貢献の意義をどう考えますか。

 企業は市民と一緒で、社会の一員として地域に支えられています。だから地域に貢献するのは当たり前です。社員には消防団員もおり、それらの行事に対して積極的に協力しないといけません。会社側が支えてあげないと活動できません。地味な地域活動でも、それらに対する理解と下支えが大事です。

 ―社員は地域活動に参加しているんですね。

 各地区の責任者的な仕事が回ってくることもあります。地域に住んでいれば、「勤めているからできない」という言い訳は通用しません。過疎地域になれば余計に、会社が支え合う活動に協力する意識を持つ必要があります。地域活動に協力できる社員を育てていくのも地域貢献の一つだと考えています。

 ―地域貢献が企業にもたらすメリットは。

 意識してやっている訳ではありませんが、活動を通じて企業の存在価値につながってくるでしょう。地域貢献という意識が根底に流れているような企業体質を持てば、企業価値は上がっていくと思います。ただ、大事なのは肩肘張らずに当然と言われることを続けていくことだと思います。
(宮崎経済同友会会員)


【プロフィル】 つまがり・よういち えびの市出身。日本電信電話公社(現NTT)勤務を経て1975(昭和50)年にえびの電子工業を設立。小林法人会監事、宮崎県暴力追放県民会議推進員などを務める。1950(昭和25)年1月生まれの63歳。

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