みやビズ

2018年7月21日(土)
海外事情 定期便 ~ジェトロ宮崎より~

北部で感じた経済成長のダイナミズム ~ベトナム訪問記2~

2017/11/22
20171121-1admin_image_1511262207.jpg 北部ベトナム最大都市ハノイ市。同市内から車で約2時間の場所に位置する、北部で最大の港湾となるハイフォン港。視察を通じて、北部ベトナムの急速な経済成長を肌で感じることができたとともに、自身の目で現場を見ることの重要性を再確認した。

ハイフォン港で荷役中のコンテナ船

ハイフォン港で荷役中のコンテナ船

 北部ベトナム最大都市ハノイ市。同市内から車で約2時間の場所に位置する、北部で最大の港湾となるハイフォン港。視察を通じて、北部ベトナムの急速な経済成長を肌で感じることができたとともに、自身の目で現場を見ることの重要性を再確認した。

 先月号「躍動するホーチミン経済~ベトナム訪問記~」でもご紹介した通り、県とジェトロ宮崎は、10月にベトナムへミッション団を派遣した。ミッション前半は南部のホーチミン近郊を視察、ミッション後半は、北部のハノイ近郊を訪問。港湾施設を視察したいとのご要望を受け、北部ベトナム最大の港であるハイフォン港視察をアレンジした。


▽ハイフォン港を川側から視察

 1000年以上の歴史を誇るベトナムの首都ハノイ市。南部最大の都市ホーチミン市が商都であるのに対し、ハノイ市は、政治・文化の中心として知られる。2000年に入って開始されたインフラ整備計画が着々と進み、都市化が急速に進む。この計画の一環で整備され、15年12月に全線開通したばかりの「ハノイ-ハイフォン高速道路」を通り、同市内から約100キロ。バスに揺られること2時間。目的地であるハイフォン港に到着した。

 港湾はその立地・地形により、海に面した「海港」と、河川に面した「河川港」に分類できるが、視察した同港は、紅河沿いにターミナルが並ぶ河川港だ。今回のミッションでは、ディンブー工業団地の協力を得て、船で川を下りながら、川側から港を視察した。

▽実感した経済成長

建設中のハロン-ハイフォン高速道路

建設中のハロン-ハイフォン高速道路

 同港はベトナム全体でも南部のホーチミン(サイゴン)港に次いで2番目の取扱量を誇る。前述の15年のハノイ-ハイフォン高速道路全線開通、16年のハイフォン国際空港完成など、周辺のインフラ開発整備が進んだことで、取扱量もますます増加しているとのこと。しかし、同港は水深7メートルと国際港の中では浅く、大型船の入港が限られるため、増え続ける貨物量に対応するために現在ハイフォン沖合で「ラックフェン国際深水港」が建設されている。この事業は日本の政府開発援助(ODA)で、18年の完成を目指し急ピッチで進められている。

 船上から見えた建設中の橋は、ディンブー工業団地の担当者によると「ハロン-ハイフォン高速道路」で、中国南部最大の都市・広州に通じるとのこと。ベトナム北部では、電気機器や事務機器などの分野を中心に企業進出が進んでいる一方、部材を提供するティア2・ティア3のサプライヤーが不足しているという。このため、中国南部からの部材輸入ニーズは高く、ベトナム北部と中国南部を結ぶ陸路としていち早い開通が望まれているとのこと。

 「経済成長率が毎年6%前後と高水準を維持している」と説明されても、なかなかピンと来ないが、整備された工業団地や大規模工事中の港・高速道路を自らの目で見て、ベトナムの経済成長のダイナミズムを肌で感じた。

▽「工場」から「市場」へ

イオンモールのお菓子売り場。日本と変わらない品ぞろえ

イオンモールのお菓子売り場。日本と変わらない品ぞろえ

 「『工場』から『市場』へ」という言葉を聞くと、中国を思い浮かべる方が多いだろう。ベトナムについては、まだ「工場」として捉えている方が多数だと思うが、すでに「市場」になりつつあると、訪問を通じて実感した。

 ハイフォン港からハノイ市内への帰路、当初見込んでいたほど交通渋滞が発生しておらず順調に進んだ。空いた時間を活用し、現地の小売市場の視察をするため、ベトナム市街地から直線距離で約5キロに位置する、イオンモール・ロンビエンを訪問した。

 ベトナムのイオンモール、と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。食料品売り場は、ドリアンを筆頭に、東南アジアならではの商品も店頭に並ぶ一方、みそ、しょうゆ、お菓子にすし、さらには宮崎で見慣れた焼酎もあり、充実した品ぞろえだった。

 また、モールエリアには、ボウリング場に映画館、100円均一でおなじみのダイソー(ベトナムでは4万ドン均一で、日本円で約200円)に、フィットネスクラブの「ルネサンス」も。店内にいると、「宮崎のイオンモールに来ているのではないか」と錯覚するほど充実したモールであった。
ベトナムを市場として捉え、進出している企業がすでに多数あり、今後さらに競争が増していくのではないかと感じた。

▽電源ない冷凍コンテナも

電源装置が付いていないとみられる冷凍コンテナトラック

電源装置が付いていないとみられる冷凍コンテナトラック

 港湾や高速道路といったインフラ整備が進み、事業環境も飛躍的に向上している。しかし、日本と同じようにはいかないこともまだまだ多いという。ハイフォン港からの帰り道、コンテナを積んだトラックを見かけた。

 コンテナには、一般貨物の輸送に使用されるドライ・コンテナと、肉・野菜・果物・水産品といった冷凍・冷蔵貨物の輸送のため、冷凍ユニットを内蔵し所定の温度を保つことができるリーファー・コンテナがある。見かけたトラックのコンテナは、後ろにファンや電源装置が付いていたので、冷凍・冷蔵用のリーファー・コンテナだった。

 ディンブー工業団地の方にお聞きしたところ、海上輸送中は電源がついているため適切な温度を維持できるそうだが、ハイフォン港で陸揚げされてからは、電源に接続されずに放置されることもあるという。見かけたトラックのコンテナも、おそらく電源が接続されていないという。現地でこそ知ることのできる、ベトナムの現状を垣間見た。

▽百聞は一見に如(し)かず

 今回の視察ミッションを通じ、ベトナムの現状を確認できたことに加え、自分自身の目で見て、肌で感じることの重要性を再確認した。百聞は一見に如かず。海外ビジネスを成功させるため、ジェトロをはじめ支援機関等が実施する海外現地視察(ミッション)を活用し、海外の現場を自身の目で見て、可能性を見極めていただきたい。

(ジェトロ宮崎貿易情報センター・中山裕貴)

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