みやビズ

2018年6月24日(日)
海外事情 定期便 ~ジェトロ宮崎より~

アメリカ西海岸からみる、日本茶の海外でのニーズ

2017/07/19
 海外での日本食ブームや健康志向の高まりを受け、日本茶の輸出実績は年々増加している。2016年は10年比で276%増の116億円となっている。国別輸出比率は米国が4割を占め、ついでドイツ、シンガポール、台湾となっている。日本茶の一大市場である米国、中でも西海岸の市場性について、現地に赴き調査する機会があった。

高級食品見本市「Winter Fancy Food Show 2017」風景

高級食品見本市「Winter Fancy Food Show 2017」風景

 海外での日本食ブームや健康志向の高まりを受け、日本茶の輸出実績は年々増加している。2016年は10年比で276%増の116億円となっている。国別輸出比率は米国が4割を占め、ついでドイツ、シンガポール、台湾となっている。日本茶の一大市場である米国、中でも西海岸の市場性について、現地に赴き調査する機会があった。

 今年1月22~24日、米国・サンフランシスコで、米国最大級の高級食品見本市「Winter Fancy Food Show 2017」が開催された。ジェトロでも、日本食品メーカーを集めたジャパンパビリオンを6年連続で出展し、日本国内から45社・団体の参加があった。うち3社・団体が日本茶を出品し、来場者(買い手)との商談や意見を交わしていた。私もこの見本市にジェトロのスタッフとして参加し、現地の日本茶に対する貴重な生の声を聞くことができたので、その一端をご紹介したい。

 まず、来場者からの声で多かったのが、「有機栽培なのか?」との質問である。やはり、消費者の食品に対する品質重視や安全・安心、また健康志向の高まりが要因だと言えよう。15年の有機小売市場規模は世界全体で9兆7184億円であるのに対し、米国は全体の約5割を占める4兆5800億円。その関心度の高さがうかがえる。

アメリカの高級スーパーの店頭に並ぶ、有機茶

アメリカの高級スーパーの店頭に並ぶ、有機茶

 また、世界全体の動向からも、土壌汚染や水質汚染対策として、20年以上前より有機農業政策が推奨されており、更に米国では残留農薬規制が厳格化されていることも、関心度の高さに比例しているものと思料される。実際、出展されていた日本国内の日本茶メーカーの中でも、有機認証を取得し「ORGANIC」を表示していたメーカーのブースの周りには、来場者が多く集まっていた。

 次に、「抹茶はあるのか」との質問も多かった。一概にはいえないが、来場者の声を聴くと、日本茶らしさといえば抹茶のイメージが強い様子で、「日本産の(有機栽培の)抹茶が欲しいがなかなか入手できずに困っている」とのことだった。ピンポイントで抹茶を求める来場者も多かった。

日本茶を来場者(買い手)に紹介する日本企業

日本茶を来場者(買い手)に紹介する日本企業

 更に詳しく抹茶の飲み方(使い方)について話を聴くと、通常の飲み方(抹茶の入れ方)に加え、「アイスに混ぜたい」、「抹茶味のお菓子を作りたい」など、現地での抹茶の使われ方も多種多様となっており、抹茶の認知度、人気の高さがうかがえた。

 その他、日本の加工食品企業を訪れていた来場者は「他社との優位性(差別化できること)は何なのか」と熱心に質問していた。その意図について確認してみると、「値段が高いだけの価値があるかどうか」について、企業に説明を求めていたのだという。この来場者は「高くても、品質や希少価値など、しっかりと納得する説明ができれば、消費者は商品を選んでくれる」とのこと。これを日本茶の海外でのニーズに置き換えると、「有機栽培である」、「抹茶」ということが一つの付加価値となり評価され、求められているのだろう。

 国連食糧農業機関(FAO)は、世界のお茶の貿易量は今後も増加すると予測している。今後も海外での日本茶ブームの広がりを期待できるのではないだろうか。15年の本県の茶の栽培面積は全国6位であり、生産量は全国4位。双方とも国内において上位となっている。本県のお茶産業は、日本のお茶産業の重要な立ち位置であるといっても過言ではない。日本産のお茶、そして県産のお茶の輸出拡大に向け、ジェトロ宮崎も全力で支援していきたい。
(ジェトロ宮崎貿易情報センター・繪柳孝丞)

アクセスランキング

ピックアップ